侍JAPAN、欧州選抜との強化試合、1勝1敗という結果で終わりました。
(侍ジャパンホームページ)
この結果をどう捉えるべきかは、開催された時期が時期だけに非常に申し上げにくいですが、少なくとも今まで馴染みのないヨーロッパにおける野球中継が行われたことは普及ということでは良かったのではないでしょうか。
加えて、日本の皆さんにヨーロッパの野球も「結構やるな」という印象を持って頂くことができたことは大成功ではなかったのでしょうか。
小久保監督にとっても、バルセロナオリンピック時代のヨーロッパチームの印象と違い、全く違うレベルの域に来ているということを早めに知ることができたことは実りある強化試合であったはずです。
東北大震災の「慰霊の日に勝ちたかった」とコメントを残していましたが、勝負ごとですし、何より欧州選抜の方がやる気が漲っていましたので致し方ないでしょう。
試合内容についてのコメントを期待されていることと思いますが、先号から打撃の話をしていますので、この強化試合の2試合を通じ、打撃に関する雑感を今日も記載します。
初日のテレビ解説は、前ソフトバンクホークスの秋山監督だったと思いますが、ボソボソと独特の解説をされていた中で、「欧州選抜のバッティングはシンプルですね」「無駄な動きがありませんね」としきりに言われていました。
欧州選抜の野球の元祖、所謂指導源はメジャー式ですから、それは当たり前の話であり、テレビでメジャー中継を観たことがある方であれば納得いただけるはずです。
これは、世界大会を知っている人であれば常識。
秋山前監督でも良く知らないということですから、まだまだ日本の野球は島国から抜け出せていない証でしょう。
話は戻りますが、「では、欧州選抜の打者のどこがシンプルなのか?」
それは、まず、バットの構える位置が後ろ肩の位置よりも後ろ側にグリップエンドがあること。
つまり、トップの位置にできる限り近くバットグリップの位置を持ってきているところです。
日本の打者は、大げさに言うと顔の前にグリップがあるような構えをする選手が多く見受けられます。最近はそれでも少なくなりましたが・・・。
次に、殆どの打者が摺り足でステップをするところ。
ジャイアンツの坂本を代表するように足を高く上げてタイミングを計るような日本の選手と違い、メジャーに影響を受けている他国はこの様な打者は殆ど目につきません。
速い球や緩急に対応するには、できる限り、大きなタイミングの計り方をしない方がより正確にボールを捉えられるということを分かっているからでしょう。
構えの際のバットの位置やステップの行い方などできる限り小さく行い、大きなタイミングの計り方をしないことを心がけることだけで打率アップが図れるということもあります。
「ボールを良く観る」という行為で、本当に「良く観る」ためには、全く動かないことが一番です。
重心移動や体重移動を大きくしようとすればするだけ、それだけしっかりとボールを観ることができなくなります。
とは言っても、全く動かずにという訳ににもいきませんので、できる限り最小限の動きでというのが、曖昧ですが一番ベストの型となります。
日本の野球は、どちらかというと体が小さいので大きな反動で打たなければボールが飛ばないと錯覚している感があります。
今回の欧州選抜との試合をご覧になっても、その辺りが少し垣間見えた感はありましたね。
幼少期からの指導の違いというものもあるでしょう。
秋山前監督も「シンプルで良いですね」と欧州選抜の打者を褒めていましたし、良いものはそろそろ取り入れてはと思います。
私がアメリカにコーチ留学した際にメジャーのコーチから日本の打者は「こう打つよな」とボールに当てに行く仕草をされたことがあります。
何かバカにされているようで無性に腹が立ちました。
「いつか自分が指導者になって、こいつらを見返してやる」と思った程でした。
残念ながらアマチュアということで、プロ野球の世界に足を踏み入れることは叶いませんが、いつかメジャーの打者が絶賛するような打者を育成したいという夢は捨ててはいません。
それには、基礎固めのジュニア期の指導を改革する必要がありますね。
そろそろ、本気だそうか!
日本のバッター諸君よ、メジャーを超えろ!
因みに欧州選抜の監督のスティーブ・ヤンセンは、私の大親友で、メールを変わす仲です。
非常に温厚な人間で、インテリジェンスです。
本当は、両者の応援にドームへ行くべきだったのですが、仕事の都合でテレビ観戦となったことが悔やまれます。
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