5月11日の阪神対巨人の試合を久々テレビ観戦していたところ、いきなりコリジョンルール適用の場面に遭遇しました。
このコリジョンルールは、基本的に「体当たりの禁止(敢えてラフプレー)」を謳っているいるものであり、捕手を擁護するという意味合いで作られたルールです。
以前のルール時代の走者の言い分は、捕球もしていないのに捕手が、走者のベースタッチをさせないというブロック姿勢をとるため、敢えて体当たりをして吹き飛ばすしかないというものでした。
メジャーでは、以前は当たりまえのようなプレーだったのですが、日本人の間でもそれが流行り出したのは、今覚せい剤問題の清原が行ったのをマスコミが気迫あふれるプレーと称賛したことからと考えています。
私が参加していた世界大会においては、体格に劣る日本人選手とみるや、大柄な外国人選手は容赦なく、タックルを噛ましてきます。
捕手が吹き飛ばされるシーンは幾度となく、観てきました。
当然、抗議に出向きますが、判定が覆ったことはなく、何とも後味が悪い試合となってしまいました。
実は、プロ野球がコリジョンルールを取り入れる前からアマチュアでは、逸早くこのルールを導入してきました。
それは、私がアマチュア野球界の当時麻生審判規則委員長に「体当たりはフェアプレーの精神に反し、更に捕手の選手生命と脅かす問題。厳しくルールで処分しましよう。」と相談を持ちかけた事が始まりと記憶しています。
以降すぐに世界大会においてもルール導入されました。
文字通り、「体当たりの禁止」ですからランナー側に対する制約を設けるだけで言い訳です。
ま、基本的に「必ずスライディングをしなさい」という程度で終わるわけです。
それが何でここまで捕手のブロックの技術まで影響がでるようなルールになっているのか、理解に苦しみます。
逆に捕手は走ってくる相手に片腕だけで対応するわけですから、これまた大変です。
下手したら脱臼なんてこともこれから多くあるのではないかと心配しています。
話を戻しますが、この阪神対巨人のシーンは、どう見てもコリジョンルールに該当しないでしょう。
返球を身を挺して捕球して、そのままタッチに行くということが、何処が悪いのか?
これをコリジョンルールとか言ったら、本末転倒だと思います。
当然、金本監督も怒りますよ。
しかしながら、以下のデイリースポーツの記事によると阪神側の申し入れを却下したみたいですね。
何かがおかしい!
捕手の方が走者よりも受け身の立場ですから、捕手の方に歩があるようなルールにすべきなんです。
ブロックはOK、ただし、捕球前のブロック、ベースを隠す行為をした場合は、即刻、走塁妨害を宣告し、得点を認める。
逆に走者は、スライディングを意図的にしなかった場合は、勿論、守備妨害で、更に退場とするぐらいの厳しいルール設定でも良いと思います。
アマチュアとプロの解釈にも微妙な違いがあるようです。
アマチュアの審判団がプロ側に引っ張られないようにしてほしいと思いますね。
このコリジョンルールは検証する必要がありそうです。
(以下、デイリー新聞の記事)
コリジョン、NPBが阪神側へ再回答へ
2016年5月17日
プロ野球セ・リーグの杵渕和秀統括は16日、阪神が11日の巨人(7)戦(甲子園)で起きたコリジョンルール適用に異議をとなえている件で、これまでの当該審判員の判断は適切だったとする見解を、あらためて文書で回答する意向を示した。
阪神側は翌12日にリーグへ意見書を提出。13日には杵渕統括、友寄審判長が金本監督らに判定における説明を行ったが阪神側は納得せず、新たな回答を求めていた。同統括は「判定が適切だったという見解は変わらない。文書での回答も(直接に)説明した時と同様の内容です」とした。