2014年5月29日木曜日

ジャッキーロビンソン〜野球の力



都市対抗予選話題は、一休みして。今日は少し違った観点で。

自宅の書棚に置かれている本を眺めていると「BASABALL」と書かれた原書が目に。
久々に手にとって改めて眺めました。

この本、JOC在外派遣研修でサンディエゴパドレスに1年間コーチング留学していたころに現地の書店で購入したもので、アメリカの野球の歴史が古い写真などを数多く使って紹介されています。

BASEBALLの起源とか、発展の経緯、MLBの歴史などが記載されていますが、全文英語で記載されていることもあり、購入して既に10年以上経過しているにも関わらず読破までは至っていません。
持ち歩きができるような重さと大きさではなく、寝る前に手にする程度であるため、頁が進まなかった。というのが言い訳です・・・

この本の中で一番インパクトがあり、また多く取り上げられているのは、4月15日にメモリアルデーがあったブルックリンドジャースのジャッキー・ロビンソン。

アフリカ系黒人というために根強かった人種差別に会い、それに真っ向から立ち向かい、ドジャーズの一員として長きに渡って活躍した選手です。

「42~世界を変えた男」と映画にも取り上げられました。

恐らく本や映画などでは伝えられない苦痛があったはずです。

それを跳ね除け、人種差別という問題に完全に立ち向かっていく苦労は私ごときには理解できないと思います。

ただ、1人の選手の勇気ある行動が、人種差別という大きな問題に風穴をあけたという素晴らしい事実は理解できましたし、BASEBALLにはそのような力があるということを我々は知っておく必要があると考えました。

また、体を鍛えるとか、心身を鍛えるとか個人的な鍛錬のためにスポーツはあるのではなく、世界平和に寄与しているということを我々は誇りに思い、それに恥じないような行動をすべきであると改めて思います。

1997年4月15日から背番号42をMLB全体で永久欠番とし、「ジャッキー・ロビンソン・デー」として彼の功績を讃えると伴にBASEBALLの役割を次代のプレーや引き継いでいます。

皆さんもこの日にMLB選手が全員42番の背番号をつけて試合をしている姿を放送で見たことがあると思います。

「42」の映画、実は観たいと思っていたのですが、まだ観ていません。
近々、観てみたいと思っています。

BASEBALL、大きく言えばスポーツは世界を変えることができるということでしょうから、我々今携わっている人間もしっかりとその精神を受け継いで後に繋いでいかなければと改めて思った一日でした。

今、都市対抗予選を戦っている皆さん、皆さんのプレーで何人の方が感動し、勇気を得られているか。
誇りを持って、全力で戦って下さい。





2014年5月27日火曜日

都市対抗東京予選〜弱者の理論

「ルーズベルトゲーム」ばかりを頭だしにしていますが、今日はそのモデルチームとなっている鷺宮製作所。
昨日、敗者復活1回戦で新鋭のゴールドジムベースボールクラブに負け、都市対抗本大会への出場が絶たれたとニュースをお伝えしなければなりません。

「クラブチームに負けたの!」と思われる方も沢山おられると思いますが、東京地区の監督にゴールドジムベースボールクラブについて聞いてみると上武大、八戸大とか企業チームに負けず劣らずの出身選手を抱えており、更に練習もしっかりやれているとのこと。決して侮れないというレベルだそうです。

実際、鷺宮製作所も先発にエースを立てるなど、決して油断をした采配ではなかったようです。

では、力が五分五分であったかというとおそらく鷺宮製作所の方が戦力は上であったと思います。

ルーズベルトゲームのモデルチームとしての周囲からの期待も倍増していたことやここ数年都市対抗本大会に出場できず、「今年はなにが何でも」という気負いがゲームにおいて逆の方向に働いたのだと思います。
再三再四のチャンスを生かせなかったというのが物語っています。

都市対抗の予選だけは、「何が起きるか分からない」と社会人野球の関係者は口を揃えて言うほどです。
力の差があるチーム同士の試合を前に「試合はやって見なければ分からない」と社交事例的に使う言葉がありますが、予選においてはそれが本音と変わって行きます。

プレッシャー!一言でいうとそうなると想いますが、7対3の力関係が押し迫る緊迫感により、5分5分という力関係となってしまうのが常です。恐ろしいものです。

実際、ドーハで行われたアジア大会の日本対韓国の試合もそうでした。
韓国は、兵役免除+報奨金をかけて韓国プロ野球のドリーム選手でチームを構成。韓国国民も「アマチュアで構成される日本には負けるわけがない」と誰もが思うような力関係でした。
私たちも予選を視察した際に正直同じような感想を持ちました。
しかし、試合は一転、日本がリードする展開に!そうすると韓国の選手が普段では考えられないミスを侵し、固くなった打者のスゥイングが目立つようになってきました。

同点まで追いつかれましたが、結果的に逆転を許さなかったことで我々日本チームの士気が落ちなかったことが最終的に劇的な長野(当時日本大学、現読売ジャイアンツ)のサヨナラ本塁打を生んだ要因となったことは間違いありません。

弱者が強者を追い込むには、兎に角、先制をしてリードした有利な展開に持ち込むことが金星をあげる条件となります。
そういう意味では、1回の攻防が全てとなると思っています。
先手を取るということであれば、先攻を取るのが良いでしょう。
世界大会では先攻と後攻が大会運営上、試合前に決まっていることが殆どなので、中々思い通りにはならないのですが・・・。
国内トーナメントでは殆どのチームがジャンケンに勝って後攻めをとる傾向が強いので、比較的先攻となるのは容易です。

1回の表の攻撃が最終回ぐらいの覚悟で望むと思わぬ展開が生まれることがあります。
弱者の理論と言われればそれまでですが、力関係の差を埋めるための戦術として実際に奇抜なことをやっていました。

逆に力関係に開きがあるチームとやる鉄則は、リードを許した展開にしないこと。先制点を奪うこと。試合を諦めるように早めに点差を開くこととなります。

今回の鷺宮製作所とゴールドジムクラブの試合展開は、正に初回の攻防で3点を奪ったゴールドジムが行けるという雰囲気になり、その裏に2点を直ぐに返した鷺宮製作所は、点差をすぐに詰めたことによりいつでも返せるという気持ちに陥ったのではないかと勝手に想像しています。

当事者に聞いて見なければ確かなことは言えませんが大方金星が生まれる際はそういう状況下になった時に起こります。

鷺宮製作所はJABA静岡大会を制した素晴らしいチームであり、伝統あるしっかりしたチーム方針を持ったチームです。
ルーズベルトゲームのモデルチームとしての対比で色々なプレッシャーがあるやもしれませんが、日本選手権の代表権は既に獲得されていますので、日本選手権での活躍を期待しています。

ルーズベルトゲーム第5話で大事な試合を前に高ぶる部員を前に
「何のために野球をやっているのだ?」
「野球部の存続のためにやっているのか?」
「いやそうではないだろう。野球が好きだからやっているのだろう。」
との監督の台詞がありました。
全くそのとおりで、背負っているものが重ければ重いほど、そのような心境、つまり平常心に戻ることが大事になってきます。

しかし、簡単なようですが、重い荷物を降ろすことは簡単に行かないですよね。
難しいものです・・・。

都市対抗予選は本当に面白い!

2014年5月26日月曜日

敗者復活戦と都市対抗予選の戦い


「ルーズベルトゲーム~第5話」も都市対抗予選の最中、敗者復活戦に青島製作所も回ることとなったようです。

現在行われている都市対抗予選、特に激戦となっている東海地区においても、トヨタ自動車が新日鉄住金東海REXに2回戦で敗れるという波乱が起き、同じように敗者復活戦に回ることになりました。

都市対抗予選で導入されている面白いシステムが敗者復活戦ですが、組み合わせによる有利、不利が出にくいようにした措置で、更に予選各地区において力のあるチームを東京ドームに送り出すことを主眼として採用されています。

基本的に2敗失格制ですが写真の組み合わせ表のように東海地区や近畿地区ではそれ以上に負けても、まだ望みが残るという組み合わせになっています。
場合によっては、通算勝敗で負け越しても代表獲得できることにもなります。

このシステムがあるためにどうしても敗者復活戦の方に頭が行き、監督の采配が1ゲームに集中できないことが起きます。
私もこの都市対抗予選の采配を経験しましたが、監督の経験が浅い時期は、敗者復活戦が気になり、特に試合中の投手の起用については非常に神経を使いました。
僅差の試合における先発投手を何処まで引っ張るのか、更にリリーフ投手の投入時期、また前半にリードを許した際のエース投手の起用の方法など。
連戦となる敗者復活戦が待ちうけるためにそのゲームの勝利だけに集中できないということが起きてしまいます。

さて、今回の東海予選では私が采配を振るうとすれば・・・。
これは東海予選を経験したことがない者の無責任な発言であるので、失礼があったらご容赦下さい。

大会に入るゲームプランでは、先ずは本戦での2連勝というキーワードをチームに掲げると思います。
2連勝をしてしまえば、仮に敗者復活戦に回ってもスケジュール的に非常に楽に大会を進行できます。

となれば、1戦目と2戦目は、私ならエースをぶつけるという選択をすると思います。
当然、1戦目を勝つということが最大の前提条件となりますが・・・。
同じような力がある第2投手が居たとしても今大会のエースはお前だと意識付けることを優先することを取ると想います。

予選に入る前にエースの選別は終わっているのでしょうから、エースを見誤ったとすればそれは監督の責任ということでしょうか。その時点で既にチーム作りに失敗していることとなります。

各チームの事情がありますので、私の言っていることが全て正しいわけではないですが、敗者復活戦を意識して戦いを展開すると普段やっているような采配ができなくなってきます。

初戦、2戦目で敗退するぐらいであれば、東京ドームには進出できないぐらいの大会プラン、気構えで戦う姿勢が大事だと思います。

敗者復活戦というシステムがあるからこそ、目の前の試合にどうやったら勝てるかに集中することが逆に良い結果に繋がると思っています。
勿論、頭の片隅には少しは明日以降のことも考えているのは事実ですが。

大きな得点差(6点以上)にならない限り、試合を諦めるような采配をしない方が仮に負けても次に繋がることが多いですね。選手は、試合を捨てたことに対しては敏感です。


プレッシャーの無い、無責任な立場で話をしていますので失礼あったらお詫び申し上げます。

いずれにしても連日、緊張感の中、戦っている全てのJABAチームに「頑張って下さい」とエールを送ります。

2014年5月23日金曜日

都市対抗二次予選 開催中〜代表選考の進捗

都市対抗2次予選が開催されておりますが、本業である9月に韓国仁川で開催されるアジア大会の選手選考も佳境に入ってきました。

今回のアジア大会の候補選手がほぼ社会人チーム所属ということから5月15日に競技力向上委員会を開催し、各JABA大会の視察結果を元に一次登録選手を中心とした選手の状況報告と委員の共有化を図りました。
1次登録選手以外で活躍された選手も今回リストアップし、最終メンバーの絞りこみの参考とすることと致しました。
1次登録外からの代表入りもあり得るということになります。

6月17日がJOC派遣手続き(約30名程度)となることから、各地区担当の競技力委員が2次予選を視察し、その意見を集約し、期限前に選手を30名程度に絞り込む予定としております。

とは言え、これが最終ではなく、JOC派遣手続き(30名程度)選手から7月18日最終登録までに更に最終メンバー24名に絞る作業が残っており、この作業は、選出する側としては厳しい決断を迫られることになります。

各JABA大会で球場を訪れるとJABAチームの選手が私に声をかけてくれるのですが、1人1人の選手の生き生きした顔を想い浮かべると最後の24名を決める際には本当に辛い作業となります。

ということで、今行われている都市対抗2次予選はチームの勝敗よりも私個人的にはアジア代表選手候補の結果が気になるところであります。

候補選手が自チームで「信用されているのか?」というところが代表選出の第1歩であることから、自チームでの起用方法、例えば投手であれば、「エースとして起用されているのか」、打者であれば「何番を任されているのか」などは興味を持つところです。

勿論、自チームでの起用方法だけが選考ポイントではありませんが、自チームでの信頼は大きな選考の要素であることに間違いはありません。
特に社会人のメイン大会である都市対抗、その中でも最も厳しい戦いとなる2次予選における自チームにおける起用、選手の立ち位置は、大いに参考とするところでもあります。

最終的に、選手を選考する際には「日本代表として献身的な働きができるか」というところが大きなウエイトを占めます。
勿論、代表選手に値する技術はあるという前提ですが、同じぐらいの技量があれば、日の丸のために頑張れるかというメンタリィテーの部分で決定することとなります。

多くのプロ選手を排出ている社会人野球ですが、代表選手に成れなくてドラフト1位指名を受けたという選手も少なからずいます。
別に性格が悪いから落選したということではなく、「短期決戦に勝つために必要か、そうでないか」で洩れただけです。

今の日本代表は、アマ代表に限らず、野球が正式競技とされていたオリンピック時代の継続した代表強化とは違い、寄せ集めのチームづくりが殆どです。
したがって、育成すれば凄い選手になるなと思わせるような選手を選出するのではなく、短期でチームとして機能するにはという観点での選考傾向がどうしても強くなります。

これは非常に残念なことですが、特にプロへ選手を毎年排出するアマ代表においては、計画的な強化は図りづらく、致し方ないことと諦めもしています。
逆に、だからこそ、魅力ある、選手が憧れるような日本代表チームが必要であるとも考えながら色々な試みをしているところですが・・・。

話は変わりますが、ドラマの「ルーズベルトゲーム」。
非常に親近感が沸く内容で、社会人野球を経験した方々は、我がことのように置き換えて観ておられるのではないでしょうか?
同じ製造業チームに所属していたこともあり、共感し、私もはまっています。

ルーズベルトゲーム内の青島製作所のような2次予選を戦っている企業チームは、今の全日本代表チームとは違い、何年も賭けてチームを作り上げた想いの大きさが存在します。
よって、選手は、その想いや歴史と伝統を抱えて戦っていく必要があります。
今の時代の選手がその想いを背負っているか、どうかは分かりませんが、都市対抗とはそのようなものです。

2次予選は、単に都市の代表を決めるだけの大会ではなく、チームの威信を賭けた特別な試合、大会です。

選手の皆さんは、チームのために全身全霊を傾けて正々堂々と戦って欲しいものです

2014年5月20日火曜日

今年も都市対抗野球!〜2次予選が開幕

既に1次予選が各地区で行われ、都市対抗本大会の夢を断たれたチームも数多くある中、いよいよ2次予選が近畿、西関東(神奈川)を皮切りにスタートしました。

昨年の覇者エネオスがJABA大会で苦しんでいることなどからも優勝争いは混沌としていると言えるでしょう。
エネオス、JR東日本の2強時代から戦国時代に戻った年と言っても過言ではないでしょうか。

優勝を狙う条件の一つに当然のことですが、この2次予選を突破する必要があります。
逆に2次予選の戦いぶりが本大会に向けた勢いをつけることになり、単に結果だけが重要視されるものではなく、内容が非常に大切になってきます。

特に投手の柱として期待をしていた選手が予選で思うような活躍ができなかったチームは本大会に上がっても苦しんでいる傾向が強いようです。
勿論、エース以外の投手層の厚さが予選を乗り切る第一条件になることは言うまでもありません。

独特の緊張感漂う予選では、殆どのチームが打線と投手が噛み合うというゲーム内容ばかりで勝ち上がるわけではなく、思うような展開に持ち込めず、苦しい試合を耐えて本大会に出場してくるのが常です。

そういった意味では、やはり野球は投手と昔から言われるごとく、投手陣の質の高いチームが圧倒的に有利となるのでしょう。
昨年社会人球界から多くの優秀な投手がプロの道へ進みました。
皆、それ相応に活躍をしてくれていますが、一方では力のあった昨年の投手に匹敵するような投手が今年は少ないとJABA大会を視察しての正直な感想です。
どのチームも絶対的なエース不在ですので、ある意味、予選からも番狂わせがある波乱の予感もします。

敢えて、投手層の厚さという点に着目すれば、JR東日本、HONDA、富士重工業、NTT西日本、日立製作所あたりが揃っているのかなと感じています。
他チームが劣っているかというとそれほど開きはありませんので、僅かな差と考えて頂けき、敢えてチーム名を出したと思って頂ければと思います。

繰り返しになりますが、予選前、予選中を通して如何に投手陣のコンディションを調整していくかがチームの明暗を分ける大事なポイントになります。
「エースの自覚」と簡単に言えば一言に集約できますが、コンディションを維持していくことは並大抵の努力ではできません。
長期戦の東海地区予選などは特にそうです。

打者は道具を使って結果を残すことができるので「まぐれ」はありますが、自分の肉体を使う投手は「まぐれ」はありません。

最新の注意を払って、悔いの残らない試合になるように投手はこれからの時間を過ごして欲しいです。

予選を戦う選手は、この期間は自分との戦いの期間になります。
一年間築き上げた成果を遺憾なく発揮し、悔いの残らない清々しいプレーを展開してくれることを期待します。

2014年5月11日日曜日

JABA九州大会最終日〜HONDA優勝

長崎県営ビックN球場で開催されていたJABA九州大会最終日の準決勝2試合と決勝の3試合を観戦。

本部席には、早稲田大学野球部の大先輩であり、野球殿堂入りも果たされた福嶋一雄理事長も。

野球の話をするとすっかりお爺ちゃんになられたお姿から一転、現役当時のようなコメントが次々と。

「小島君、俺もすっかり年取ってしまったよ」とおっしゃりながらもまだまだ若い者には負けないよと言わんばかりでした。

長く野球界に貢献されたことに対して敬意を表し、現役時代のお写真を掲載させて頂きます。

さて、本日の3試合、全試合とも見応えある試合内容で、HONDAが優勝を遂げました。

西郷、佐伯のベテラン、川戸、小手川、多幡らの全日本経験者、福島、石橋、吉越などの若手投手が頑張り、厳しい試合をものにしました。

本日の勉強になった場面のご紹介は、第一試合のNTT西日本対セガサミー。
結果はNTT西日本が延長で勝利したのですが...。
両投手陣の踏ん張りあり、同点で迎えた9回の表裏の攻防は見応えありましたね。

9回表のNTT西日本の攻撃、無死1塁から犠打で1死2塁。
すかざす、セガサミーベンチは、先発横田投手が左投げであることから「8番、9番の左打者で勝負」と7番右打者との勝負を避けて塁を詰める作戦で勝負へ。
このとき、塁を詰めたことで、「1番の勝負強い右の梅津選手まで回る展開になると大変だね」とネット裏でボソッと漏らしたところ的中。
8番打者は打ち取ったものの、9番打者に繋がれ、案の定2死満塁で梅津を迎える展開に。
2ストライクまで追い込んだ後、勝負球を右中間に運ばれ、2点を献上してしまった。

塁を詰めるとは歩かすということであるが、歩かすということは一つ打順が繰り上がるということになることを理解して作戦を取らなくてはと改めて思った場面であった。

セガサミーベンチの采配が間違っていたとは思わないが、野球はこういうこともあるということかな。

その裏、2点をリードしたNTT西日本は押さえにエース格の吉元投手を起用。

「あまりボールが走っていないな」と思ったらやはり2死1、3塁と一転同点のピンチを背負うことに。
ここでセガサミーベンチは長打力のある代打打者を起用。
長打を絶対に喰らっては行けない場面。
しかし、スライダーが高めに浮き、センターオーバーの同点2塁打を打たれてしまった。
「勝った」と気の緩みがバッテリーに出たと言わざろうえない。
捕手からの「ボール球で良いよ」という投手へのジェスチャーが無かった。
こういう場面は、はっきりと投手に意志を伝えてリードをすべき場面であったと思いますよ。
ま、NTT西日本は、既に京都大会で日本選手権の出場権を獲得しているので、勝ち負けに執着する必要がなかったということもあり、ベンチ含めて気が緩んだのでしょうね。

延長に入ってからは、自力を発揮したNTT西日本が勝ったので、勝利に対する執念は勝っていたのでしょうが...。

前号でも記載をしましたが、公式戦はこのような難しい場面を与えてくれる貴重な練習の場であることをもっと意識して欲しいし、練習の時に作ろうとしても作れる設定ではないと公式戦を大事に戦って欲しいと思います。

難しい場面をどう凌いでいくのかを反省、研究していくことこそがチーム力のアップにつながり、最終的に頂点に立つことに繋がると思います。

「何が苦しい展開になった原因か?」「どうやったから上手くいったのか?」
試合後の反省会では、今日の試合のポイントをしっかり見つめなおし、チームとしての判断が的確であったかを皆で共有することが重要です。

何れにしてもHONDAのチームの皆さん、大変おめでとうございました。






2014年5月10日土曜日

JABA九州大会4日目〜予選リーグの戦い方

長崎市営かきどまり球場
九州大会4日目を視察しました。

予選リーグの最終日で準決勝進出の4チームが決定することに。

とは言え、既に昨日までに決勝トーナメントに進出するチームが確定し、今日の試合が消化試合となったブロックも。

いつものレギュラーメンバーから出場の機会の少ない若手選手を起用するチームが多く見られました。

チーム事情があるので、このやり方を否定する気はありませんが消化試合だからと言って、いきなり戦力を落とすというのは数少ない公式な大会ということを考えるといかがなものかなと正直な感想。

JABA大会は地方のファンの皆様にレベルの高い、真剣勝負の野球を見てもらうことも目的の一つ。
また、トーナメント戦である都市対抗予選を勝ち抜くための連戦に耐えうる戦い方の絶好の予行演習の機会。

試合の進行によって、起用する必要がある場面でその役割の選手を起用する方がチームとしての機能の精度をあげることに繋がるはず。

例えは少し違いますが、点差の開いた緊張感のない場面での練習のようなバントと勝敗を決する場面や「通常ここはバントだろう」という場面でのバントでは全く意味が違うもので、練習のようなバントを決めても全くとは言わないが意味がないと似たようなところが選手起用についてもあります。

緊張感のある厳しい状況下にあるからこそ、失敗しようが成功しようが大きな意味があります。

オープン戦と違って公式戦にはその効果が隠されていますので、是非、消化試合をつくらないようにして欲しいと思っています。


九州大会、明日は最終日。

セガサミー対NTT西日本、HONDA対富士重工の準決勝。
その後に決勝と3試合が行われます。

戦力拮抗、どのチームが勝利するのか? 予想するのは難しい。

4チームとも怪我のないように頑張って欲しいものです。











2014年5月7日水曜日

JABA九州大会開幕〜長崎で開催

通常北九州市で開催されるJABA九州大会が諸事情あり、長崎で開幕。

長崎県営ビックN球場
長崎県営球場、柿泊市営球場の2会場を使用し、本日より予選リーグが開始。

試合結果は、日本野球連盟ページに結果が出ていますので覗いてください。

地元長崎での開催でもあるので、できる限り球場に足を運ぶつもりですが、さすがに全試合とは行かないかな。

断片的になりますが、全チームを見れるように両球場を掛け持ちながら視察をしたいと思います。

今日は、NTT西日本対三菱日立パワーシステムズの1試合を観戦しました。

ゴールデンウィーク中に行われた京都大会を制して長崎に乗り込んできたNTT西日本がどれほどチーム力を上げているかを見に行きましたが、京都大会で日本選手権の出場権を獲得したこともあるのか、メンバーの中に新戦力が数名入っており、戦力強化を目的とした選手起用と。
プロ野球を経験した佐々木監督ならではの采配かな...

一方、三菱日立はほぼベストメンバー。

試合は投手戦で両チームとも中々得点が奪えない展開に。

最終回に三菱日立が2死2塁から代打のベテラン渡部のタイムリー適時打で1点をもぎ取り、先発福田がそのリードを守りきり、完投勝利という結果に。

正直、両チームとも打者のコンディションが良くなかったのか、点が入りそうな雰囲気が無かったですね。

特に、左打者に開きが早い選手が多く、下半身で打っている感じがなかった。
もっと下半身を意識したスゥイングを心がけて欲しいものです。

右打者においても殆どの打者が逆方向への意識が低く、甘いスライダーを打ち損じていましたね。

2ストライク後のバッティングの意識がセンターから右方向に向かっていないのは社会人野球相対的に言えることか。

追い込まれたら逆方向は打者として基本的な考え方。

この辺りがプロ野球の打者との意識の差かな!

風が強かった今日だけの現象であれば良いのですが...

投高打低の風潮からの脱却。

明日からの打者の活躍を期待しています。


2014年5月4日日曜日

西武ライオンズ 岸投手のノーヒットノーラン

西武の岸投手やってくれましたね。

無安打無得点。

前号で完投する意味ということをテーマに記事掲載したのですが、こういう記録の達成のための完投はファンが喜びますから問題外でしょう。

しかし、岸投手、アマチュアの見本となるような投球フォームで本当にいい投げ方しているなと思います。

新聞に掲載された岸投手の投球フォームのこの写真。

小さなボールに全身の力が伝わっているという感じがしますね。

中指と人差し指で最後にボールを押し込んでんいるような感覚が凄くでています。

岸投手のフォーム的特徴は、腕の振りの早さとしなやかさ。

投球の特徴は、緩急の度合いが他投手よりも大きい。

特に今時珍しい縦カーブの落差は、バッターとしても打つのに非常に苦労する大きさと感じています。

ストレートのキレと緩急、打者にとっては一番厄介な投手のタイプですね。

しかし、そのバロメーターも結局はストレートの威力があってこそというわけで、やはり投球の基本となるストレートのキレを保てるかということが岸投手に関わらず投手の一番の条件でしょう。

スピードガンの速さだけではなく、バッターが速いと感じるボールのキレこそがいい投手の条件になるのでしょう。

しかし、写真のように最近映像技術はこれほどまでに鮮明にナイスショットを作りだしてくれます。

映像を観れるということにおいては、非常に良いのですが、写真のようなフォームのある一点だけに注視し、それを表現しようとするとこれもまたおかしなフォームになってしまう。

映像は、イメージとしてのみ捉え、その一部分を表現しないよにすることが重要。

結局、感覚の世界ですからいい球を投げたときが良いフォームと割り切り、その感覚を大切にすることが大切かなと思います。

科学的と言われる技術解説も指導の手助けになることは間違いないのですが、「こう投げよ!」という映像は指導の秘密兵器にはならないと考えます。

「感覚を掴ませる!」、「コツを掴ませる!」ことが指導上では一番でその習得には結局は反復しかないのです。。


話が脱線しましたが、アマチュアの選手は、岸投手ような投げ方を物真似することからはじめても良いかもです。

それぐらい素晴らしいフォームと思いますよ。


習うより慣れろ!

物真似は技術進歩の第一歩!







2014年5月1日木曜日

大瀬良ナイスピッチング〜完投がもたらす効果の検証

写真:新潟日報
広島強し!

今日の大瀬良の投球内容は良かったですね。
8回あたりから前半から飛ばしたこともあり、疲れが見え始めましたが...
汗のかき方が異様な感じでした。
甲子園、蒸し暑ったのでしょう。

しかし、広島 野村監督の完投にこだわった采配。
メジャーの監督からすれば理解できないでしょうね。
6点差で勝っている状況で更に120球近く投げているのにまだ続投。
「たぶんクレージーだ」と言うと思いますよ。

日本の投手は「完投してこそ、価値がある」などと面白い投手の評価があります。
小さい頃からそれを叩き込まれているので、それに慣れているとも言えます。
一方、ジュニア期から投球制限などが導入されるなど、分業制に慣れ始めている現在の若者は、昔ほど完投にこだわりを持っていないとも言えます。

なぜ完投する必要があるのか?
育成の手段?
完投したという自信付け?

未だに良く分からずにいます。

明らかに後ろに控える投手の力が劣る場合は、できる限り完投した方がいいのでしょうが、そうでなければ継投した方が良いに決まっている。
肩は消耗品と言われますし、できる限り投球数を減らす方向で指導しているはず。
指導者は言っていることとやる事が違うと言われても仕方が無いことか。

9回まで要した球数が少ないからたまたま完投した。
更に完全試合やノーヒットノーランなどのような記録がかかっているから続投させた。

と明確な理由がない限り、完投にこだわる必要はないのかなんて考えています。

リリーフを休ませたいという日であればできる限り完投もありでしょうが、リリーフの選手の仕事もつくることも重要ではないでしょうか?

長いペナントレース、若手に自信が必要と判断しての完投指示はあるかもしれませんが、その効果の検証は感覚的なもので良いのか、悪いのかという評価はされていません。

大学の先生でこの辺りの検証を行って頂く方がいらっしゃればと思います。

私は、どちらかと言うと「打たれる前に代える」という思想で意外に思い切り良く、投手交代する方です。決して完投を否定はしていません。

投手の経験はありますが、本業ではありませんので野手的な感性での判断なんでしょう。

投手出身の監督さんとは意見が合致しないこともしばしば。

結局、勝てばOKの勝負の世界、途中の過程の検証ってあまり行わないんですよね。

意外にも...

「なぜ完投した方が良いのか」という命題にお答えできる方、ご意見を伺いたく。

もう一度自分なりに考えてみようと思った広島対阪神の試合でした。