2013年3月26日火曜日

WBC 備忘録 part1

WBCを観ての感想を記載すると言いながら今日になってしまいました。
かなり時期を逸しましたが、厳しいコメントは、ほとぼりが冷めた頃の方がいいのかななんて…。
さて、今回のWBCで、もはやアメリカが野球の強国ではないことが立証されたとも言える結果となりました。大会の言いだしっぺでありながら3年連続で決勝に進めないことが物語っています。ま、MLBの選手構成を見てもアメリカ人の凄い選手が少なくなり、かわって中南米の選手の活躍が際立っていることをみればお分かり頂けるでしょう。
ドミニカは、私がバルセロナオリンピックで対戦した時代は、個々の能力は確かに凄いものがありましたが、チームとしては全く機能しておらず、この国、強くなるのかななんて思ったようなレベルでした。それが今回のWBCでは一転、目標とされるような試合をしていましたね。8戦全勝です。これは素晴らしい。
ドミニカの野球の発展には、MLBが設立したBaseballアカデミーが貢献していることは言うまでもありません。貧困な国に野球という夢を与えて、子供たちがアカデミーで成功し、メジャーに行くという希望を与えました。
教育にしても少しずつ改善され、協調を理解し、国に対しての誇りが芽生えていることは今回の大会を観ても十分に伺いしれました。
経済大国でない国が、世界に誇れるのは野球というスポーツであると猛烈にアピールしていたようにも感じました。
一方、日本チームにおいては、あの戦力で良くアメリカラウンドまで勝ち上がったなというのが正直な感想です。特に野手においては、役者不足であったように感じました。捕手の阿部に4番を打たせているようでは…。
世界大会の捕手の疲れ方は尋常でなく、国内で試合をする何倍も疲れます。その疲労を引きずりながら試合を重ねて行けば打てるものも打てなくなるでしょう。もし阿部の4番にこだわるのであれば、1塁手か、DHにはめて、正捕手を別選手にした方が機能したのではないでしょうか?少し国際大会を舐めているなと受け取れました。しかも、チーム主将まで任せているのですから。いくらタフネスでも限界があるでしょう。
次に阿部の補佐役としてメジャーを経験している理由で松井を入れていましたが、アメリカで使えないと判断されたベテラン選手を全日本に入れる程、日本のプロ野球もレベルはまだ落ちていないでしょう。若手にもっと爆発的な活躍をする予備軍が沢山いるではないですか?解説の桑田も言っていましたが、ソフトバンクの本多の方が絶対にしつこくて外国人は嫌な選手となったはずだと思います。
一方、日本の投手はやはり素晴らしいです。特にコントロール。日本投手の素晴らしさは、プロ、アマ関係なく、どの世代でも認められています。ジュニア、高校生、大学生でもです。
したがって、勝負のカギを握っているのは、野手の力があるかないかの違いになるわけです。
特に打撃力!若い回から無死ランナー1塁、送りバントという作戦を多用する日本においては強打者が生まれる土壌ではないでしょう。
またスモールベースボールなんていう訳のわからない造語が飛び交っている昨今、ますますその傾向が強くなっています。
そもそも野球の醍醐味は、投手と打者の1対1の勝負です。
長嶋対金田の対決。江川と掛布。ダルビッシュとイチロー。
ここに魅力を感じない方がおかしい。
日本の打撃力が向上するには、マスコミがこの辺りをきっちり批評し、解説者もわけわからん解説をしないこと。
高校野球でも正しいことは褒め、間違ったことは指摘するという解説にならないと。
もう一つ、打力アップには正しい打法が必要不可欠です。
外国人の打者の振り方を見て、外人だからできるんですよねって、科学的な根拠もなく言いのけるプロ関係者がいます。
あの合理的な国で育ってきている打法が理にかなっていないわけがないと思いませんか。スポーツ科学の分野からすると日本は立ち遅れている国ですよ。ほとんどがアメリカやヨーロッパの後追いです。
アイシングやインナーマッスル、クイックネスやアジリティートレーニングなんてアメリカで行われていたものをここ10年ぐらいで取りこんでいるわけですから。
打法の研究については、高校野球の監督にアメリカ人の監督でも招いてアメリカ式打撃を実戦してもらってはと真面目に考えています。
絶対に打てるようになると思いますよ。
WBCからは大きく話がそれましたが、今後WBCで勝つにはという視点で話を進めていますので、ご容赦下さい。
最後に日本の4番についてのプライドをもっともって欲しいというのが一番強く言いたい。
確かに日本人は単一民族で自己犠牲のある素晴らしい人種であり、そのように教育もされていますから監督の命令には絶対服従しますが、早い回から4番にバントを命じるような野球であってはならないと思います。
��番打者にそのような采配をする他国の監督は見たことがない。4番打者は最強の打者と言われています。その打者に打撃の機会を放棄させ、送りバントをさせることが果たして正しい自己犠牲なのでしょうか?
��番を打ったことがある人間から言わせてもらいますが、正直「ふざけるな」と思いますね。当然、心のなかで。
もしアメリカ人だったら、次の試合から出場しないなんて言いだしかねないですよ。それぐらいプライドがあるものであり、そうあって欲しい。

試合の場面の振り返りについては、次回また細かい部分を取り上げ、批評したいと思います。
今日はこの辺りで留めておきます。
なんか批判している文章となりましたが、日本代表は良く頑張ったと本当に思っています。
では・・。



2013年3月23日土曜日

教師(指導者)に求めらる資質

WBCの記事を記載すると前回宣言致しましたが、今日はちょっと違う話題を記載します。最近、色々と学校における体罰・指導の問題が浮き彫りになっているので、もう一度「学校の先生とは何ぞや」と思い、文部科学省のHPを覗いてみたところ、「いまからの教師に求められる資質」という以下の興味深いものを見つけましたのでまずはご披露します。
○文部科学省が求める「これからの教師に求められる資質」
【いつの時代も教員に求められる資質能力】
• 教育者としての使命感
• 人間の成長・発達についての深い理解
• 幼児・児童・生徒に対する教育的愛情
• 教科等に関する専門的知識
• 広く豊かな教養
これらに基づく実践的指導力 に加え、
【今後特に求められる資質能力】
①地球的視野に立って行動するための資質能力
◆地球、国家、人間等に対する理解
◆豊かな人間性
◆国際社会で必要とされる基本的な資質能力
②変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力
◆課題解決能力
◆人間関係に関わる資質能力
◆社会の変化に適応するための知識及び技能
③教員の職務から必然的に求められる資質能力
◆幼児・児童・生徒や教育の在り方についての適切な理解
◆教職への愛着、誇り、一体感
◆教科指導、生徒指導のための知識、技能及び態度
と多くの事項を求められています。
この「求められる資質」に伴って、採用が行われているのでしょうね。
しかし、こんな先生見たことないし、先生をやりながら、こんな教師を目指せるわけがない。全く現場が分かっていない人が作ったとしか言いようがないですね。
豊かな人間性?社会の変化に適応するための知識及び技能?こんなもの長く生きなければ絶対に育たないし、教員終わるぐらいの年になって始めてわかり始めてくるものじゃないのかな。たぶん、教員の方に聞いて貰えれば大多数の方が賛同と言われると思う。今の課外体育クラブなんてクラブ顧問は割当制で全く競技歴もなく、知識もない先生が顧問という役についているケースが多い。中には熱心な先生がいて一生懸命独学で指導をされているケースもありますが、大方、忙しい学校業務の傍ら、クラブに顔を出す暇もなく、仕方なく顧問を引き受けている方が多いのではないかなと思います。
こんな人(先生)に専門競技を習っても上達はしないでしょうね。子供たちが可哀そうと思います。野球やサッカーにおいては、ほぼ男子ならば少しはかじったという方が多く、そういう点では、指導者のなり手が多いと聞いていますが、他の競技においてはそうはいかないみたいですね。
話が脱線してしまいましたが、教員(指導者)に求められる資質は、
① 学問の専門知識ではなく、学問を習得させる手法。つまり勉強が面白いと思える勉強のコツを教えるコーチングテクニックが重要。指導の引き出しを多く持てということですかね。今の授業は知識を詰め込んでいきますが、教科書を100回読めば、最近の教科書はよくできているので大方の知識はわかるはずです。独学しようとその気になれば、今の時代は特になんでも調べられるわけで、それほど難しい話ではないでしょう。高校に行かず、大学検定を受ける人が増加しているのもそんな理由ではないでしょうか?
② 次に、先生自らが成長する努力を惜しまないこととその姿を生徒に見せること。例えば社会の先生が英会話を勉強している姿を見せれば、「生徒は凄いな」と思いますし、英会話を覚えることにより、知識と自身の人間の幅が広がることに繋がります。専門性の範囲で生きていくこともそれはそれで悪いことではないですが、やはり偏った指導となる可能性が高い。私は、野球の監督をしていますが、仕事を通じて監督業を見つめ返し、応用力学、人間工学をかじって野球の基本技術を考え、統計学と確率を勉強して戦術を立案しています。非常に役に立っています。
③ 最後に「この子を何とかしてやろう」という情熱と愛情を持ち続けること。これはロス五輪野球代表監督の松永先生(野球殿堂)がいつも熱く語っておられ、耳にタコができるぐらい聞かされた話です。指導者も人間です。この情熱を何か月、何年、何十年と続けることは困難です。まず無理。どこかでエアポケットに入ることがあります。私は三菱重工長崎の監督を5年やらせてもらいましたが、流石に6年目に突入する時に「やり残したことがない」「これ以上のモチベーションが持続できない」と想い、監督を退き、アメリカにコーチングを勉強しに野球留学しました。教師は転職し、その後また教壇に立つことができないので私のケースは当てはまらないとは思いますが、本来そういうことも必要だと思います。教師の職業を中断できないのであれば、やはりリフレッシュをする時間を大事にするべきです。人間頭をからっぽにすることで次のやる気がでるものです。折角、学校には長期の纏まった休みの期間があるわけであり1週間ぐらいバカンスにでも行ってリフレッシュしてはと思います。
何かスポーツとは無縁の内容になりつつありますが、教師とスポーツ指導者という職業は、全く同様の資質が必要であると感じており、スポーツ指導者に置き換えて読んでみて貰えばと思います。私が記載した3つ程度があれば十分先生と呼んでもいいのではないですかね?
先生を目指し、一応教員免許を持つ身であるので何となく最近の学校関係の報道を観るにつけ、「先生、頑張れ」とエールと送りたくなり、つい長文を書いてしまいました。
ということで、今年4月から私が理事長をしています「スポーツ福祉ながさき」では、「Teachers School」と名打って日ごろ忙しくされている志高い先生方のお役に立てればと先生向けのセミナーを開催することと致しました。長崎市内の狭い範囲で恐縮ですが・・・。
今日はブログ頑張りました。いささか眠くなりましたので、今日はこの辺りで。
次こそは、WBCの感想をアップします。お付き合い頂き、ありがとうございました。



2013年3月20日水曜日

Baseball Clinic 4月号 


アップの間が空き、申し訳ございません。ご訪問頂きました皆様ありがとうございました。
先ずご報告ですが、指導者のHintということで連載継続中のベースボールクリニック「Baseball Clinic」ですが、ついに今月号の第1ページ目を飾ることになりました。表紙に写真をと言われましたが、「ちょっと無理」と丁重にお断りさせて頂き、代わりにJR東日本の田中選手が表紙を飾っています。
今回の中味は、ブログ内でもだいぶ取り上げていますコンパクトディフェンスについてBaseball Clinic編集長自ら遠路長崎までお越し頂き取材してくれたということもあり、かなり丁寧に話をし、ほぼ全公開という貴重ネタ満載となっております。
今回このBaseball Clinicのコンパクトディフェンス関係の記事には、登場人物が4人いるのですが、私が言うよりも体感した選手に聞いてもらった方がより臨場感が伝わるのではと私の方から推薦し、JR東日本 田中選手、JR九州 中野選手が話をしてくれています。その他1名については、いつも取材で来てくれる横尾さん。この戦術を見て、相手選手側の感想を掲載されています。
3名には下打合せ無しで指名をさせていただき、その後、全く原稿の確認もしていないので、何を話してくれているのか非常に不安でしたが、皆素晴らしい評価をしてくれてまして、「良かった」とホッとしています。
あっ、それからもう一人忘れていましたがこの記事の中に分割写真が出てくるのですが、これはスポーツプログラムスの鈴木さんの協力によるもので、動画でとったものを写真バージョンに落とし込んでいるという絶賛技術が駆使されています。
別に「Baseball Clinic」の販売協力をしているわけではなく、ぜひ読んでみてくださいというお願いをするためだけに今日はブログを記載しております。
次回は、ワールドベースボールクラシック(WBC)について記載を致します。





2013年3月8日金曜日

侍ジャパン 1次ラウンド キューバ戦を終えて

「結果を論じても…」と思わるかもしれませんが、昨日のキューバ戦を振り返り、今後の侍ジャパンの戦い方を少し検証してみようと思います。
��次ラウンドを見る限り、ベンチは今の打撃陣では点数がとれないとの判断をしているように観てとれます。
特に先取点にこだわり、何がなんでも先制をするというような作戦が多いように思います。プロ選手が普段あまりやらないような序盤からのバントが多用されています。この作戦が逆に投手陣にプレッシャーをかけ、リードするまでは1点もやれないという気持ちに追い込み力んでいるように感じます。
はっきり言って今のキューバの投手は日本のプロ野球の中でも1流の仲間にも入れないと思います。ボールの変化は日本人にいないような変化をするかもしれませんが、ミットが動かないようなコントロールはないし、投げてみないとどこ行くか分からないというようなボールです。また、歴代のキューバのエースと呼ばれていた投手はほとんどが150kmを超えて160kmに届かんばかりの勢いがありましたが、最近のキューバ投手はそれほどスピードがありません。チャップマンは別ですが…。それに加え、アメリカやカナダ、オランダの投手のように身長が極端に高い投手は少なく、体験したことのない角度からボールがくることもないのでゲーム中でも十分対応ができると思います。
山本監督は、ジグザグ打線を押していますが、日本の左打者は世界大会では引っ張れない傾向が強く、打線が機能しづらいと思っています。
前にもブログ内で記載をしていますが、幼少のころからイチローのように上手くレフト方向に流すバッティングが良いと教えられているため、本当の速い球を引っ張ることができなくなっている左打者が多くなっているからです。
打線の左打者の中で唯一引っ張れるのは、阿部ぐらいでしょうか。
今大会で上位をうかがうのであれば、今後、右打者で打線を組んだ方がいいと思います。
長野、井端の1,2番ぐらいでいかがでしょうか?井端はセカンドでも使えるし。
膝が悪い阿部に気を使うのであれば、阿部をDHにして中田を一塁というのも手かと思います。捕手は、相川でもいいでしょう。
個人的には、ショート井端、セカンド本多で行ってほしいのですが。
いずれにしても、ホームランを打てる打者を入れていないので、長打はあまり多く望めず、1点の積み重ねを行うしかないのですが、少ないチャンスを手堅くいくあまりに打者にへプレッシャーがかなりかかっているように見受けられます。
もう少し日本の打線を信じて、自分たちの力を信じてやってほしいと願います。
キューバのメサ監督が日本にいて日本のことを良く知っていると解説が連呼していましたが、申し訳ないですがキューバの野球が変化しているとはとても見えません。
バントを試みたケースを見ましたが相変わらず下手でしたし、まともに選手がバント練習をしているとはと思えません。あれだけ打つことが好きなお国柄ですから。キューバでは、投手は最後になりたいポジションで、花形はショートストップです。
日本の投手であれば、ちゃんと普通に投げればキューバ相手でも3点ぐらいには抑えこめると思います。次にリベンジする機会あれば、打者は4点を目指して序盤から中盤まではギャンブルにでるような作戦、つまり打って出るということを行ってもらいたいです。
少なくともあと1回はキューバとやるでしょうから、昨日の負けを意味あるものにするためにも次に戦ったときは思い切った采配を期待しています。
明日は台湾戦ですが、台湾はまだ日本のプロ野球を自分たちより上とコンプレックスをもっています。自国開催の台湾は異様な力を発揮しますが、日本で行う場合はよそ行きの野球となることが多いように感じています。
そのような意味では、負けて台湾とやることは順当であったのかもしれません。
明日、ぜひ勝って弾みをつけて、再度キューバと戦い、次は勝ってほしいと思います。
頑張れ、日本!