長崎県営ビックN球場で開催されていたJABA九州大会最終日の準決勝2試合と決勝の3試合を観戦。
本部席には、早稲田大学野球部の大先輩であり、野球殿堂入りも果たされた福嶋一雄理事長も。
野球の話をするとすっかりお爺ちゃんになられたお姿から一転、現役当時のようなコメントが次々と。
「小島君、俺もすっかり年取ってしまったよ」とおっしゃりながらもまだまだ若い者には負けないよと言わんばかりでした。
長く野球界に貢献されたことに対して敬意を表し、現役時代のお写真を掲載させて頂きます。
さて、本日の3試合、全試合とも見応えある試合内容で、HONDAが優勝を遂げました。
西郷、佐伯のベテラン、川戸、小手川、多幡らの全日本経験者、福島、石橋、吉越などの若手投手が頑張り、厳しい試合をものにしました。
本日の勉強になった場面のご紹介は、第一試合のNTT西日本対セガサミー。
結果はNTT西日本が延長で勝利したのですが...。
両投手陣の踏ん張りあり、同点で迎えた9回の表裏の攻防は見応えありましたね。
9回表のNTT西日本の攻撃、無死1塁から犠打で1死2塁。
すかざす、セガサミーベンチは、先発横田投手が左投げであることから「8番、9番の左打者で勝負」と7番右打者との勝負を避けて塁を詰める作戦で勝負へ。
このとき、塁を詰めたことで、「1番の勝負強い右の梅津選手まで回る展開になると大変だね」とネット裏でボソッと漏らしたところ的中。
8番打者は打ち取ったものの、9番打者に繋がれ、案の定2死満塁で梅津を迎える展開に。
2ストライクまで追い込んだ後、勝負球を右中間に運ばれ、2点を献上してしまった。
塁を詰めるとは歩かすということであるが、歩かすということは一つ打順が繰り上がるということになることを理解して作戦を取らなくてはと改めて思った場面であった。
セガサミーベンチの采配が間違っていたとは思わないが、野球はこういうこともあるということかな。
その裏、2点をリードしたNTT西日本は押さえにエース格の吉元投手を起用。
「あまりボールが走っていないな」と思ったらやはり2死1、3塁と一転同点のピンチを背負うことに。
ここでセガサミーベンチは長打力のある代打打者を起用。
長打を絶対に喰らっては行けない場面。
しかし、スライダーが高めに浮き、センターオーバーの同点2塁打を打たれてしまった。
「勝った」と気の緩みがバッテリーに出たと言わざろうえない。
捕手からの「ボール球で良いよ」という投手へのジェスチャーが無かった。
こういう場面は、はっきりと投手に意志を伝えてリードをすべき場面であったと思いますよ。
ま、NTT西日本は、既に京都大会で日本選手権の出場権を獲得しているので、勝ち負けに執着する必要がなかったということもあり、ベンチ含めて気が緩んだのでしょうね。
延長に入ってからは、自力を発揮したNTT西日本が勝ったので、勝利に対する執念は勝っていたのでしょうが...。
前号でも記載をしましたが、公式戦はこのような難しい場面を与えてくれる貴重な練習の場であることをもっと意識して欲しいし、練習の時に作ろうとしても作れる設定ではないと公式戦を大事に戦って欲しいと思います。
難しい場面をどう凌いでいくのかを反省、研究していくことこそがチーム力のアップにつながり、最終的に頂点に立つことに繋がると思います。
「何が苦しい展開になった原因か?」「どうやったから上手くいったのか?」
試合後の反省会では、今日の試合のポイントをしっかり見つめなおし、チームとしての判断が的確であったかを皆で共有することが重要です。
何れにしてもHONDAのチームの皆さん、大変おめでとうございました。