2015年3月29日日曜日

バッティングの話〜センバツ高校野球を観て

プロ野球が3月27日に開幕し、いよいよ今年の野球界が本格的にスタートしました。

普段はあまりプロ野球には強い関心を持っていないのですが、今年は九州国際大付属高校出身(高城、三好両選手)のプロ選手の自主トレのお手伝いをしたこともあり、活躍が気になります。

両選手とも若い将来ある選手ですから、試行錯誤しながら毎日を大切に成長して行って欲しいものです。



さて、既に開幕し、昨日でベスト8が出揃った高校野球ですが、さすがにベスト8となれば戦力が均衡し、接戦が多いですね。

昨日の3試合(県岐阜商vs近江、天理vs健大高崎、松山東vs東海大四)すべてが3点以内のロースコアでの勝負となりました。

甲子園に出場する全国から選ばれたチーム、しかも金属バット相手に9回を3点以内に抑え込むというのは、かなりの投手力を持たないと難しいと思います。


逆に、春のセンバツでは案外、投手戦になりがちです。

夏の大会と違い、暑さもなく、しかも打者が実戦経験が少ない中、大会を迎えており、投手の力が上回ることに繋がっているようです。


「試合慣れ」とか、「経験」は、大事になってくるんですよね。

練習試合などの実戦の大切さがわかります。


野球界では「生きた球(投手が投げる球)を打った方がいい」という表現を良くします。

「それ以外の球」というのは、「バッティング投手が投げる打たせる球」ということになります。

「試合の感覚で練習しなさい」と幾ら言っても、100%そのような環境や感情を作りだすことはできません。


センバツ大会は、大会前に対外試合禁止の期間が定められていることから、練習試合をする回数が少なくなります。

キレのある投手が投げる球に慣れていないと言えるでしょう。


甲子園での試合を重ねるごとに少しずつ打者の振りが良くなってきているように思います。

が、それ以上に投手力が上回っているからロースコアの試合になっているのですがね。



大会を観て、打撃に関しての感想は。

全体的に、インパクトに対する集中力が散漫になっているように見受けられます。


昔は「当たるまでボールを良く見ろ」と良く指導をされていました。

要は、「インパクトの瞬間に目を離すな」ということです。

それぐらいしっかりとボールを見る意識がないとヘッドアップに繋がり、しっかりと芯で捉えることができません。

金属バットでは、木製と違い、スゥイートスポットが広いため、ある程度どこに当たっても飛んでいきますが、木のバットではそうは行きません。

バッティングの最重要技術は、投球を正確にバットの芯で捉えるという技術です。

もっともっとインパクトに対する集中力を高め、打席に臨んでいくともう少し打者が投手に勝つケースが多くなるような気がします。

インパクトへの集中力、これ大事です。



しかし、高校生のプレーを見ていると清々しさを感じ、希望を感じ、こちらが元気をもらえますね。

ベスト8に残ったチームは是非頑張って頂きたいものです。











2015年3月13日金曜日

バッティングの話 〜欧州選抜との強化試合を観て

侍JAPAN、欧州選抜との強化試合、1勝1敗という結果で終わりました。

侍ジャパンホームページ

この結果をどう捉えるべきかは、開催された時期が時期だけに非常に申し上げにくいですが、少なくとも今まで馴染みのないヨーロッパにおける野球中継が行われたことは普及ということでは良かったのではないでしょうか。

加えて、日本の皆さんにヨーロッパの野球も「結構やるな」という印象を持って頂くことができたことは大成功ではなかったのでしょうか。

小久保監督にとっても、バルセロナオリンピック時代のヨーロッパチームの印象と違い、全く違うレベルの域に来ているということを早めに知ることができたことは実りある強化試合であったはずです。

東北大震災の「慰霊の日に勝ちたかった」とコメントを残していましたが、勝負ごとですし、何より欧州選抜の方がやる気が漲っていましたので致し方ないでしょう。


試合内容についてのコメントを期待されていることと思いますが、先号から打撃の話をしていますので、この強化試合の2試合を通じ、打撃に関する雑感を今日も記載します。

初日のテレビ解説は、前ソフトバンクホークスの秋山監督だったと思いますが、ボソボソと独特の解説をされていた中で、「欧州選抜のバッティングはシンプルですね」「無駄な動きがありませんね」としきりに言われていました。

欧州選抜の野球の元祖、所謂指導源はメジャー式ですから、それは当たり前の話であり、テレビでメジャー中継を観たことがある方であれば納得いただけるはずです。

これは、世界大会を知っている人であれば常識。

秋山前監督でも良く知らないということですから、まだまだ日本の野球は島国から抜け出せていない証でしょう。


話は戻りますが、「では、欧州選抜の打者のどこがシンプルなのか?」


それは、まず、バットの構える位置が後ろ肩の位置よりも後ろ側にグリップエンドがあること。
つまり、トップの位置にできる限り近くバットグリップの位置を持ってきているところです。
日本の打者は、大げさに言うと顔の前にグリップがあるような構えをする選手が多く見受けられます。最近はそれでも少なくなりましたが・・・。


次に、殆どの打者が摺り足でステップをするところ。

ジャイアンツの坂本を代表するように足を高く上げてタイミングを計るような日本の選手と違い、メジャーに影響を受けている他国はこの様な打者は殆ど目につきません。

速い球や緩急に対応するには、できる限り、大きなタイミングの計り方をしない方がより正確にボールを捉えられるということを分かっているからでしょう。

構えの際のバットの位置やステップの行い方などできる限り小さく行い、大きなタイミングの計り方をしないことを心がけることだけで打率アップが図れるということもあります。

「ボールを良く観る」という行為で、本当に「良く観る」ためには、全く動かないことが一番です。

重心移動や体重移動を大きくしようとすればするだけ、それだけしっかりとボールを観ることができなくなります。

とは言っても、全く動かずにという訳ににもいきませんので、できる限り最小限の動きでというのが、曖昧ですが一番ベストの型となります。


日本の野球は、どちらかというと体が小さいので大きな反動で打たなければボールが飛ばないと錯覚している感があります。

今回の欧州選抜との試合をご覧になっても、その辺りが少し垣間見えた感はありましたね。

幼少期からの指導の違いというものもあるでしょう。


秋山前監督も「シンプルで良いですね」と欧州選抜の打者を褒めていましたし、良いものはそろそろ取り入れてはと思います。

私がアメリカにコーチ留学した際にメジャーのコーチから日本の打者は「こう打つよな」とボールに当てに行く仕草をされたことがあります。

何かバカにされているようで無性に腹が立ちました。

「いつか自分が指導者になって、こいつらを見返してやる」と思った程でした。

2015年3月3日火曜日

バッティングの話 〜ジュニア期における

更新がおそくなり、まことに申し訳ございません。

先日、リトルシニア九州連盟春季大会が開催され、我が長崎文教リトルシニアは久々に勝ち上がり、4強を達成しました。

残念ながら3位以内とはいきませんでしたが、今までの成績からすると非常に頑張ったなと言えると思います。

今回久々に全試合を見ましたが、子供の成長には成功が一番の特効薬であることを改めて認識しました。

「試合に出場する機会を与える」というチーム指導方針にのっとり、スタッフが試合を進めてくれましたが、日ごろ試合出場の機会が少ない選手が活躍してくれたのは、今大会の大きな成果であったと思います。

勝ち上がる度に頼もしくなる選手の姿が誇らしく感じたほどでした


ジュニア期のバッティング



さて、バッティングの話を前号も行いましたが、今回も打撃の話題。
リトルシニアの大会を見た感想を踏まえながら、バッティングに対する基本的な考えを整理していきます。

当たり前のことなんですが、意外と打席に入ると忘れてしまうものです。

バッターボックスは、投手と一対一で勝負をする場所です。

バッターには3ストライクという権利が与えられています。

最低、3回はバットを振ることを許されています。

良く「振ってみなければ分からない」と周りから言われますが、正にそのとおりで、バットを振らないことには何も始まりません。

では、なぜバットを振れない状況になるのか?




バットが振れないのはメンタルが大きい


一番大きな要因は、メンタル面でしょう。

例えば、
「三振したくない」
「凡退してしまったらどうしよう」
「もっと打ちやすい球がくるまで」

と少し消極的な考え方に陥った時にバットが振れないことが多いようです。

技術面では、

「振ろうと思ったが、タイミングが合わなかった」

というタイミングが取れないという回答が多くなります。


ジュニア期では、まだ経験した数(打席数)が少ないため、打席での対処の仕方が分からないのは当然で、更に対戦する投手もはじめてという「データのない世界で戦う」難しい面があります。

では、どういった対応が必要か、

第一にジュニア期の選手に不足しているのは、打席に入る前の洞察力です。

前の打者がどのような打ち取られ方をしているのか。

相手投手がどういう投球をするのか、
スピードはあるのか。

2ストライク後にどういうボールを投げるのか。

など、最低限の情報はしっかり見れるように指導者は仕向ける必要があります。

プロの打者は、何度も対戦する投手の傾向を分析するスコアラーからデータとして貰い、対策、対応していくものです。

更に、その日の相手投手の調子を見て、対応を変えていくようなこともしています。

打席に入る前、当然、ネクストバッターズサークルの中も含めて、もっとしっかり観察する集中力をつけることが大事です。
次に、メンタル課題ですが

まずは、自分のベストスゥイングを打席でしっかり行うことを心がけることです。

三振を怖がって当てに行っても、次の打席には繋がりません。

次につなげる為にも、まず振ってみること、自分のベストスゥイングです。