2014年12月3日水曜日

侍ジャパン大学合宿に参加

11月29日、30日の二日間、来年韓国で開催される予定のユニバーシアード大会に向けた強化選考合宿に参加してきました。
大会に参加できる対象者は、大学生選手。
現在大学3年生以下の有望選手を集めての合宿でありましたが、社会人の全日本経験者が指南役として数名参加することになり、私も強化委員として帯同することになりました。
福岡―松山間の飛行機で向かいましたが、プロペラ機ということもあり、結構揺れて久々に違った意味での緊張感を味わうことができました

練習は、主に紅白戦でしたが、流石に大学生、元気があって球場に活気がありました。
特に感じたのは、最近の大学生のからだの発達の素晴らしいこと。
筋力トレーニングの継続と栄養への意識の高さが伺えます。
投手の球も社会人投手よりも速いのでは・・・。
140KMを超える投手が沢山いましたし、145KMを超える選手も多く目につきました。

その一方で、プレーの精度が低く、特に投手を含めたスローイングの正確性が今一つかなという印象でした(全員がそうではないですが・・・)。
繰り返しの練習が苦手なんでしょうかね。
というか、誰しも飽きがくる練習は苦手なものですが。

我々の時代は、指導者、先輩から有無も言わさず「これだけやれ」と指示されて嫌々でもやっていたのですが、最近は指導者、先輩が優しい人が多くなり、ある意味、自己責任で上手くならなければなりません。
「言われてやっている間は成長しない」なんて格好の良い格言を選手に向かって私も言うことがありますが、一方で上達させるまでは、鬼になるというような指導気風がなくなっていることもあるのでしょうね。

座右の銘は「努力」とジュニア期に良くアンケートなどに書いたことがありますが、今思うと恥ずかしい限りです。
努力という言葉はそんなに簡単なものではありません。
「できないプレーを出来るようになるように練習を繰り返す」のは、選手として当たり前のことであり、それを努力と置き換えるのは大げさかもしれません。
確かに会得しようと継続していくことは努力していることに間違いはないのですが・・・。

話が横道にそれましたが、大学全日本監督である善波監督(現明大監督)に「投手全員に国際大会を戦うにあたっての心構えを話して欲しい」と頼まれました。
現早稲田大学の吉永選手を2013年のBFAアジア選手権に招聘した折、指導した内容を例に挙げ、「困ったらアウトロー」ということについて話をしました。

吉永選手は、ストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップ、シュート、カットボール、フォークと確か7球種ぐらいが持ち球でした。
ブルペンで投球練習では、大方50球~70球ぐらいの投球を行っていました。
この球数を球種で割ると、1球あたり大方7球~10球程度ということになります。
これにアウトコース、インコースの両サイドに投げ分けるとアウトコースのストレートに要する球数は3球~5球となります。
実際には、得手不得手の球種がありますので、球種によって練習する球数は変わりますが、ざくっと計算するとこのようになります。
これでコントロールがつくのだろうか?

改めてブルペンでの吉永選手の投球を見ていると。
一つ一つのボールは素晴らしい勢いを持っており、「本当に良いボールを投げるな」と感じた反面、「どれもコントロール不足だな」と直ぐに感じました。
球種が多くて各球種の練習量が少なく、コントロールがついていないのだと思いましたし、「スリー・ツーピッチングとなり、間違うと四球を出してしまう危ない投球」に見えました。

そこで、直ぐに7球種ある球種の内、外国人に一番通用すると感じたストレート、カーブ、それから吉永選手の代名詞のシンカーの3球種に絞ってこの大会を乗り切るように指示を出しました。
この3球種については、狙ったところに思い通りというレベルではありませんでしたが、比較的コントロールできており、更に外国人が弱い、縦の変化がつくという強みもあります。

吉永選手もキョトンとしておりましたが、監督指示ですから従わなければならないといった感じで取り組んでくれました。

直ぐに効果が出始めました。
ストレートのキレが大学のリーグ戦以上に出始め、アウトコースへのコントロールの精度が良くなってきました。
二つの変化球もストライクとボールの使い分けを意識し始め、三振が取れるようになってきました。
練習に留まらず、勿論、この大会の大事な場面で起用し、しっかりと結果を出してくれたことは言うまでもありません。

変化球を沢山投げれば打ち取れると思いがちですが、先ずはコントロールを極めるということが良い投手になる早道であると私は考えています。
これにスピードが加われば文句なしです。

ストレートだけで打ち取れる投手が理想、ストレートだけでは打ち取れないので変化球を1個、2個と増やしていく。
勿論、コントロールされていることが条件。

学生の皆様に響いたかどうかは分かりませんが、投手は、結局、コントロールなのです。

吉永選手が早稲田大学のエースになっていないこと、更にこの合宿にも呼ばれていないことに一抹の寂しさを覚えました
1年生で日本代表に召集された台湾での投球を思い出して復活して欲しいと期待しています。

二日間という短い期間でしたが、久々に元気の良い練習に参加させて頂き、楽しかったです。
来年、復活競技となったユニバーシアード大会における野球競技。
侍JAPAN大学代表として、是非日の丸をセンターポールに掲げて欲しいと願います。
頑張れ、大学代表!

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