2015年4月18日土曜日

初登板、初勝利おめでとう!ジャイアンツ田口投手 〜 突然、ピッチングの話

初登板、初勝利の快挙!


ジャイアンツの豊田投手コーチにすぐに「やったね」とメールを入れたところ、「やってくれましたよ」って返信がありました。

何の件かというと411日対ヤクルトスワローズ戦で読売ジャイアンツの田口 麗斗(かずと)選手が初登板、初先発、初勝利の快挙をやってのけたことです。

昨年のアンダー21歳以下の日本代表メンバーでしたので、私も豊田コーチも私ごとのように嬉しかったですね。

武器は高速スライダーとキレあるストレート


高校時代から注目をされていた投手でしたが、甲子園には、現東京ガスの山岡投手に敗れ、出場することができず、入団当初から大脚光を浴びるというほどではありませんでした。

プロ野球選手としても恵まれたとは決して言えない体つきです。

アンダー21歳以下日本代表の初日練習を見ただけで「馬力を感じさせる身体能力の高さ」とさらに「精神的な逞しさは兼ね備えている選手」であることはすぐに伺えしることができました。

武器は、高速スライダーですが、ストレートのキレが左投手で勝てるタイプの投手に類似するものを持っています。

特に右打者のインコースに投げるストレートは、(表現が難しいですが)刺すようなボールで、打者にとって嫌な類のボールであることは間違いありません。

打者としては、あのストレートのキレは、最後まで頭に残りますね。

だからスライダーのボール球を振ってしまうのでしょう。

コントロールは、プロの1軍レベルの投手としては、まだまだでしょうが、19歳という年齢を考えれば、上出来ではないでしょうか?

課題はコントロール


今は、コントロールを気にせず、ボールの勢い(力)でどんどん押せばよいと思います。

しかし、ある程度、打者に慣れられるとおそらく低めのボールになるスライダーが見極められ始めます。

よって、次はスライダーに加え、ストライクが取れる変化球(例えばシンカー)を習得するか、スライダーをストライクとボールにしっかり投げ分けるコントロールの習得のいずれかを迫れてきます。

夏までは、今のピッチングで通用するのでしょうが、秋以降には打者につかまる傾向が強いと思います。

ジャイアンツベンチが今後の起用をどのように考えるのかが楽しみですね。

いずれにしても、まだローテーションをしっかり守っていくというレベルでは無いとジャイアンツベンチも考えているでしょう。

しばらくは、ローテーションの谷間のスポット的な使い方が本人にとっても良いのではないでしょうか?


自覚が形成されるまでは、指導者は妥協してはならない


豊田コーチとの出会いは、田口選手にとっては、非常に良かったと思います。

豊田コーチは、素晴らしいキャリアの持ち主ですが、入団時からの注目はそれ程ではなく、それなりに苦労をしてきたプロ野球人です(本人談)。

田口選手にとっては、豊田コーチから「プロで生き抜く処世術」を早い段階で仕込まれていることがラッキーです。

野球が「仕事」という観念を叩き込むことこそが、プロ指導者の重要な役割と考えます。

昨年のアンダー21歳以下の大会中にでも、あまり口に馴染まない中華を前に食が進まない田口選手に、豊田コーチが「田口、ちゃんと飯食っているか」と優しい口調で、厳しい言葉をかけていました。

「食わなきゃ、プロ選手になれないよ」って無言の圧力でしょう。

若い頃は、やはり怖い人が近くにいないと箍(たが)が外れてしまい、ついサボるということになりがちです。

言われている本人も「煩わしい」とその時は思っているのですが、後では「あの時、きびしく言われたお陰だ」と気づくものです。

厳しい指導とは、本人の自覚を形成するためには必要であって、自覚が形成できるまでは、決して指導者は妥協するべきものではありません。

改めて、豊田コーチと田口選手の二人三脚を見ていて何か羨ましいと思いました。

やはり指導現場はいいな!



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