2014年11月20日木曜日

侍ジャパン21歳以下世界大会の総括

21歳以下の世界大会、ご承知のとおり、決勝で0対9と台湾に敗退し、銀メダルで終わりました。

この大会は初開催ということもあり、各国とも戸惑いを持ちながらの戦いとなったことは間違いありません。

大会を終えての感想は…。
まずは、世界大会の常連国であるアメリカ、キューバが参加しなかったこと。
この2国が参加しない世界大会は、寂しさを覚えました。
参加にあたっては、金銭的な隔たりがあったと大会関係者が洩らしていましたが。

次にヨーロッパ地区の強化が進んでいたという印象。
メジャー選手の派遣が制限されていたようで、殆どの国が自国のリーグで活躍している選手を中心にチーム構成されていました。
アジアの3国(日本、台湾、韓国)とヨーロッパ地区の対戦においては得点こそ開きましたが、中盤までは均衡するなど、投手があと2,3枚出てきたら「あるいは」という試合も多くありました。
そういった意味では、ヨーロッパでの野球強化が定着し始めたと考えるのが自然でしょう

その中でも、特に今大会チェコの頑張りが目を引きました。
誰しもが全敗で予選敗退すると思っていましたが、一次予選で2勝し、2次予選まで進出しました。これには正直びっくりです。
実際、2次ラウンドでチェコと対戦しましたが、2メートル近い投手が球速こそ135km程度でしたが、変化球もコントロール良く投げていました。

最後に台湾の強化のシステムが上手く行っていること。
台湾は、代表チームを構成するにあたり、野球協会とプロ連盟の不仲ということもあり、アマチュア(大学生と社会人)、MLB所属のマイナー選手を中心に長期的な強化を図っています。若い選手を数多く、海外に送り、強化を図っています。
今回の台湾の21歳以下チームは、仁川で行われたアジア競技大会に出場をした数名が核となり、かなりレベルの高い技術を身につけた選手も多かったように感じました。
元日ハムのクルーズを打撃コーチとして招聘し、5ヶ月間このチームの打撃力強化を図ったことなども特徴でしょう

クルーズ氏と少し話をしたのですが、その際に「台湾の打撃はスゥエーをしていたが、今はStay back(突っ込まない打撃)を叩き込んだ」と言っていました。
日本との決勝でも日本の投手が繰出す変化球にものの見事に対応していたのを目の当たりにして打撃力の強化が実を結んだのだなと敵ながらあっぱれと思った次第です。

話を日本チームに移しますが、今大会6名のオーバーエージ登録が許されている中(試合に同時に出場できるのは3名まで)、今回、日本チームは3名しかオーバーエージをつれて行きませんでした。
これは大会運営者と日本チーム側の連係が上手く行かなかったことによるもので、特に意図して3名にしたわけではなかったのですが、このオーバーエージの数の差が結局台湾との差になったことは間違いないと考えます。
世界大会を戦う上においては、このような情報のやり取りは非常に重要になってきますので今大会の最大の反省でしょう。

プロ、アマ混成で大会に臨んだ日本チームでしたが、寄せ集めの集団としては、纏まりは主将牧原を中心に非常に良かったと思います。
平田監督のリーダーシップが良かった!
勝負に対する厳しい姿勢がチームに芯を与えていたように思います

しかし、今年、私が携わった代表チームは、台湾が鬼門となりました。
というか、台湾の強化が進んでいたとも言えるでしょう。


今回、試合後、平田監督が「プロとしてこの敗戦は屈辱的であり、銀メダルでは駄目なんだ。この敗戦から何かを学びとり、今後の野球人生に生かし、今度はトップチームでリベンジしてくれ」と檄を飛ばされました。

落胆した選手に向かっては厳しい言葉ですが、逆に中々言えない、暖かい言葉であったと感心させられました。

初の21歳以下の大会でしたが、このカテゴリーはプロもアマも実力的には関係ないなと痛感しました。
次回は、オーバーエイジを含め、この大会に照準を合わせた選手選考、更に強化を進めていく必要があるかと考えます。

金メダル奪取とはいきませんでしたが、良いチームであったと思います。

しかし、アジア大会を含め、台湾に今年2度も敗退するとは悔しいですね。

皆様、ご声援ありがとうございました!

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