2015年7月30日木曜日

第86回都市対抗野球 日本生命の優勝で閉幕


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大会中盤で、決勝戦の対戦カード予想を書く気でいたのですが、多忙を理由にサボってしまいました。


しかし、昨日の日本生命と大阪ガスとの決勝戦、まさに激闘でしたね。

同じ地区の代表同士の戦いとなって、お互いにやり辛い部分もあったと思いますが、本当に良い試合を展開してくれました。

両チームの必死さが伝わって来て、これぞ都市対抗野球という素晴らしい内容でしたね。


それにしても、バルセロナオリンピックの同志である日本生命 十河監督のチーム育成は、見事だっと思います。

前任の監督から受け取った際は、エース投手、それから4番打者をプロに引き抜かれ、軸を作るというところからのチームマネージメントで大変だったろうと思います。

中堅どころの選手が良く伸びていたなという印象とベテランが上手に引っ張っていました。

昔の日本生命の戦いぶりが脳裏をよぎるほど。

古豪完全復活という感じでしたね。


今大会、正直、全く予想がつきませんでした。

理由は、今年の予選までの状態を殆ど観れなかったことで、チーム状況がどうなっているのか把握できなかったためです。


結果的に、昨年のデータは、今大会に限っては、当てにならなかったですね。

それだけ、新戦力が出てきていることとチームの状況(主力)が変わっているチームが多かったということでしょうか。


まさかベスト4に関東地区のチームが一つも入っていない大会になるとは・・・。

正直、今年も関東なんだろうなと思っていました。


そういった意味では、近畿勢の頑張りは、有力大学生の進路が関東集中の偏重から脱皮するチャンスになりそうです。

最近、九州、四国が全く活躍できていませんので、近畿の強化を見習って、追いつけ、追い越せの精神で強化を切磋琢磨して欲しいと思います。


詳しい大会分析は、毎日新聞の総括が出た後に行いたいと思います。

まずは、十河監督、日本生命の皆さん、おめでとうございました。

それから、大阪ガス 竹村監督、選手の皆さん、立派な準優勝です。お疲れ様でした。


大会結果は、下画面をクリックし、確認下さい。



2015年7月26日日曜日

第86回都市対抗野球 ベスト8へ6チーム

久々にドームへ行って来ました。

いや〜まず気温が高く、暑かった。東京の方が九州より暑い!

選手も暑い中での、屋外での練習、涼しい中での試合と体調管理が難しいでしょうね。



今年3回目となる競技力向上委員会の会議出席が主たる目的でしたので、試合も殆ど観れずという状況でトンボ帰りとなりました。

競技力の委員会の会議内容は、
 1.BFAアジア選手権の日本代表メンバー(社会人選手のみ)の選考
 2.ジュニア研修会の開催
 3.来年度の指導者研修会の開催について
 4.技術研究会
という中味。

会議の内容は、決定事項でないため書けませんが、建設的な意見が多くあり、筒井委員長を軸に競技力委員会の質の向上が図れているのかと感じました。

特に、技術研究会においては、今年のJABA大会視察を通じて、研究会ごとに振り返りを行って頂きましたが、色々な意見が出ていましたので、社会人野球の質の向上に繋げていければと思っています。



さて、第86回都市対抗野球ですが、まず三菱長崎が初戦でヤマハに敗退したことが非常に残念でした。

6年ぶりのハンデが、やはり大きかったのですかね。

地に足がついていないような展開となってしまいました。



本日で、ベスト8へ日本生命、トヨタ、王子製紙、日本新薬、大阪ガス、JR東日本東北が勝ち上がり、2回戦も残すところ、明日2試合となりました。

明日の2試合も信越クラブ対三菱広島、東芝対NTT西日本というカードで、ご覧頂くとおり、明日もし東芝が敗退することになれば、関東勢が全滅という過去にもなかったような展開となってしまいます。


ここまでは、東海地区の安定感と近畿地区のレベルアップが伺い知れる大会となっているのが特徴でしょうか。

連盟的には、関東地区の敗退、特に東京地区が全滅ということで集客という点で心配でしょうね。

関東地区のチームの今後の発奮に期待します。



さてさて、今大会で、一番不気味なのが、JR東日本東北。

本家のJR東日本の陰に隠れて目立ちませんでしたが、非常にバランスの取れた良いチームです。

スーパースター的な存在の選手は、今のところいませんが、投手、攻撃とも、ソツなく試合を進めていける逸材が揃っています。

藤井監督の野球が浸透してきたのかなという感じが強く、スルスルっと勝ち上っていくような気がしてなりません。

とは言え、残ったチームは全て力が均衡しており、今回は、優勝チームを予想するのは、正直難しいです。



今大会、どの試合も接戦で、1球の大切がわかる好試合を展開してくれていますので、観ている方にも必死さが伝わっている思います。

これぞ、都市対抗という好試合を明日以降も期待します。


もっと、打者陣、がんばれ!










2015年7月22日水曜日

第86回都市対抗野球、連日激戦の1回戦

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随分と更新が滞り、大変申し訳ございませんでした。

何かあった訳ではありあませんので、ご心配無用です。


さて、都市対抗野球が東京ドームで7月18日より開幕しました。

1回戦はほとんどのチームがエースを立てて初戦を突破しようとするため、非常に接戦が多くなります。



ここまではの番狂わせは、JR東日本が敗れたことと、東京地区が全滅していること。

ここ数年の東京地区の活躍は、一時期の低迷を脱し、目覚ましいものがありました。

大学生の良い選手も東京地区に集まるようになっています。

第86回都市対抗野球組み合わせ及び結果


その中での全敗は、「喝!」でしょうね。

勝負事ですから、勝ち負けは時の運でしょうが、東京ドームで開催されているのに、東京のチームが全部姿を消すとは。

お客の入りも、軒並みダウンするでしょうね!


大昔にブログ内で取り上げたことがあるのですが、都市対抗野球1回戦の戦い方は、監督とって非常に難しい試合となります。

理由は、予選(同一地区に限る)で敗退したチームの中から3人まで助っ人として選手を選択できるという都市対抗野球のオリジナルの制度。

選出は、投手1名、野手2名のパターンが多いようです。


この制度があるが故に、いつもの監督の違うような采配になってしまうことがしばしば。

というのは、一発勝負ですから、補強された選手をできる限り試合で使い切ろうとする心理が働くこと。


野手は、殆どが先発出場することになりますので、野手は交代するタイミングがキーポイントになります。

一方、投手に関しては、初戦は殆どのチームが自前のエースを先発に立ててくることが殆どです。

いきなり補強選手というのは、珍しいと言えるでしょう。

接戦の試合展開で、特に先発の出来が良い場合は、後半に突入しても先発投手を代え辛くなります。

回が押し迫ってくると監督の頭をよぎるのが、「補強選手を使い切らねば・・・」という感覚です。

「補強したのだから、何とか試合に出場する機会を作らねば・・・」と気を使うものです。

義理人情が働く日本人は、特にこの心理に陥ることが多いでしょう。


このような采配を避けるために、監督がよくやる手が最初から投球回数を決めて、ゲームの流れに関係なく、補強選手を登板させる継投パターン。

一見、思い切りが良い采配に見えますが、ゲームの展開に関係なく、継投するわけですから結果が良い方向に繋がることは少ないと思います。


1回戦は、継投が殆どです。それも、2番手投手が補強選手というパターンが多いですね。


このように、1回戦は、実は普段どおりの野球ができていないことが多くあります。

当然、監督次第ですが・・・。

「監督にとって、普段どおりの野球ができる、本当の都市対抗は、実は2回戦からですかね。」と多くの監督さんが洩らしています。

そういった意味では、初戦の戦いは難しいんですよ。


因みに私が社会人チームの監督をした時代は、補強選手は5名まで許されていましたので、今より補強を使いこなすのは難しいものでした。

大会期間中だけガラッと違うチームカラーに変わっていましたし・・・。



実は、私は、1回戦の先発を出場3度中、2回を補強選手の先発で臨んでいます。

ダメだったら、すぐに交代ぐらいの感覚で、殆どが3イニング以内で交代させています。

この理由は、一つは後半の展開で、上記のような監督心理が働かないような状況にしておくことと大事な場面を補強選手に責任を取らせるのは酷と考えているからです。



補強されて結果を出さないとと焦っている補強選手に輪をかけて大事な場面を託すなど良い結果が出ることが少ないと考えています。

自分も何度が補強選手としてドームに立ちましたが、プレッシャーはなかなかのものです。




単なる1回戦のような感じを受けますが、実は色々な葛藤が渦巻く、難しい1回戦なんですね。

日本一になった監督さんから、「優勝したいなら、義理人情は捨て、鬼になれ」とアドバイスを受けたものです。

鬼にはなれず、でしたが・・・。