「ルーズベルトゲーム」ばかりを頭だしにしていますが、今日はそのモデルチームとなっている鷺宮製作所。
昨日、敗者復活1回戦で新鋭のゴールドジムベースボールクラブに負け、都市対抗本大会への出場が絶たれたとニュースをお伝えしなければなりません。
「クラブチームに負けたの!」と思われる方も沢山おられると思いますが、東京地区の監督にゴールドジムベースボールクラブについて聞いてみると上武大、八戸大とか企業チームに負けず劣らずの出身選手を抱えており、更に練習もしっかりやれているとのこと。決して侮れないというレベルだそうです。
実際、鷺宮製作所も先発にエースを立てるなど、決して油断をした采配ではなかったようです。
では、力が五分五分であったかというとおそらく鷺宮製作所の方が戦力は上であったと思います。
ルーズベルトゲームのモデルチームとしての周囲からの期待も倍増していたことやここ数年都市対抗本大会に出場できず、「今年はなにが何でも」という気負いがゲームにおいて逆の方向に働いたのだと思います。
再三再四のチャンスを生かせなかったというのが物語っています。
都市対抗の予選だけは、「何が起きるか分からない」と社会人野球の関係者は口を揃えて言うほどです。
力の差があるチーム同士の試合を前に「試合はやって見なければ分からない」と社交事例的に使う言葉がありますが、予選においてはそれが本音と変わって行きます。
プレッシャー!一言でいうとそうなると想いますが、7対3の力関係が押し迫る緊迫感により、5分5分という力関係となってしまうのが常です。恐ろしいものです。
実際、ドーハで行われたアジア大会の日本対韓国の試合もそうでした。
韓国は、兵役免除+報奨金をかけて韓国プロ野球のドリーム選手でチームを構成。韓国国民も「アマチュアで構成される日本には負けるわけがない」と誰もが思うような力関係でした。
私たちも予選を視察した際に正直同じような感想を持ちました。
しかし、試合は一転、日本がリードする展開に!そうすると韓国の選手が普段では考えられないミスを侵し、固くなった打者のスゥイングが目立つようになってきました。
同点まで追いつかれましたが、結果的に逆転を許さなかったことで我々日本チームの士気が落ちなかったことが最終的に劇的な長野(当時日本大学、現読売ジャイアンツ)のサヨナラ本塁打を生んだ要因となったことは間違いありません。
弱者が強者を追い込むには、兎に角、先制をしてリードした有利な展開に持ち込むことが金星をあげる条件となります。
そういう意味では、1回の攻防が全てとなると思っています。
先手を取るということであれば、先攻を取るのが良いでしょう。
世界大会では先攻と後攻が大会運営上、試合前に決まっていることが殆どなので、中々思い通りにはならないのですが・・・。
国内トーナメントでは殆どのチームがジャンケンに勝って後攻めをとる傾向が強いので、比較的先攻となるのは容易です。
1回の表の攻撃が最終回ぐらいの覚悟で望むと思わぬ展開が生まれることがあります。
弱者の理論と言われればそれまでですが、力関係の差を埋めるための戦術として実際に奇抜なことをやっていました。
逆に力関係に開きがあるチームとやる鉄則は、リードを許した展開にしないこと。先制点を奪うこと。試合を諦めるように早めに点差を開くこととなります。
今回の鷺宮製作所とゴールドジムクラブの試合展開は、正に初回の攻防で3点を奪ったゴールドジムが行けるという雰囲気になり、その裏に2点を直ぐに返した鷺宮製作所は、点差をすぐに詰めたことによりいつでも返せるという気持ちに陥ったのではないかと勝手に想像しています。
当事者に聞いて見なければ確かなことは言えませんが大方金星が生まれる際はそういう状況下になった時に起こります。
鷺宮製作所はJABA静岡大会を制した素晴らしいチームであり、伝統あるしっかりしたチーム方針を持ったチームです。
ルーズベルトゲームのモデルチームとしての対比で色々なプレッシャーがあるやもしれませんが、日本選手権の代表権は既に獲得されていますので、日本選手権での活躍を期待しています。
ルーズベルトゲーム第5話で大事な試合を前に高ぶる部員を前に
「何のために野球をやっているのだ?」
「野球部の存続のためにやっているのか?」
「いやそうではないだろう。野球が好きだからやっているのだろう。」
との監督の台詞がありました。
全くそのとおりで、背負っているものが重ければ重いほど、そのような心境、つまり平常心に戻ることが大事になってきます。
しかし、簡単なようですが、重い荷物を降ろすことは簡単に行かないですよね。
難しいものです・・・。
都市対抗予選は本当に面白い!
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