2012年11月29日木曜日

BFAアジア選手権 台湾戦

11月22日-25日 Jx-Eneosグランドでの直前合宿を経て、11月26日に台湾台中に移動し、BFAアジア選手権を昨日迎えました。
今大会は、6チーム総当たりで順位を決する方式であり、通常の世界大会の予選を行って決勝トーナメントを行う方式とは異なるため、初戦の台湾戦は日本チームにとっては事実上のメダル決定戦と非常に重圧のかかる初戦となりました。
また、現地入りしてからの台湾の天気は雨ばかりとグランドで練習が全くできず、昨日の台湾戦も小雨降り続く悪いグランドコンディションと選手にとっては大変な中での試合となりました。
台湾戦の先発は以下のとおり。
��. 藤島(JR九州)CF
��. 井領(JX-ENEOS)RF
��. 多端(ホンダ)3B
��. 林(富士重工)DH
��. 松本(JR東日本)LF
��. 山川(富士大学)1B
��. 川戸(ホンダ)2B
��. 中野(JR九州)
��. 田中(JR東日本)
投手:吉田(JR東日本)
通常ショートを守る川戸選手を二塁手で起用、チームの雰囲気を打撃で変える力のある山川をファーストに抜擢とかなり思い切った布陣で勝負に出ました。
対戦相手の台湾は、WBC予選にも名を連ねる台湾プロ選手。先発投手はシカゴ・カブスのマイナー選手である王(ワン)選手とかなりの実力がありました。
試合が開始され、150kmの速球で押す投球の王投手を想定していましたが、球数制限(所属球団から75球と制限されている)と雨のコンディションとの兼ね合いからか一転スライダー主体の投球をされ、3回まで完璧に抑えこまれました。
一方、我らがアマのエース吉田も怯むことなく140km中盤の速球で対抗し、互角の戦いを展開。
3回の裏、相手の先頭打者にライトオーバーに3塁打を打たれ先制を許すかという場面を迎え、日頃早い回から前進守備シフトを敷かないのですが思い切って勝負に出てバックホーム体制を指示。吉田投手も期待に応え、9番打者を遊撃ゴロ、続く1番の左の好打者をセカンドフライに打ち取り2死3塁までこぎつけました。
2死は獲ったものの2番の左打者を迎え、吉田投手の投球に対してフルスゥイングしてくる台湾バッターとは紙一重の状況と厳しく、ここで堀井コーチ(JR東日本)にマウンドへ行って貰い、時間をとってもらいました。
無死3塁は2死までこぎつけた後、ほっとして安打を許すというパターンが良くあります。1点を献上しても全くおかしくない場面をここまで粘ったのだからここは絶対に先取点を渡さないと通常セットアッパーを行っている左投げの片山投手(JR東日本)を投入。期待に応えて捕手ゴロと選手点を阻んでくれました。
野球は面白いものでこのような大きなピンチを脱すると必ずチャンスが訪れるものです。4回の表、先頭の井領選手が打った何でもないショートゴロを遊撃手が抵投、無死1塁と先取点のチャンスを迎えました。日頃早い回からは送りバントをしないことが多いのですが相手の好機を潰した次ぎの回であったこともあり、3番の多端選手に送りバントを指示しました。続く4番の林選手は打ち取られましたが、5番松本選手が思い切りよく、センター越えの2塁打を放ち、待望の先取点獲り、流れは完全に日本側へ。
続く5回にも四球で出た川戸選手を1番藤島選手がレフト前安打し、貴重な追加点をあげ、
優位な状況で試合を進める展開で進めました。
片山選手の投球は台湾打者にバットを思い切り振らせることなく、見事な投球を展開し、7回まで0点に押え、完全に手玉にとっていました。
しかし、打線は台湾も流石プロ集団、5回以降はリリーフ投手に完全に押えこまれ、嫌な流れで終盤を迎える展開となりました。
終盤、片山投手が2死2塁からセンター前安打を許し、1点を献上し、8回を終えて2対1と最終回の攻防に。
��回表の攻撃も追加点を取ることができず、重苦しい雰囲気で9回裏守りを迎える展開となりました。2番の先頭の左打者を片山投手が打ち取ったあと、3番のマリナーズマイナー選手を迎えてところで本塁打を警戒して直前合宿で絶好調であったチーム最年少の後輩である早稲田大学吉永投手にスイッチ。
大舞台を経験していると言っても流石に国際マッチの押えの重圧は吉永選手にも荷が重かったようです。
��番打者には続けて直球がボールとなり2ボールとボール先行。マウンドに上がる前に今大会は力で押せと指示していたこともあり、続く2球もストレートでファールを打たせカウントを戻す見事な度胸。しかし、迎えた2-2からの5球目勝負の直球をフルスゥィングされた打球は左中間最深部へ。
誰もが「やられたか」と思った打球でしたがフェンス手前でレフト松本選手のグラブに納まり、あと一人で勝利というところまでこぎ着けました。
左の大城投手(JX-ENEOS)にスウィッチもよぎりましたが、ここは吉永投手を信頼して続投と腹をくくりました。
続く4番打者は台湾リーグでも20本塁打以上を打っている強打者。ここも臆せずストレートで勝負を挑み1-1と並行カウント。3球目インコース高めに投げた球はライトポール際への大飛球。これまた誰もが「やられた」と思った場面でしたが、ポールの脇50cmほどファール。最後は、ここまで隠していた得意のシンカーで三振。
吉永投手には六大学リーグ戦とは全く違ったストレートで押すスタイルに変えることを指示したのですが、若者らしい挑戦的なスタイルはチームに活気を与えてくれていることは間違いありあません。しかし、2本とも入ってもおかしくない当たりが入らないとは何か持っている只者ではない後輩です。
広州のアジア競技大会で台湾チームをあと一息というところまで追い込みながら負けた苦い思い出に雪辱を果たすことができました。
多端主将を中心にまとまってくれている選手に頭が下がります。
また、献身的にサポートしてくれている堀井コーチ、善波コーチ、中島コーチに感謝、感謝です。
まだ大会が始まったばかりですが、今日の1勝はアマ日本代表にとって歴史的な1勝と言っても過言ではありません。選手諸君おめでとう!
残りの試合に全勝し、5連覇を成し遂げて参りますので引き続きご声援をお願いします。
それにしたも国際マッチは疲れます。



2012年11月16日金曜日

BFAアジア選手権日本代表選手

12月28日より台湾台中で開催されるBFAアジア選手権の日本代表選手を昨日発表致しました。大会直前までのエントリーが可能ということで、怪我等による不慮の変更を加味して、社会人日本選手権、大学神宮大会の終了まで引っ張ったというのが現状です。大会参加登録可能数は24名と当初の20名から増員されました。プロ選手が多く参加すること、シーズンオフの大会である事情を配慮しての増員であると想像しています。

さて、今回選出したメンバーの一人一人を簡単にご紹介いたします。
投手は怪我の多いポジションですから8名か9名かと悩みましたが、野手の層を厚くすることを優先するとともに連投になれているアマチュア投手の力量を勘案し、最終的に8名としました。
〇大瀬良(九州共立大)大学球界NO.1投手との評判もあるとおり、150kmを超える速球には非常に魅力があります。大会では、主に試合後半での登板を期待しています。
〇吉永(早稲田大)ご説明する必要もなく1年生ながら早稲田大を支える投手で今後のアマチュア野球界を支えていく選手と期待しています。海外ではあまり見られない独特のシンカーは外国人選手にはかなり通用すると考えています。
〇吉田(JR東日本)1年目ながら社会人球界で現在、NO.1右腕の投手、187CMの長身から投げ下ろす速球はスピード表示以上の威圧感があります。また多彩な変化球も保持しており、コントロールも良く、大事な試合での登板を期待しています。
〇大城(JX-ENEOS) 都市対抗野球、日本選手権のダブルのMVP投手。小柄でありますが、球威は抜群で、杉内(巨人)を彷彿とさせるような投手です。特に独特のカーブは、落差も大きく、海外打者には十分通用すると考え、左のエースとして期待をしております。
〇濱野(JR九州)社会人を代表するベテラン投手で、サイドスローからのスライダーは曲がりも大きく、良くコントロールされ、類似投手の経験の少ない海外選手は非常に戸惑うと考えています。先発、中継ぎとフル回転の登板を期待しています。
〇新垣(東芝)日本ハムにドラフト指名され、11月22日に契約を控えている実力派投手。速球とスライダーが武器の選手で試合を作れる選手として期待をしています。社会人時代は目立ちませんでしたが、プロの世界では実力を発揮すると思います。
〇片山(JR東日本)中継ぎのスペシャリストで左サイドから投球されるボールは打者の手元で微妙に変化する特徴を持っています。マウンド度胸も十分で特に試合中盤から後半にの大事な場面での登板が多くなると期待しています。
〇秋吉(Panasonic)今年ブレークした選手でサイドハンドからの投球は、145km越えるスピードを保持している選手です。ストレートでぐいぐいと押してくれる強気な投球でチームに勢いを与えてくれることを期待しています。
海外試合で特に怪我の多い捕手は、3名体制としました。
〇中野(JR九州)インサイドワークに長け、特にバッターの特徴、投手の特徴を生かしたリードに定評があります。チームを落ち着かせる守備の要として期待しています。
〇石川(JR東日本) 自チームを昨年から3大会連続で決勝に導いた功労者。若手ながら沈着冷静に試合をコントロールしていく能力は非常に長けており、初経験ではありますがブレークを期待しています。
〇二葉(トヨタ)他二人の捕手にない思い切った強気のリードを行うタイプの捕手です。流れを変える場面での起用が多くなるかと思いますがムードメーカでもあるので活躍を期待しています。
内野手は、8名。
〇山川(富士大学) 一塁手。パワーはアマNO.1であり、阪神ファーム戦で放ったホームランの飛距離はプロ選手も驚くほど。社会人選手の中にあっても気後れしない性格はチームのムードを高める効果を秘めています。のびのびとやって欲しいと期待しています。
〇井上(日本生命)一塁手。大学時代もJAPANを経験していたが、巨漢のからだを使いこなせず、漸く今年ブレーク。本来の柔らかさに力強さを加え、長距離砲として期待をしています。
〇吉田(東芝)二塁手。身体能力が高く、意外性を秘めた選手で流れを引き込む力がありあます。代表に選ばれた誇りを持ち、ここらで大きく飛躍して欲しい選手の一人です。思い切りあるプレーに期待をしています。
〇山本(日本生命)二塁手。小柄ながら一発を秘め、守備も堅実ないぶし銀的なベテラン選手。苦しいときの起用が多くなると想定していますが、確実に仕事をこなしてくれると期待しています。
〇多端(ホンダ)三塁手。豊富な海外試合経験によるリーダーシップを発揮し、チームの精神的な支柱。クリーンアップを打つ可能性が高い選手であり、バッティングでチームを引っ張って欲しいと期待しています。
〇岩本(NTT東日本)三塁手。登録は三塁手だが内野ならばどこでも守れる選手で目立たないが心強い選手である。特に勝負強い打撃はここ一番の代打など多いに期待ができます。
〇田中(JR東日本)遊撃手。1年目ながら日を追うごとに成長を見せている伸び盛りの選手。攻走守、三拍子揃った選手であり、プレーぶりも華があります。若手選手らしく勢いあるプレーを期待しています。
〇川戸(ホンダ)遊撃手。大柄な割りには非常に器用な選手で内野全ポジション対応ができる選手です。自チームでも西郷選手の後を打つなど長打と勝負強い打撃に期待しています。
外野手は、5名。
〇林(富士重工業)現在、アマJAPANの攻撃の支柱。独特の打撃フォームから鋭い打球を飛ばす。勝負強い打撃で野手陣を引っ張って欲しいと期待しています。
〇藤島(JR九州)ベテラン選手であるが初選出の選手。根性、ガッツという言葉がぴったりの選手でアマチュア選手らしい選手。チームのリードオフマンとして期待しています。
〇井領(JX-ENEOS)プロも注目するほどのセンスの塊である選手であることは間違いなく、精神的な安定感がでれば大ブレークする可能性を秘めています。出塁する力に期待しています。
〇堀越(新日鉄住金鹿島)バットコントロールが上手く、殆どのボールを芯で捉える力を持っています。小柄ではあるが力強い打球を放ち、外野の間を抜く安打が期待できます。気後れすることなく、堂々と試合して欲しいと期待しています。
〇松本(JR東日本)非常に寡黙でありますが芯のしっかりした、ここ一番で活躍する選手です。クリーンアップを任せることになりますがプレッシャーをはねのけて思い切り良くバットを振ってくれることに期待しています。
以上が今回の選出メンバーです。
アマ代表ではありますが、他国からすると日本代表であることに変わりありません。
我々も日本代表の誇りを持ってこの大会で優勝するように頑張りますので、ご声援をよろしく御願いいたします。

��写真はスポニチHPから)