2014年10月15日水曜日

仁川アジア大会総括 その2

今回は仁川アジア大会の総括 その2と題して、戦術の反省と相手国の分析を行ってみたいと思います。

大会の戦略は、予選グループを先ずは 1位で通過すること。
特に予選の最大の敵であり、且つ、最悪のシナリオとなった場合に3位決定戦で対戦する可能性が高い中国を圧倒的な力で勝つということをテーマとしました。
その中国が予選のスタートでしたが、思惑どおり、7回コールドで退けました。

前半の入りは非常に固さがありましたが、予想以上に打線が爆発してくれて非常に楽な展開に持ち込むことができました。
この時点で予選の1位通過はほぼ確定という状況となり、以降のパキスタン、モンゴル戦は準決勝を睨んだ選手起用を行って行きました。

パキスタン、モンゴルとも年々、野球になってきていますが、実力的にはアジアの4強を崩すという力はなく、そういった意味では対戦する方も難しいものです

このように予選を戦いながら、一方では韓国、台湾が入るグループ、特に韓国、台湾戦の試合結果を見ながら準決勝に誰を先発させるのかを考えて行くこととしました。

プロ野球のペナントレースのようにローテーションを組んで投手を起用していくという方法もあるのですが、試合数が大会期間のわりには少ないこと、更に社会人選手はそのような起用にあまり慣れていないことなどから、相手打線と調子の良し悪しを判断基準として準決勝前々日に先発投手を決めました。当然、韓国と台湾の打線を睨みながら。

予選における韓国対台湾のゲームは、地元韓国プロ野球のドリームチームの迫力ある打線が初回から爆発、本塁打のオンパレードと2回で試合が決まってしまいました。
台湾の打線も韓国のヤン・ヒョンジュンの前に押さえこまれ、投手力を含めた力の差を見せつけました。

但し、その試合で後半登板し好投したDENAベースターズの陳投手や押さえで登板した158kmを出したマイナーリーガー投手の投球は間近で見ていた私たちに台湾は手ごわいという脅威を与えるに十分な投球を見せました。

いずれにしても準決勝が山であり、おそらく台湾とやることになるということは、選手を含め大会前から十分に認識していましたので、気持ちの揺るぎはありませんでしたが・・・。

準決勝、台湾戦は、台湾打線が左打者が多いこと、更に決勝で強敵韓国を破るためにはという視点で投手の起用をスタッフで協議し、社会人1年目の左の横田に託しました。

1回の表、いきなり先頭打者を死球で出し、不安定な立ち上がりを見せましたが、後続をダブルプレーに切って取り、何とか0点に押さえて戻ってきました。

本来の出来からはコントロール、キレとも今一つ遠い感もであったのですが、彼の持ち味でもある粘りの投球で何とか3回ぐらいまでは持ち応えてくれると期待をしました。

その裏、想定をしていた台湾の19歳のマイナーリーガー投手の立ち上がりを攻め、1死満塁としました。
が、6番藤島の押し出し四球だけの1点に留まり、先制パンチとまでは行きませんでした。

続く2回の表の守りで、横田が掴まり、更に中継ぎのエースの幸松も打ち込まれ、一挙8点を献上するという大誤算の展開に。
打線は、その裏、2点を返し、3対8と追い上げムードを掴み掛けましたが、3回表に更に3点を献上し、3対10と前半で大きく水を空けられました。
その後は、阪神タイガースに在籍した経験を持つ、チェンに打線が押さえ込まれ、回を重ねていく展開となりました。

投手陣はその後、今村、佐竹、関谷が踏ん張り、追加点は許しませんでしたが、前半の点差が大きく圧し掛かかり、結果的に序盤のスコアを動かすことができず、敗退しました。

ベンチワークとしては最善手として考えた投手起用で勝負したので仕方ないという諦めはありますが、1回の横田の調子で2回表から幸松に代えることも頭をよぎったので、その点だけが結果論ですが少し引っかかってます。

何れにしても敗戦は監督の責任ですから選手は攻められません。

但し、冷静に力を台湾と比較すると今まで過去対戦した台湾の投手層からすると群を抜いていたため、競った試合となっても投手力の差で最後は力負けしたのかなという感じもしています。

それにしても韓国は、やはり凄かった。
決勝で台湾が意地を見せていましたが、やはり投手力、打撃力、走力のどれをとっても頭一つ出た戦力であったことに違いありません。

特に印象的だったのが、100キロを超える巨漢選手のスピードがあること。
流石、選りすぐられたプロ選手だなと改めて痛感した次第です。


準決勝で敗退した後のチームの落胆は想像以上に重く、三位決定戦に臨むに当たってはかなりタフな状況となります。

最低限メダルを死守しようと再度、中国に挑みました。
重苦しい雰囲気、接戦の緊張感の中、試合が進みましたが、頼りの主将の多幡が口火を切り、チームに自信を復活させ、打線が爆発しました。

先発 関谷も大役を果たし、最後は投手リーダーの佐竹が締め、見事銅メダルを獲得しました。

目標の金メダルとは行きませんでしたが、選手は立派でした。
素晴らしいチームになりました。
改めて感謝しています。

今後の強化については、暫く時間をかけて考えて行く必要があります。

また思いついた時点でアジア大会の記事を書いて行きます。

長文となりましたので、今回はこの辺りで。










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