2015年9月22日火曜日

第27回BFAアジア選手権大会

社会人代表チームは、3位!



台湾で行われていた第27回BFAアジア選手権大会ですが、社会人で構成されるアマ代表チームは、残念ながら3位という結果に終わりました。

私が率いたチームからバトンを引き継いで初めての国際大会。


勝ち負けよりも経験を優先すべきと考えていますから全く結果について指摘するつもりはありません。


但し、選手の選考、采配について、反省はする必要がありますね。


勝負は時の運と言われますが、日本代表チームはそのような甘い慰めを求めているところではありません。


チームは、一人の監督のものでもありませんし、それ故に、監督だけに責任を被せるような組織にしてはいけません。


実際、監督の発言は、野球界の発言と思って今まで自分自身も戦ってきました。


強化には、あらゆるスタッフが関わっており、その方達ちの想いも理解をして戦わなければなりません。



さて、侍ジャパンのホームページに(侍ジャパンホームページ

「今大会、6連覇という偉業をかけて挑んだ日本だったが、3勝2敗で3位に終わった。敗れた試合はいずれも紙一重の戦いばかり。今後、侍ジャパン社会人代表が国際大会にどのように挑んでいくのか、社会人野球全体の力が試される。」
と試合総評の記事が掲載されました。

何となく、身内の記事だからこそ、素直に受け取れない。
おそらく「僅差だから取り組み方を考えれば、次は勝てる」ということを指摘して戴いたと思うが。
国際大会は、社会人野球が誰よりも一番知っている。
今大会の台湾、韓国のメンバーは最近行われたアジアの他の大会のメンバーよりも少し落ちていることは皆知っている。
目標としている4年後のアジア競技大会の台湾や韓国の構成メンバーはこんなレベルではない。
だからこそ、負けの原因がどこにあったのかは今後しっかり分析する必要がある。
この結果は、アマ球界全体で考えるべき課題であり、強化の問題となる。
現場には結果に一気一憂して貰いたくないが、強化側としては、この結果は、重く受け止めるべきだ。
アマトップの社会人チームがアジアで通用しないという結果に終われば、今後プロ選手の派遣という声があがることも抑えられなくなる。
プレミア12大会が間も無く開催されるが、元々アマチュアが出場していたワールドカップ大会に代わって始まる大会である。
アマチュアが国際大会を経験できなくなるとレベルの低下を招く恐れもある。
当然、世界大会を経験する意味は大きい。
アマからプロで活躍している選手の中には、摂津(ソフトバンク)、杉内、長野(ジャイアンツ)、石川(ロッテ)、大瀬良(広島)を始め、沢山の選手が国際大会の中から育っている。

アマから「国際大会を取り上げないで」というお願いをするつもりは毛頭ないが、もう少し、アマ側もちゃんと強化を含めた情報発信をすべきだとこの記事を見て思った。
この大会へのアマ代表の目的が、正しく伝わってない。
強化に携わる一員として、大いに反省すべき部分である。

残念ながら台湾に出向き、間近で試合を見れていないので、アマ代表の戦いぶりをお伝えすることができないが、
「アマ代表が良い方向に変わって行っているな」と思って頂けるような強化に努めていく必要があるなと改めて感じました。

何れにしても監督、コーチ、選手の皆様、お疲れ様!







2015年9月9日水曜日

アンダー18大会を終えての雑感

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アンダー18歳以下大会、またもや日本は2位と金メダルには届きませんでした。

1対2とたった1点の差なんですが、この1点が中々遠い。

逆転勝ちできる雰囲気を作らせて貰えてないんですよね。

何かこのままやられてしまうのではないかというプレッシャーを常にかけられているわけです。

からだの大きさやバットスゥイングの速さ、投手の球の速さ、野手のスピードなど。

あらゆる面で少しずつアメリカの方が上回っているんですよね。


アメリカが嫌がるのは、日本のいやらしい野球と日本の投手力。

それから、自らのミス、つまり失策ですね。

日本の打力は、あまり警戒していないでしょう。

日本が勝機を見出すには、ロースコアの勝負に持ち込むこととなるわけです。


そういった意味では、決勝戦は日本のペースで進められたと思います。

できれば、先制をしたかっところですが・・・。


アメリカの投手力が良かったといえばそれまでですが、やはり打力不足の感は否めません。

甲子園であれだけ本塁打を放った選手ばかりを揃え、予選でも二桁得点を挙げているにも関わらず、大会を通じて1本の本塁打とは寂しい。

本塁打ばかりが野球ではないですが、やはりもう少し遠くへ飛ばさなければ、どんどん外野が前に守り始め、さらには安打ゾーンも無くなってしまうことに繋がってしまいます


これは、トップチームを除いたアマ代表、大学代表をはじめ全てのカテゴリーに共通した課題となっています

結局、打たなければ勝てないという結論になってしまいます。


今回清宮が4番を打ちましたが、他に4番を打てるような選手が見当たらなかったという点では、清宮頼みという感が強く、その清宮が今回はあまり機能しなかったことは誤算だったと思います。

高校1年生で全てを背負わせられるのは酷ですが。

九国大付属の山本なんかを入れると少し迫力があがったかなと個人的には思いました。

選手選考は、チームコンセプトですから外野がとやかく言うことではないですが。


西谷監督も自チームの大阪桐蔭の豪快な野球スタイルとは違い、守備にも重きを置いたスモールベースボールへと舵を切った戦術をとっていたような気がします。

その中で、今大会でまた株を上げたのが、オコエですね。

彼は、世界基準の身体能力を既に持っており、パワーも兼ね備えています。

野性味を感じ、期待感が一番高かったのは事実です。

オコエに回ればという感じがしました。

途中で怪我もあり、大会が進むにつれて少し疲れを感じましたが、今後の活躍が目に浮かぶものがありました。


打力を上げるということは打ち方そのものを考えなおさなければならないということになります。

フルカウントへの投稿で木製バットへの対応の問題提起をしましたが、実際は、打ち方についてもっと研究をしなければならない。

アメリカの打法は、ステイバックが基本となっており、選手が皆同じ振り方をしているのはお分かりいただけたはずです。

ステイバックとは、兎に角、後ろ足に体重を残したまま、回転しろということなんですが、体力がないから日本人には無理という理由で中々取り入れていかない。

ソフトバンクの柳田や西武ライオンズの森のように軸足を中心として、しっかりと振るといううち方をできる選手もいるわけですからもう少し研究する余地はあると思います。


さて、今大会は高野連(特に大阪府高野連)が主幹となって、本当に献身的に大会運営を行っていただきました。

大会としては、天気は今一つでしたが、大成功であったと思います。

他国のスタッフから「なぜ、内野が土なんだ。
日本だけだぞ!」とやや不満を言われた以外は、参加チームも概ね満足していたのではないかと思います。

改めて、運営に携わった方々に敬意を表します。


一つ残念なことは、最後の決勝の視聴率は18%とプロ野球を完全に凌駕する人気ぶりでしたが、舞洲スタジアムが交通の便があまり良くないこともあるのか日本戦以外の試合の観客が少なかったこと。

滅多に間近で観るチャンスがない、他国選手のプレーやコーチの指導ぶりをもっと多くの指導者に足を運んで観て欲しかったなと思いました。

特に試合前練習を観ると色々な気づきが発見できます。

今回、キューバの練習を見ましたが、日本の指導方法の一つのタオルを片手にシャドウスゥイングをやっていました。

今まで沢山キューバの試合を見てきましたが、中々無い光景です。

日本人コーチ3名が2年前にキューバに指導に行っていますので、その指導を取り入れたのかなと勝手に想像したりしました。


アマチュア野球の指導者は、既に大なり小なり日本代表の育成に既に関与しているわけです。

皆で世界に勝つための選手づくりを考えていかなければなりません

そういった意味で、国内野球の世界に留まらず、世界野球をもっと知って欲しいですね。


今回の日本代表チームは、西谷監督以下非常にまとまった良いチームで、粘りのある非常に素晴らしい戦いを行ってくれ、将来の日本野球への希望を与えてくれたと思います。

それ以上にアメリカのポテンシャルの高さには驚かさせられましたが。

次はプレミア12でトップチーム(小久保ジャパン)が世界に挑みます。

アンダー18の借りを返して、ぜひ金メダルをとって欲しいと思います。