2014年6月26日木曜日

サッカーワールドカップで考えさせられる強化策

前号で国際選手強化について取り上げたところ、皆様関心があるようで沢山の方にご覧頂けたようで今日は少しその続編を。

本日、ザックが退任会見を行っていました。
負けたから責任を取るという潔さを感じましたが、一方で何が駄目だったのかという監督しての原因分析があまり無かったように感じました。
確かに短期的なゲームの責任はチームを預かる監督にあると思いますが、4年間の強化となるとサッカー界全体の話になるのかなと思いました。
まだ試合が終わって間もないということもあり、今から分析を行うという段階で直ぐに話が出来ないとも考えますが、強化本部長あたりからの話は聞いてみたいものです。
もしかしたら強化本部長あたりから報告あっているのでしょうが、ザック退任だけ取り上げられているのかもしれませんが・・・。

話は変わりますが野球において長期で強化を行った大会は、プロが参加し始めたシドニーオリンピック以前、つまりアトランタ大会、バルセロナ大会、ソウル大会、ロス大会とアマチュアが出場をしていた時代です。
4年間というスパンで同じように強化を図ってきました。
正式に言うと4年間というスパンで強化体制を作って、監督を固定して取り組んだのはバルセロナ大会、アトランタ大会、シドニー大会と記憶しています。
具体的な強化策は、年間数回にわたる代表合宿と国際マッチ、当然、海外に出向いての試合などが柱となります。
その中で、中核を担うであろうという選手を中心に激しい競争を行い、最終的にチームが作り上げられました。
当時20名の最終メンバーを選ぶまでは野球連盟も大変なご苦労があったと思います。

出場したバルセロナ大会しか理解していなという前提ですが、数多くの合宿によってチーム内の結束も固まり、更にお互いの思考を理解し、チームルールなどが自然と出来上がってきました。
また、数多くの国際マッチを経験することにより異国で野球をするということに対する免疫は完全に出来上がったと思っています。
選手同士で練習計画を立案し、更にプレーの意識合わせなどのディスカッションの機会を多く持ちました。
全員がそれぞれに与えられた課題をクリアするように、次回合宿までに少しでも改善できるように自チームに戻ってからも努力していたと思います。
それもこれも国を背負うという責任感の醸成がスタッフによって図られていたことに尽きると思います。

さて、今回のサッカーワールドカップ大会に話を戻しますが、強化という点で、私が凄く気になったのは、大久保選手を土壇場で選出したこと、更にスタメンで起用したことの2点です。
4年間強化を図って来て、最終メンバーを発表するという段階で今まで合宿やテストマッチにも呼ばれていない選手をいきなり選出したということは、現況、つまり同じポジションに不安、または不満があるということであり、今までプレーをしていた人間にとってはあまり面白くない話であることは間違いありません。
特に最後の点を取るという部分が弱い日本チームにとっては、4年間の最重要強化ポイントであったはずです。
だから柿谷選手や香川選手、大迫選手などを積極的に起用、育成していたはずではなかったのか、なぜこのタイミングで大久保選手かと疑問を抱いたのは私だけではないと思います。
大久保選手の能力は既に皆が承知していたはずですが、敢えて直前まで召集しなかったのは現有勢力でやっていけるという判断ではなかったのかと思います。
大久保選手が絶好調、しかもベテランであり、今までの流れも理解してやってくれるという結局は信頼感がそのような決断をしたと思います。
が、強化という視点でみると怪我で外れるような選手もいない状況では、判断したのがザックなのか、連盟なのかは良くわかりませんが敢えてチームバランスを崩すかもというリスクを冒してまで、そのような決断は普通しないと思います。
召集しているメンバーはプロフェッショナルであり、置かれた環境でプレーするということにいくら慣れていると言っても、阿吽の呼吸でプレーをするサッカーみたいな種目では微妙なにチームバランスにズレが起きることがあるのではと素人ながらに考えます。
サッカーを専門的にやったことがない人間の意見ですから、「素人が分かるわけない」とお叱りを受けそうですが私見ですのでお許しを。
特に大久保選手の活躍が悪かったとかいう類の考えではないので・・・。
しかし、この辺りの真意は是非聞いてみたいですね。

とサッカー界の批判をしているように聞こえるかもしれませんが、はっきり言って、サッカー界の強化は他の種目よりも進んでいると個人的には考えていますので・・・。

再び、野球界に戻りますが、オリンピック種目から外れている現在、中期スパンによる強化的な動きが無かった野球界。
参加した国際大会の殆どが大会前にぱっと寄せ集めて試合をしているという状況です。
その中でも世界ランキング2位という位置を保っているのはある意味凄いことです・・・。

今回「侍JAPANプロジェクト」が今後その重責を担うこととなりますが、野球界を一本化するのには時間を要するのかなと懸念しています。

それには、先ずは2017年のWBCに向けて、プロ側が模範となって強化に取組むことが一番の早道です。
侍JAPANとしての興行も重要ですが、国民は勝利を一番期待しています。
是非、小久保監督をしっかりバックアップしてWBCで勝つて頂きたい。

強化担当の鹿取さんの腕の見せどころです。鹿取さん、頑張れ!

2014年6月25日水曜日

サッカーワールドカップに見た国際選手強化

サッカーワールドカップ ブラジル大会 日本代表チームは大変残念な結果となりました。サッカー界と野球界、国内で切磋琢磨しながらスポーツ界を盛り上げている中、何とか世界でも通用するというところを見せて欲しかったというのが本音ですが、勝負ごとですから上手く行かないときもあります。

ただ、サッカーやラグビーなどに代表されるコンタクトスポーツではやはり体格的なハンディを感じずにはいられません。

真剣勝負になればなるほど、激しいコンタクト戦が繰り広げられ、最終的には身長差だとか体格差だとか、運動能力の差だとか悲しいコメントが解説の口からも出てきます。

テストマッチや非公式な練習試合などでは、それ程、激しいプレーをしない外国チームが一転、ワールドカップ大会だけは別物とからだを張ってのプレーが目を引きます。
正にワールドクラスのプレーですね。

日頃から勤勉な日本人は、練習試合でも本大会でもプレースタイルを変えることはしませんので、今大会のように最後のひと頑張りという時の余力が残っていないのかなとも考えてしまいます。

ラストスパートに弱い国とも言えるのではないでしょうか。
殆どのスポーツ種目で最後の最後で必ず負けるシーンを目にすることが多いですね。

そういった意味では、選考逃げ切り型の国民性なのでしょうね。
優位に立った状況では、「それ行け」となりますが、劣勢の状況では耐え切れなくなって結局自滅するパターンが多い。

昔から日本人がそうだったのかと言われるとそうではないのでしょうが、発展途上国に代表されるようにスポーツで生計を立てるしかないというように追い込まれた生活環境に育った人間と比較的安定した日本のような国で育った人間とでは、(私を含めて)「何が何でも」という最終的なメンタルの差が出てくるのでしょうか?

結局は、ハングリー精神の差と言われるのですよね。

一方、今後、敢えて生活環境を劣悪にし、選手を追い込み、東京オリンピックに望むなどという戦略は本末転倒ですから有り得ないことですので、日本のスポーツ界にとって「メンタルタフネス」は非常に難しいテーマになってきていると思います。
世界で戦うということは、諸外国とのスポーツ文化と戦うということであり、日本の常識はまず通用しません。
日本人が美徳としているフェアプレーの精神も不本意ながら通用しないこともしばしばです。
ルールぎりぎりのラフプレーなどは日常茶飯事であり、日本が世界に「ラフプレーをやめよう」と働きかけても中々目を向けてくれないという現状もあります。
だから目には目をというような行為をしていいというものではないですが、世界で戦うためには其れぐらいの心構えで望むことも必要となってくるのでしょうか?

これが日本スポーツ界で活躍する選手が世界大会で戦うジレンマとなっているのかもしれませんね。

競争社会の中で「一番になりたい」という気持ちが芽生え、「絶対に勝つんだ」という向上心が宿ります。
決して学校教育を批判している分けではありませんが、今の学校教育の機会均等という流れでは、このハングリー精神は育ちにくいということは間違いないと思います。

では、スポーツ界はどのような対応をすれば良いか問われると自立した選手を早く作りあげ、国際経験を積ませるしかないのではと・・・。

自立した選手とは指導者や保護者の言いなりではなく、自分で判断し、行動をしていくような人間を作りあげること。
これに国際経験を早い段階から行い、国際大会では「それが当たり前」ともの応じしないような状況を作りあげること。

それには、当然ながらお金が必要となりますので、スポンサー企業から育成資金を調達する。また早い段階でスポーツ事業に興味のある会社とジュニア選手とマネージメント契約を締結するなどのような仕組みを作り上げることが重要でしょう。

とは言え、日本のジュニア期ではスポーツは学校教育一環、人間形成を目的として推奨されているため、このようなイレギュラーな考えは到底受け入れられないのですが・・・。

このように国際強化においては、今の日本におけるスポーツ文化と逆行することが沢山あります。
強化する側も「良く頑張ったね」と言える程度で良しとするのではなく、本当に勝つためにはと真剣に考える時期が来ているのではないでしょうか?

ワールドカップ大会を見て改めてスポーツの素晴らしさを痛感しています。

スポーツは国民に勇気を与えます。

東京オリンピックで日の丸が多く掲揚され、この国に生まれて良かったと誇りに思えるような強化を図って行って欲しいものです。

2014年6月18日水曜日

サッカーワールドカップで監督を考える

サッカーワールドカップ大会で盛り上がる日本列島ですが、野球界はひっそりとスケジュールを消化しています。

ワールドカップが終了すると都市対抗、甲子園、そしてプロ野球の優勝争いと野球が鼻息荒くなってくることは間違いありません。

また、今年は小久保侍JAPANがアメリカを招いて日米野球に望むことが決定しており、オフシーズンの話題になることは間違いありません。
「またコーチで入るんですか?」と多くの方に聞かれますが、今回の日米野球はプロ選手のみということで、私のコーチとしての帯同は今回は無いかと...。

ま、それよりも今年はアジア競技大会での「金メダル獲得」という監督としての最大の責務がありますので、そちらにまずは集中したいと思います。

以前小久保JAPANの台湾遠征に帯同した時に「アマ代表」とのスタッフの数の違いに驚かされたとブログにも感想を書きましたが、アマ代表の監督の仕事は多岐に渡ります。

選手選考、視察に始まり、相手国の情報収集、分析、当然ながら戦略、方針立案、更に現地連盟との調整、場合によってはチームマネージャーとしての行動など。

加えて通常の仕事を抱えておりますので、野球だけに集中できないという制約がかかります。

と泣き事を言っているわけではなく、確かに大変ですが、それはそれで結構自分の為になっているなと思っています。

野球の事ばかり考えていても中々発想に行き詰まることもあり、仕事をしている時に色々なヒントを貰えたりして。

私の今の仕事は、三菱重工から長崎県産業労働部に出向し「長崎県に新エネルギーを導入して産業の育成、雇用の創出を目指す」というミッション。
そういったことで、大手商社さんやその世界の著名な大学教授、国の各省庁関係者の方、更に電力会社の方など幅広い分野の方とお会いすることがあります。

殆どの方が侍JAPANのコーチ、アマ代表の監督ということは知りませんから、その情報を人を介して聞いたりし、次回お会いした時には「びっくりしました!」なんて良く言われます。
そりゃそうですよね、世間一般論から言えば侍JAPANのコーチが野球以外の仕事をしているなんて想像もつかないですからね。

通常の仕事もできる(出来ているかどうかは人が評価するのですが)日本代表監督なんていうのも中々よろしいのでは。

一方、アマ代表の監督としては。
何から何までやる必要があるので、時間を作るのには苦労をしますが、その分、相手国の特徴や戦力の分析については頭に入っていきますね。

WBCなどでも良く目にする光景ですが、監督が通訳付きでホームプレート上で相手国とメンバー交換するシーンやプレーに対する抗議を目にしますが、私は自分一人で行く事にしています。
JOC海外在外研修でアメリカに1年行かせて貰ったこともあり、大方の作法は分かっているつもりですし、更に三菱重工の営業として外国の方とやり取りなどをした経験も少し自信になっているからか。

特に英語が堪能という訳ではないですが、国際大会の監督を受ける以上は最低でも通訳なしで台頭に渡り会う必要があると思っているからです。
時々、通じていないなと思うことがありますが。

と、私は監督は野球を熟知しているということは一番重要なことですが、判断や決断をするにおいては色々な経験をしていた方が柔軟に対処できると考えています。

「仕事と野球、大変ですね」と多くの方に労いの言葉を頂きますが、若い頃から高校も進学校で「文武両道」でそれなりに大変でしたし、そのお陰で創意工夫する癖はついているような気がします。

自分が素晴らしい監督だと自負しているのではありません。

色々な経験をして、名実ともに「野球バカ」になれば良いと思っています。

ワールドカップ大会をテレビで見ていると何故か私は元日本代表監督の「オシム」の顔が浮かんできます。
オシムの一言一言には、重みがあり、且つ教養を感じ取れました。
彼の書籍は結構購入しました。
日本代表の監督してどうだったかはサッカー関係者ではないので良くわかりませんが、指導者として非常に尊敬しています。

そうそう、現監督のザッケローニもプロのプレー経験がないと先日知りました。
ジュニアのクラブから代表監督まで上り詰めたらしいですね。

結局、指導者はプレーが上手かったから指導も上手いかは分からないということでしょうね。

日々研究の毎日。肝に命じて、任務を全うします。




2014年6月13日金曜日

アジア大会の展望〜アマ代表選考過程

9月に開催される韓国アジア大会の会場の紹介をしてきましたが、実は未だに野球競技に関しては、参加国が確定していません。

基本的に、10カ国と言われていますが、どうなることでしょう。

少なくともアジアの4強と言われる韓国、台湾、中国そして日本とその他という構図が変わることはありませんが・・・。

今のところ10カ国を2グループに分け、予選リーグ戦を行い、その後、各グループの上位2チーム同士による決勝トーナメントを行うという形式をとるようです。

決勝トーナメントは基本的に4強の争いになることは間違いないかと思いますが、メダルがかかる準決勝の組み合わせは予選のグループ振り分けにかかることになります。

A,Bの2グループに分かれるとすれば、準決勝でA組1位 対 B組2位、B組1位対A組2位 という対戦カードになります。

通常、予選グループ分けについては、IBAF(国際野球連盟)が示す国際ランキングの上位チームから振り分けを通常行います。

国際ランキングについては、以下のアドレスに詳細に記載されていますので参照下さい。
http://www.ibaf.org/en/infopage-detail.aspx?id=149f4e9a-9427-4a7b-b8df-18ab77845d33

現時点(2014.4現在)のランキングを考えると
A組 日本(世界ランク2位)、韓国(世界ランク8位)、
B組 台湾(世界ランク4位)、中国(世界ランク20位)
というのが順当な考え方でしょう。

このようにグループを想定するとB組の1位が台湾になる可能性が強いことから準決勝でB組2位の中国と戦いたいというのがA組に入ると想定される日本と韓国の心情。
となるとグループ1位通過を賭けての予選における韓国戦はメダル争いの最重要試合という位置づけとなります。

普通このように予想をするのですが、世界ランクでは格下の中国が台湾だけには強いんですよね。

今回の大会形式とは違いますが、予選総当りで戦った昨年の東アジア大会の予選の最終戦で中国と台湾が対戦。
台湾が勝てば、予選1位通過、中国が4位確定、その時点で日本が2位、韓国3位という順位に。

順当であれば準決勝で台湾対中国、日本対韓国という組合せになるところ、何とタイブレークの末、中国が台湾に勝ってしまった。
それにより予選順位がガラリと替わり1位 日本、2位 韓国、3位 中国、4位 台湾となってしまい。
結局、翌日の決勝トーナメント準決勝では、お互いに想定外の日本と台湾の対戦となってしまった。
この試合でも日本に負けた台湾は、本来であれば2位以上が固い組合せであるにも関わらず、3位という結果になってしまった。

中々順当に行かないというのが世界大会であるということを知って貰えればと思います。

とは言え、一番プレッシャーがかかる試合はメダルが確定する準決勝の試合であり、準決勝でどこの国と対戦するかを想定するかは、戦略を立てる場合に重要な試合となります。
特に投手の起用については・・・。

大会要綱も来ていない中、長々と試合の展望めいたことを記載してしまいました。


一昨日、この大会に出場する社会人選手を競技力向上委員会にて約30名程度に絞りこみました。
この後、メディカルチェックを経て、7月中旬には最終的に24名代表選手を選出します。

その後、8月1日~5日にて山形鶴岡で一次合宿を行い、9月の大会を迎えるということになります。

直向なアマ代表も今後ともよろしくお願い致します。

2014年6月9日月曜日

仁川アジア大会会場視察2〜韓国プロ野球

前号で韓国視察の初日の話をしましたが、今日は二日目、アジア大会のサブ球場となっているネクセンヒーローズが本拠地とする木洞(モクトン)球場での視察の報告を致します。

その前に今回の視察ですがドーサン・ベアーズの香田コーチ(元読売ジャイアンツ)、試合チケットなどの手配を頂きました。
香田コーチは元読売ということは皆が知っていることですが、私の2学年下で同じ長崎の出身です。佐世保工業時代には甲子園出場を経験されています。
私は対戦経験はないのですが、海星の酒井、佐世保工業の香田、清峰の今村、長崎日大の大瀬良と長崎の高校野球界では今でも記憶に残る選手として長崎県人が憧れる存在であることは間違いありません。
その香田コーチとの会話の中で、「プロでも結局、練習した奴が最後まで生き残るんですよね」という印象深い言葉が忘れられません。
一時の成果は、長い期間でみれば成功ではないということでしょうか。
プロ野球で長く野球を続けるためには、結局は練習しかないということなのでしょう。
今後の指導の糧にしていきたいと思います。

元に戻って、二日目の視察の報告ですが、木洞球場は、全面人工芝でフィールドはかなり狭いです。外野の観客席もなく、外野の膨らみが少ない、良く本塁打がでる球場のように感じました。
実際にこの試合乱打戦となりましたが、ネクセンヒーローズの3番打者から5番打者が何れも本塁打を放ち、特に4番打者は、2打席連続でほぼ完璧な本塁打でした。
一本は、120mのはるか上に設置されている電光掲示板の最上段にぶち当てたものでした。
香田コーチも話をしていましたが、日本のプロ野球と比較しても韓国は良く本塁打が出るような錯覚を受けるといっています。「打球の勢いが違う」という言い方をされていました。
韓国の打者は、パワフルな打者が多く、特に中軸打者は体格的にもボディービィルダーのような逞しさがあります。
一部の打者のパワーが並外れている?ソフトバンクのイ・デホが象徴ですかね。
では、攻略のポイントは?
今は明かせませんが少しイメージできましたので、チーム編成をしっかりと組みたいと思います。

一方、韓国投手ですが、術というよりも、打者と同じようにパワフルな投手が多いですね。スピードガン表示が殆ど140km中盤という内容。
緩急というよりも速球系のチェンジアップ、カットボール、スライダーというのが主体かと思います。
台湾の柔らかい投法とは違い、パワー投法とでもいうかボールの勢いがあります。
速いボールに対応する練習が必要となってくるでしょう。

と収穫の多かった二日の視察でしたが、やはり生で観るのと映像とでは臨場感が違うということを改めて思いました。

都市対抗予選が終われば、いよいよ24名を決める作業に移ります。

この韓国の地で日の丸を掲げられるようにしっかりとしたチーム作りを行います。


2014年6月6日金曜日

仁川アジア大会会場視察〜韓国プロ野球

本日よりアジア大会が行われる韓国仁川のスタジアムを確認に来ております。

某出版社様の取材企画も兼ねておりますが…。

さて、本日、視察した球場は、SKワインバーズが本拠地とするムナク球場、内野が天然芝できれいな球場です。
観客席が外野まで3階構成ですり鉢球場ですね。


メジャー球場のように外野の3階席の一部が芝生席となっており、バーベキューも可能。
と家族向けの場所も確保されております。

今日、視察した試合は、ワインバーズ対ベアーズの試合。
ベアーズには元読売ジャイアンツで投手として活躍された同郷の香田コーチが所属されています。
試合前練習中にお話 (高校以来かな)する機会を得ましたが、韓国プロ野球の印象とか選手の気質など大変興味深い話を聞けました。

今日の試合の感想ですが、スターティングメンバーの中でも力の差があるなというのが一番かな。
簡単に言うと層が薄い。
WBCの韓国チームの力は皆さんご存知のとおりですが、韓国プロ野球においては代表チームのような選手ばかりかというとそれほどではなく、チームに凄いなというレベルの選手は其れ程多く存在しないのかなという印象です。
とは言え、プロ選手ですからレベルが低いわけではありませんから誤解なきよう。
また、アジア大会に出場する韓国代表は、シーズンを止めてWBCクラス、所謂凄いなと言われる選手が参加すると言われています。おそらく間違いありません。

何度も韓国代表チームと対戦していますが、相変わらず荒いという感想に変わりはありませんが、ただ今日の試合で、韓国のスーパースターであるキム・ガンヒョンが投げていたこともあってか、ワインバーズの監督が3回裏0対0無死2塁のケースで3番打者に送りバントのサインを出しました。

先取点を取りたかったというのは分かりますが、プロの世界でこの采配は大変珍しく、韓国でもこういう野球をするんだと驚きを覚えました。
また送りバントのサインがこの試合でも結構出てましたし。

韓国もスモールベースボールなるようなもの流行っているのかな!
良くわかりませんが…。
頭には入れて置かなければなりませんね。

その他の特徴として代表チームを筆頭に韓国では、1番打者が特に足の速い選手、しかも左打者というのが多いですね。打力は落ちても出塁を重んじ、更に足でかき回すという戦術が定番のような気がします。
韓国でジャイアンツの坂本みたいな豪快は1番打者は少ないと思います。

韓国野球の特徴は、大方頭に入っているのですが、やはり直に観てみると先入観で判断しては行けないなと改めて感じました。

都市対抗予選の結果が気になる中、来てよかったな。

それから今日は自分が観たことがないようなバントシフトをベアーズが取りました。
今後の日本代表の参考となるプレーでしたので、輸入したいと思います。

それにしてもキム・ガンヒョン、相変わらずいい投手でした。
左投げで150km超え。
アジア大会で対戦できたら嬉しいな。

明日も何か気づき事項あれば引き続き報告致します。






2014年6月2日月曜日

都市対抗予選視察〜東海地区

5月31日(土)、6月1日(日)の二日間、東海地区の都市対抗予選を視察に行って参りました。
先ずは、フルアテンドを頂きました東海地区連盟に対して御礼申し上げます

さて、久々に岡崎球場に足を運びましたが、自然に囲まれたいい球場ですね。

現役時代に何度か実際に試合をしたこともあり、広いという感覚がありましたが、意外にも本塁打が出るんですよ。

「飛ぶボール使っているんでは?」なんて疑念を持つぐらい。

東海地区委員の方も年々本塁打の数が増加してきていると話をしておられました。

東海地区は打力が少し弱いかなという印象でしたが、視察した試合だけでしたが打者が頑張っていましたね。

以前このこの地区の予選は大変だとブログでもご紹介しましたが、打者の成長は、この大変な予選の成果かもしれません。

今回の視察、JABA競技力委員からの報告を元に視察を行いましたが、今後が楽しみという選手を何人も見つけました。

東海第一代表を決めた西濃運輸の若手投手、決勝を争った東海REXの投手、それから永和商事ウィングの打者とか。

145km以上のスピードガン表示を
投げる手元のリストに載っていない選手が複数いました。

「今年は昨年と比べて社会人にはいないですね」とプロスカウトから良く言われますが、いやいやどうして結構出てきていますよ。


と言いながらも、最近の社会人野球では、製造業チームでも高校生を採用することが少なくなったことや、大学への進学率が高くなったこともあり、高校生を採用して長いスパンで育成するケースが昔よりも少なくなってきています。

高校生の原石が、大学またはプロへ流出し、高校生のスーパースターが社会人野球で活躍するということが少なくなっています。
昔で言えば、野茂(新日鉄-近鉄-ドジャース)、塩崎(松下電器-西武ライオンズ)、渡辺(NTT四国-西武ライオンズ)などのような選手ですかね。

加えて、体が大きくて能力の高い選手は大学から社会人を回避してプロ野球へ進むケースが多くなっており、身体能力の高い大型選手が社会人、特に野手に少なくなっています。

投手については、逆に昨今の科学的な体力トレーニングにより早熟化され、大学生投手も社会人投手のスピードレンジとあまり変わらなくなっており、大学時代に主戦投手ではなかった選手においても社会人で十分通用するという現況のようです。

各企業の事情もありますが、1人ぐらいは高校から直に採用し、大型選手として育成していくようなシステムがあっても良いのかななんて思っています。

社会人野球事態が厳しい状況下にあり、負けたら廃部の危機に直面しているチームも多くあり、育成する時間などないという事情も良くわかりますので何とも難しい問題ですが。

野球の面白みは、決して大型化だけではありませんが、スケールの大きな、豪快な選手は観ているファンからすると楽しみがあります。

話が脱線しましたが、東海地区、正直、関東地区に比べて少し劣るかなという印象でしたが、今年は少し違うなという印象を持ちました。

第1代表を争った西濃運輸、東海REXが牽引していることは間違いありません。

東海地区の都市対抗本大会での活躍が非常に楽しみです。

第1代表を決められました西濃運輸チーム様に敬意を表し、今日はこのあたりで。