2014年8月27日水曜日

第96回夏甲子園大会総括を見て

夏の甲子園、大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じました。

優勝戦は投手の踏ん張りもあり、クロスゲームとなり、見ごたえのあるゲームであったと思います。

三重高校の采配が、準決勝までと違い、決勝は慎重になっていたような。
決勝戦、更に相手が地元大阪桐蔭というプレッシャーが影響していたのかなと思いました。

それも含めて大阪桐蔭高校の強さと言えるのでしょう。
西谷監督、大変おめでとうございます。

さて、今朝ほど、某新聞に今大会の総括が掲載されていました。

タイトルが「投手力強化 課題残す」。

理由は、以下原文のとおり。

打率2割8部2厘は第92大会(2010年)の2割9分6厘以来の2割8分越え。
一方四死球は363個で、近年では第93回大会(2011年)の387個につぐ多さ。初回の大量失点が多く、「打高投低」の傾向が顕著だった大会は、投手力の強化という課題を残した。


そもそも、野球はゼロサムスポーツであり、一方が良ければ、一方が悪い結果になるという特徴があります。

打率があがると投手の防御率は一般的には上がる傾向となるのは当たり前の話であります。

したがって、今大会のデータだけをみると、「打高投低」となる。

間違っても「打高投高」という表記は有り得ないはずですから。

「何が言いたいのか」

この見出し部分についてです。

「投手力に課題を残す」大会であったという表現については、いささか疑問が。

まず、投手力に課題を残すとありながら、何が課題なのかが記載されていない。

見出しで大きく「課題を残す」と打ち出しながら、何が課題かが明記されていないのはどうか。

おそらく、初回の失点、四死球が多かった、沢山安打を打たれたというデータを見てだけの評価でしょう。

私は、テレビでの観戦でしかありませんが、少なくとも投手力は上がっているなという印象を持ちました。

球速は年々速くなっているし、殆どのチームが140kmを投げる投手を持っている。

また、球種も豊富で緩急、左右の揺さぶりも出来るようになっている。

明らかに投げるだけではなく、場面を意識したかなりレベルの高い、ピッチングをしているという印象を受けました。

よく若者に言う「色気づきやがって」というような投球を行っている。

特に決勝に勝ち上がった2校のエースは、正に投球術で打者を打ち取っていました。

加えて、どのチームもエースと同等の控え投手を複数抱えている点が目立ち、明らかに投手力は年々あがっていると評価せずにはいられないでしょう。

一方、打者は

相変わらず「ちら見(投球直前に捕手の動きを盗み見る行為)」は後を絶たたず不快感を覚えますが、全体的に「打つ」という意識は前面に出ており、更にベンチワークでも「犠打のケース」と思った場面でも強攻するなど打撃に自信を持った采配が行われるケースが目につきました。

よく言われている「当てにいくような打撃」が少なくなってきたなという印象で、全試合を観たわけではないですが、積極的にバットを振っていたように思います。

打撃に対する指導者の意識が変わってきたのかなと感じたほどでした。

特に、大阪桐蔭、三重、敦賀気比の打撃は特に凄ったなという印象です。

横道にそれましたが、

全試合数が48試合。
それぐらいのデータでは、悪い結果の対戦、例えば、参加チームの中の1,2校が四死球を10個以上出してしまえば全体の数値は跳ね上がるわけであり、投手力が弱かったという評価とは一概に言えなくなる。

数字の見方を間違えると評価も変わってくるということになります

冒頭で書きましたが、「投手力に課題を残す」という根拠が何なのかを押さえること。

それが議論の対象となって強化策に繋がっていくわけですし、非常に重要だと思います。

何となく論評などでは、「・・・に課題」とかいう見出しをつける傾向が多いです。
その方がよく考察されているような感覚を受けます。

しかし、今大会に限っては、「随所に積極的な打撃、攻撃力が向上」というような見出しの方が良かったような気がします。

全試合観ているわけではないので、「それは違うぜ」とお叱りを受けるかもしれません。
あくまで雑感であり、批判ではありません。
マスコミに対しても、悪意を持っているわけではありませんので、ご容赦下さい。

0 件のコメント:

コメントを投稿