2013年1月18日金曜日

スポーツ科学の重要性

記事掲載が遅れ誠に申し訳ございません。
1月12日、13日熱海後楽園ホテルにて開催されました日本野球連盟主催の指導者研修会に参加してきました。
この研修会は、私が所属をしている競技力向上委員会のメインイベントの一つで、社会人野球の一年の始まりの位置づけとされており、ここで今年のスローガンを掲げ、全チームで社会人野球を盛り上げていこうと決意を一つにする場ともなっています。
社会人、クラブチームの監督及び指導者を対象として行なうもので、何十年と継続されています。
今回は、二日間に渡り、連盟からの報告事項や基調講演があり、指導者の方々には色々な動機づけのきっかけになったのではと思います。
この研修の中で、国際武道大学 神事助教授と早稲田大学 矢内教授より、科学的な野球技術の解説があったのですが、改めて科学と現場指導の融合の大切さを痛感しました。
例えば、右打者が右打ちを行なう場合、インパクトを迎えたときのバットの向きは、ヘッドの向きがライト方向を向くより、レフト方向を向いてインパクトを迎える方がより速度の速い打球となる。つまり、ライトに打つ場合は、インパクトを迎えるときにバットヘッドが手首の位置よりも後方にあるべきと思いがちですが、実は手首よりも前でボールのインパクトを迎えたほうが打球は飛ぶということになります。
これだけ聞くと「バットのヘッドがレフト方向に向いて、どうして打球が右方向に飛ぶの?」と平面的に見た感想となるのですが、バットは円形であり、且つ、バットをに傾きを加える(バットヘッドを下げる)ことにより、3次元的な打球角度が生まれ、バットヘッドは、レフト方向に向いていても、打球はライト方向に飛ぶことになります。
実は、私は、右方向にホームランを打つタイプであり、正にこのような感覚で打っていたように思います。思わず「なるほど」と頷いてしまったぐらいです。
指導をする際にも、インパクトのポイントは、通常内角が体より離れたところ(投手より)、外角が正対している前(ホームベースの外角、捕手寄り)、真ん中がその間とコースにより、ポイントが変わってくると教えるのが殆どなのに対し、私は、ポイントはホームベースに平行し、直線にある。寧ろアウトコースの方が、インコースよりも投手よりにポイントがあると指導をしています。
これを言うと殆どの指導者が、首をかしげるのですが、今回の講演を聞いて、漸く理屈を説明できるものが出たなと感激しました。
この例を発端に、現場で実際に指導する際の「感覚の世界」と「科学の世界」では、おそらく沢山の違いがあるはずで、それを一つ一つ分析する必要があり、一致させていくことが今後の課題となるはずです。
サッカーやバレーなど道具を使わないチームスポーツと比べ、野球は道具を使って行なうスポーツであり、身体的特性が非常に重要な要素であることは間違いありませんが、それ以上に道具の使いこなしというものが重要なファクターとなります。
試合に際してサッカー、バレーのように戦術が重要になるのに対し、野球は、どちらかというと1対1の勝負の方が勝敗のウエイトを占める競技であることから見ても、技術の研究は、益々行なっていく必要があります。
今までの基本理論や指導方法に疑念を抱かず、過去の経験だけで指導にあたる時代は終ったというのが現在のスポーツ界であり、このことに対し、取組みがちょっと遅れている野球界も襟を正して、積極的にやっていく必要があるなと考えます。
もっともっとこのような機会をつくっていくことが今後の使命なのかなとも思いました。
しかし、研修というのは、自分の意欲次第で受け取る情報の量は変わるものだなと改めて思いました。講師の皆様に感謝します。





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