2014年8月28日木曜日

2014アジア大会野球競技の組み合わせ

2014アジア大会 野球競技の参加国、組合せが決定しました。

大会参加チームは、当初予定の10チームから8チームへと変更となりました。

参加国は減りましたが、試合方式はかわらず、A,Bにそれぞれ4チームを分け予選リーグ戦を行い、各組上位2チームが準決勝へ。

準決勝はA1位とB2位、B1位とA2位が対戦し、勝者同士が決勝戦へ、敗者が3位決定戦を争うことになります。

参加国は、

A組 日本、中国、パキスタン、モンゴル

B組 韓国、台湾、タイ、香港

となります。

日本の試合予定は、

9月22日 18:30 中国
9月23日 18:30 パキスタン
9月24日 REST
9月25日 12:30 モンゴル
9月26日 REST
9月27日 準決勝
9月28日 決勝

という流れです。

以前にもブログで話をしていますが、予選を2位までに入るのは確実ですので、最大の山は準決勝。
韓国または台湾にまず勝たねば金メダルはないということになります。

当然、金ダルを獲るためには、韓国、台湾に連勝する必要があります。

韓国は、新聞報道でも紹介されているとおり、キム ガンヒョン、ヤン ヒョンジュン、カン ミンホ、パク ピョンホ、キム ヒョンスなど、WBC仕様の文字通り韓国代表チームとなっています。

台湾は、MLB所属のマイナーリーガーを中心としたチームで、特にブリュワーズでローテーションにも入っていたワン ウェイチェン、横浜DENAベイースターズで先発経験もあるチェン グゥアンユの両投手が加わったことで強力な布陣になっています。

いずれも強敵であることに間違いありません。

大会日程は、他の大会に比べ余裕があり、準決勝では万全な形で韓国または台湾と対戦ができそうですので、今から楽しみにしています。

アマ代表は、昨年、一昨年とアジアの大会を2連覇してはいますが、今大会は各国ともメンバーを強化しており、少し様相が違います。

今までの経緯は忘れ、あくまでチャレンジャーの立場で立ち向かって行きます。

ご声援よろしくお願い致します。

2014年8月27日水曜日

第96回夏甲子園大会総括を見て

夏の甲子園、大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じました。

優勝戦は投手の踏ん張りもあり、クロスゲームとなり、見ごたえのあるゲームであったと思います。

三重高校の采配が、準決勝までと違い、決勝は慎重になっていたような。
決勝戦、更に相手が地元大阪桐蔭というプレッシャーが影響していたのかなと思いました。

それも含めて大阪桐蔭高校の強さと言えるのでしょう。
西谷監督、大変おめでとうございます。

さて、今朝ほど、某新聞に今大会の総括が掲載されていました。

タイトルが「投手力強化 課題残す」。

理由は、以下原文のとおり。

打率2割8部2厘は第92大会(2010年)の2割9分6厘以来の2割8分越え。
一方四死球は363個で、近年では第93回大会(2011年)の387個につぐ多さ。初回の大量失点が多く、「打高投低」の傾向が顕著だった大会は、投手力の強化という課題を残した。


そもそも、野球はゼロサムスポーツであり、一方が良ければ、一方が悪い結果になるという特徴があります。

打率があがると投手の防御率は一般的には上がる傾向となるのは当たり前の話であります。

したがって、今大会のデータだけをみると、「打高投低」となる。

間違っても「打高投高」という表記は有り得ないはずですから。

「何が言いたいのか」

この見出し部分についてです。

「投手力に課題を残す」大会であったという表現については、いささか疑問が。

まず、投手力に課題を残すとありながら、何が課題なのかが記載されていない。

見出しで大きく「課題を残す」と打ち出しながら、何が課題かが明記されていないのはどうか。

おそらく、初回の失点、四死球が多かった、沢山安打を打たれたというデータを見てだけの評価でしょう。

私は、テレビでの観戦でしかありませんが、少なくとも投手力は上がっているなという印象を持ちました。

球速は年々速くなっているし、殆どのチームが140kmを投げる投手を持っている。

また、球種も豊富で緩急、左右の揺さぶりも出来るようになっている。

明らかに投げるだけではなく、場面を意識したかなりレベルの高い、ピッチングをしているという印象を受けました。

よく若者に言う「色気づきやがって」というような投球を行っている。

特に決勝に勝ち上がった2校のエースは、正に投球術で打者を打ち取っていました。

加えて、どのチームもエースと同等の控え投手を複数抱えている点が目立ち、明らかに投手力は年々あがっていると評価せずにはいられないでしょう。

一方、打者は

相変わらず「ちら見(投球直前に捕手の動きを盗み見る行為)」は後を絶たたず不快感を覚えますが、全体的に「打つ」という意識は前面に出ており、更にベンチワークでも「犠打のケース」と思った場面でも強攻するなど打撃に自信を持った采配が行われるケースが目につきました。

よく言われている「当てにいくような打撃」が少なくなってきたなという印象で、全試合を観たわけではないですが、積極的にバットを振っていたように思います。

打撃に対する指導者の意識が変わってきたのかなと感じたほどでした。

特に、大阪桐蔭、三重、敦賀気比の打撃は特に凄ったなという印象です。

横道にそれましたが、

全試合数が48試合。
それぐらいのデータでは、悪い結果の対戦、例えば、参加チームの中の1,2校が四死球を10個以上出してしまえば全体の数値は跳ね上がるわけであり、投手力が弱かったという評価とは一概に言えなくなる。

数字の見方を間違えると評価も変わってくるということになります

冒頭で書きましたが、「投手力に課題を残す」という根拠が何なのかを押さえること。

それが議論の対象となって強化策に繋がっていくわけですし、非常に重要だと思います。

何となく論評などでは、「・・・に課題」とかいう見出しをつける傾向が多いです。
その方がよく考察されているような感覚を受けます。

しかし、今大会に限っては、「随所に積極的な打撃、攻撃力が向上」というような見出しの方が良かったような気がします。

全試合観ているわけではないので、「それは違うぜ」とお叱りを受けるかもしれません。
あくまで雑感であり、批判ではありません。
マスコミに対しても、悪意を持っているわけではありませんので、ご容赦下さい。

2014年8月19日火曜日

甲子園を観て感じること

甲子園熱戦が繰り広げられていますね。今大会は接戦が非常に多いような気がします。

球場に詰めかけるファンの数も心なしか多いような。

北陸勢の活躍も後押ししているのでしょうかね。
富山をはじめとして各県高野連の強化がもの凄く熱が入っていると聞いています。

さて、大会を見ていて特に感じることは投手の継投策が当たり前になってきていること。

各チームともちゃんと投げれる選手を2,3人抱えています。
選手の肩への負担軽減を考慮したチームづくりが進んできているのかと思います。

投手の分業を推進することはエースの影に隠れて埋もれていた投手が脚光を浴びる機会を得ることにも繋がります。

甲子園は球児にとっては、野球を行う場であることを勿論ですが、以後の進路に影響を及ぼす場であるとも言えます。
多くの方の目に留まることによって、次の可能性が広がることにも繋がります。

しかし、昔は投手をやっている人は大方攻走守3拍子揃った選手が多く、控え投手でも他のポジションを守っているというケースが多かったのですが、最近は、背番号2桁台がベンチからマウンドへ上がるというケースが増えましたね。

プロ野球の影響からか投手が専門職という風潮が強くなってきています。

高校野球レベルにおいては、私見ですが、この点は少し疑問を持っています。

多くのポジションを経験することによって得られるものは、ジュニア期においては非常に多くあるように思います。

専門化することによって、練習量、質の向上は図れるかもしれませんが、将来の可能性を考えると複数のポジションを併任した方がプレーやとしての幅が広がると考えます。

そう言いながらも投手と野手を併任することは容易くなく、さらに投手の技術は簡単にマスターできるものではないので、ある意味一定の技量を得るためには時間を要することになります。

高校3年間の1,2年生を野手併任、3年ぐらいから専門的に投手となるぐらいが理想ですが、指導する側からすると早く投手を育てたいという想いが強いですから中々難しいのでしょうね。

育成はチーム事情に影響されるものですからチームごとに考え方が変わるということも頭に入れなければいけません。

「理想と現実は違う」と指導者のジレンマに陥ることになります。
育成と勝利を連動させることは本当に難しい!

それにしても最近の高校生投手の完成度は、目につきます。ピッチングが大人の投球をしています。

インターネット、テレビなど良い情報が瞬時に見られる環境が早熟させている要因だと思います。
それにしても凄いなと素直に思っています。

さあ、折り返した甲子園大会、全力でプレーする球児の健闘を期待します。

2014年8月13日水曜日

U15世界大会 最終成績

U15世界大会ですが、決勝でキューバがアメリカを6対3で破り、金メダルを獲得しました。

今大会の最終順位は
1.      キューバ
2.      アメリカ
3.      ベネズエラ
4.      台湾
5.      メキシコ
6.      パナマ
7.      日本
8.      ブラジル
9.      オーストラリア
10.     アルゼンチン
11.     ドイツ
12.     イタリア
13.     チェコ
14.     グゥアテマラ
15.     ニュージーランド
16.     南アフリカ
17.     香港
18.     リトアニア
となりました。

おそらく、スコアだけを見る限り、上位6位チーム+日本の7強とそれ以外かという戦評ですが、実際のところは見ていないので鹿取監督に今度確認してみます。

成績及び参加国をご覧のとおり、WBC(ワールドベースボールクラッシク)では聞かない国が参加しており、更に最近WBCで目覚しい活躍をしているオランダの名前もありません。
WBCのように2世代前までの親族が保有している国籍で自由に参加が許可される場合と違い、実質、ネイティブ国籍で戦うようなジュニアの大会では、強いとされる国が変わってくるということが分かります。

今回の大会もそうですが、ジュニアの大会では、中南米対アジアという戦いですね。
個々の技術力が高いで中南米と投手力を中心としたチーム力のアジアと言えるのではないでしょうか?

今回の結果は、アメリカを含めた中南米チーム軍配があがりましたが、アジア圏も劣っているわけではありません。

これからU18、U21が今年開催されます。
U15の分まで上位の成績を残してくれることを期待しています。

2014年8月11日月曜日

お疲れ様!侍JAPAN U15代表

メキシコで行われたU15世界大会はキューバ対アメリカの決勝を残すのみとなりました。
3位決定戦ではベネズエラが台湾を下し、3位を確定したみたいです。
日本は残念ながら7位という結果でした。

計18チームが参加したこの大会ですが、以下の流れで大会を消化してきました。
予選第1ラウンドは、
18チームを3グループに分けて、6チームで構成される各グループで総当りを行い、順位を決定します。
続いて行われる第2ラウンドは、
第1ラウンドの各グループ上位2チームを集めた1位から6位を決めるグループ
各グループ3,4位を集めた7位から12位を決めるグループ
各グループ5,6位を集めた13位から18位を決めるグループ
の3グループに分けて各グループで総当りを行い、順位を確定するステージとなっています。
更に1位から6位を決めるグループにおいては、グループ順位が決まった後に1位と2位による決勝、3位と4位による3位決定戦がエキストラマッチが行われ、メダルが確定します。


このように過酷な戦いが続きますので、最終的には優勝するには総合力が必要となります。

世界大会では、ステージが上がるごとにタフなゲームが続くことになりますが、あまり先を見過ぎた采配をすると第1ラウンドでこけてしまうし、第1ラウンドで入れ込みすぎると第2ラウンドで消耗して減速してしまうことに繋がります。

戦略としては、第1ラウンドは力関係を見て、絶対に2位を死守するような戦略をとることが妥当と私は思っています。
第1ラウンドをクリアしなければメダル獲得はなくなります。
つまり、第1ラウンドで負けても仕方ないなというチームに全力で立ち向かって例え敗戦したとしても、「これは仕方ない」とダメージを引きずらずに、次の絶対に落としてはいけない実力が伯仲している2位狙いのライバルチームを倒すことに全力を傾けることが肝要です。

世界大会では、勝ちあがれば、同じ相手と大会期間に幾度と対戦する機会が出てきます。
敗戦を引きずらず、リベンジの機会を伺うぐらいの気持ちで予選は戦う方が良いかと思います。

今大会で日本が入ったグループBはアメリカ、パナマがいてかなり難しいパートに入ったなという印象を持っていました。
アメリカに接戦で破れたため、後のパナマ戦は少し敗戦のショックを引きずったのかもしれませんね。

ジュニアを含めたアマチュア野球ではこのようなリーグ戦の大会が少なく、負けることに対する免疫が出来ていません。
世界大会では、予選を全勝突破しても、4勝1敗で突破しても最終的な順位に大きな影響を及ぼすことはありません。「徐々にチーム力を上げていくのだ」というぐらいの気持ちで試合をする方が良いかといつも世界戦を観てそのように思います。

今回の日本チームは、鹿取さんが監督を努められたわけですからこの辺りは十分承知されているので、そのようなことは無かったかとはと思いますが・・・

予選の第1ラウンドをクリアできなかったための7位であって、妥当な順位とは思いません。
実力はもっと高いレベルにあったと思います。
改めて世界大会の難しさを感じましたね。

しかし、このようなタフな試合を乗り越えて選手一人ひとりは逞しく成長してくれたと思います。
1人の成長に留めず、国内の仲間に世界は広いということをしっかりと伝えて貰い、将来の日本野球界のリーダーに育って欲しいと思います。

侍JAPAN U15代表チームの皆様、お疲れ様でした。

2014年8月8日金曜日

強化合宿を経て想うこと

前号でアジア大会の強化合宿の総括を致しましたが、その最終日に会見が行われ、
「大会では、どのような戦いをされますか?」というご質問を受けました。
「昨年の東アジア大会から投打の主力選手が抜け、かなりフレッシュなチームになった。」
「投手力は昨年に比べ、世界大会を経験した選手が少ないため未知数な部分がある。」
「打力はそれ程代わらないが、昨年と比較して長打は余り期待できない。」
「また、更に相手(韓国、台湾)の投手レベルもかなり上がっているため、簡単に打ち込めないと思う。」
「したがって、少ない点数を守りぬくという展開になるし、勝つには接戦に持ち込むしかないと考えている。」
と回答したのですが、マスコミの方が飛躍して「守り重視の野球を目指す」という翌日の新聞記事になっていました。
話を要約するとマスコミの方が言うとおりですが、バッティングコーチという立場で全日本活動に長きに渡り携わってきたこともあり、「打ち勝ちたい」という強い想いは特に持っています。
ブログ内でもコメントしているとおり、4年間の集大成の位置づけである今回のアジア大会ですが、間に行なわれた大会に参加した選手がプロに行ったこともあり、大会ごとにチーム構成員が大きく変わるなど、4年間連続した強化が出来たかというと疑問が残ります。
世界大会では何よりも経験が優先します。
環境の問題、審判の問題、海外投手の独特な投球フォームなど、知らないより知っていた方が良いに決まっています。
我々コーチが「アジアの投手はこのような特徴がある」とレクチャーをするよりも「百聞は一見にしかず」で経験することにより、対応策を選手が進んで講じようとします。
今回の大会では、韓国はプロトップスター、台湾もMLB所属の投手が参加することとなっており、我々社会人選手が体感したことが無い、スピードレンジ(球速域)、変化であることは間違いありません。
何度も対戦した相手であれば、事前に策を練ることもできますが、殆どが初めて対戦するわけで、試合を進めながら対応して行くしかありません。
更に、次から次へと良い投手をつぎ込まれると慣れる時間さへも与えてくれません。
結局、最後は本当の打撃技術を持っていなければ打てないということになります。
国内で打っている選手でさへ、またプロの打者でもかなり苦労することとなります。
アマチュアの場合、卓越したバッティング技術を持っている選手は、それ程多くいるわけではなく(そういった打者はプロへ進んでいます)中々打つのが難しいというのは想像できるでしょう。
だからチーム力で攻略していくしかないと思っており、会見のコメントになったわけです。
では、「どうやって崩していくのか?」。
皆さんの興味あるところだと思いますが、戦術になりますのでご容赦下さい。
弱者が必ず負けるということもなく、やる前から悲観する必要もありません。
寧ろ勝って当たり前と評されている韓国チーム、台湾チームの方がプレッシャーはかかると想います。

強化合宿を終えた後のこの1ヶ月で参加した選手の意識がもう一段アップしていることを期待していますし、心の中では「打ち勝つぞ!」といつも思っています。

2014年8月6日水曜日

侍ジャパン社会人代表 鶴岡合宿

8月1日〜本日まで、アジア競技大会に向けて代表24選手を招集し、山形県 鶴岡ドリームスタジアムでの強化合宿、更に本日の横浜ベースターズとの強化試合を行って参りました。

先ず、感想は、非常に暑かった!

特に鶴岡は日中37度を超える温度計の表示。

鶴岡では、午前中を練習、午後小休息、夕刻よりナイターの試合というタイムスケジュールを三日連続で行いました。
今回の合宿の目的は、チーム方針の理解と相互のコミュニケーションを図り、寄せ集めの集団を一つのチームにすることが目的です。
更に私の立場では、戦力の把握も目的の一つでした。

東北のJABA加盟チームのご協力により、暑い中3試合をしっかり行うことができたなど予定通りスケジュールを消化できたことは非常に良かったですね。
残念ながら試合内容は思うような結果とは行きませんでしたが、選手は実直に戦術を理解しようと意識を持ってプレーを行ってくれました。

今回のメンバーは世界大会を経験している選手が9名しかおらず、その他の選手は未経験者であり、更に全日本の合宿に参加したことがない選手も居るという構成で、ある意味フレッシュなチームとなっています。
それ故にまだまだチーム相互の中で遠慮する場面が見え隠れすることもあり、次の直前合宿の課題となりましたが、アマチュアの強みは結束力、所謂、チームワーク。
直前合宿でキャプテン多幡を中心により強固な結束を作りあげ、大会に望みたいと思います。

合宿には韓国の偵察チームも乗り込んで日本チームのデータを精力的に取るなど迫るアジア大会へのムードが高まって来ました。
勿論、我々の気持ちが昂ってきたということです。

今回の合宿で選手に対して、「社会人代表チームではない、他国から見れば日本代表なんだ」「だから決して負けられない」と話をしています。
選手もその意味を理解し始め、本日の横浜ベースターズとの試合では相手がプロでも負けては行けないと意地を見せてくれました。

次回の直前合宿は9月11日から関東地区にて行います。

選手は今日の試合終了後に自チームへ戻りました。
この1ヶ月でどれぐらい成長してくるのか非常に楽しみにしています。

アマチュア代表チームの選手もがんばっていますので、ご声援をよろしくお願い致します。

最後に鶴岡の野球連盟の皆さんの献身的なご協力に感謝申し上げます。