2012年8月6日月曜日

キューバvs侍JAPAN

「侍JAPAN対キューバ」の2戦をテレビで観戦し、久々にビクトル・メサ(監督)を見て懐かしさを覚えました。昨年パナマで開催されたワールドカップではキューバチームのコーチとして帯同しており、開会式では一緒に写真を撮ることができました。ビクトル・メサ監督は、バルセロナ・オリンピック、日本の元ニコニコドー(熊本)チームに彼が所属していたときに対戦したこともあり、私の中では友人の位置づけにあります。 
勿論、相手はスペイン語で会話をまくし立てますので会話は成立していませんが、会えば「アミーゴ」と笑顔で応対してくれます。
さて、今回のキューバについては、かなり戦力が落ちていたと思います。
3番を打っているグリエルが凄い選手と放送では折に触れて解説されていましたが、はっきり言って元中日にいたリナレスにはほど遠い実力であり、またグリエルの親父の方がよっぽど凄かった。
今のグリエルの力では、10年前のキューバではおそらくベンチに入れないと思います。
打線も昔から落ちる変化球に弱い特徴がありましたが、あれほど変化球を簡単に空振りする選手は以前のチームにはいませんでした。
ボール際をしっかり見極められる選手ばかりであった印象があります。
投手においても少し前のキューバのエースのラソ程度の選手が育っておらず、普通の中南米の投手と差ほど変わりが無いレベルに見受けられました。以前は、150kmを投げる投手は当たり前であったし、コントロールも良かった。国内に数名の選手を置いてきているのかは分かりませんが・・・。
チャップマンのようにアメリカ大リーグに一流どころが亡命していることが戦力ダウンの一つの大きな要因かと思います・・・。チャップマンはWBCに参加するのでしょうか?
しかしながら、メサの気性は相変わらずでしたね。普段は陽気なおじさんですが、こと試合になるといつも怒り、短気者になる。キューバの歴代監督の中でも、珍しいタイプであり、よく監督に指名したなと思います。今頃、キューバ連盟も後悔しているのでは?
現役時代は、不動のセンターフィルダーであり、特にチャンスでの集中力は並大抵のものではなく、良く打たれた思い出があります。
キューバ選手は総じて怒りを闘争心に変える傾向にあり、火がつくと無類な集中力を試合で発揮します。
よって、キューバと対戦するときは、日本選手に「兎に角、怒らせるな」「友好的に」と代表チームのヘッドコーチ時代に本当に指示したこともあります。
「打席に入る前に捕手と握手しろ」とか、逆に打席に入ってくる打者には捕手が「握手を差し出せ」とかの類です。
キューバは、一方的に試合を決めることもありますが、大方後半に集中力を発揮し始めるという傾向が強いです。要は緊迫してこないと気分が乗ってこないというラテン人の気質が試合にもろにでる傾向にあります。
そういった意味では、昨日行なわれた親善試合については、観光気分であり、本来の姿ではないのかもしれませんが・・・。
現に札幌で雪がちらついていた時こぞって写真を取りまくっていたと帯同していた連盟関係者から報告がありました。
WBC予選のキューバ戦は今回みたいには行かないと思いますが、以前のキューバに比べると少し戦力ダウンしているので日本の勝機は高いと思います。
が、最近キューバは日本の野球を勉強し、積極的に取り入れています。
昨晩の代打を出してのバントなど以前では考えられない作戦でした。それだけ木製バットになって点数が入り辛いということを受けれいれており、投手を含めたディフェンスの強化が急務であると考えているからでしょう。
昨年には日本野球連盟に指導者派遣をキューバから要望され、元バルセロナ・オリンピック代表監督の山中正竹氏をはじめ3名の指導者がキューバを訪れています。
キューバに学べという時代の私たちからは到底考えられないようなことですが、キューバの貪欲さに頭が下がります。前回、前々回大会のWBCで負け、日本野球を研究しているということは間違いないでしょう。
この親善試合で勝ったという結果を鵜呑みにしないで引続き分析、強化を図ってもらいたいと野球人として切に望みます。
オリンピックから野球が除外され、WBCが世界大会の目玉となり、WBCがジュニア層の希望となっています。
国対国の戦いは、個人の欲求が勝ってはいけない戦いです。
一心不乱に「日本国のために」と強く想っている選手を集め、ぜひとも連覇をして欲しいと思います。
しかし、メサのマウンドに行くスピードは現役時代を彷彿とさせるほど素晴らしいスピードで大笑いでした。
山本監督もあれぐらいのスピードで今でもマウンドまで走れるのかな?
今度全力疾走のパフォーマンスでもやって欲しいですね。






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