都市対抗予選の出来事Part3。今日は、守りについて記載します。
両チーム、エースを立てるという大事な試合。両投手とも素晴らしい立ち上がりを見せ、投手戦の様相。3回表、無死で四球を出したランナーをバントで送る作戦をとった。捕球した捕手がランナーと交錯する角度からの送球となり、暴投で無死2,3塁の大ピンチを招いてしまった。ここで守備側は、1点もやらないバックホーム体制の守備陣系を引いた。迎えるバッターは、2番打者の左、投げる投手は、最近台頭してきた若手の投手。1点もやれないというベンチの期待に力が入ってしまい、粘られたあげく、四球を与え、無死満塁とピンチを広げてしまう展開に・・。
満塁となった為、前半でもあるし、二遊間はダブルプレーを狙うシフトを引くかと予想したが、またもや先取点をやりたくないという想いからか引続きバックホーム体制の陣形をとった。迎える打者は、好打を誇るポイントゲッターの3番打者、ツーストライクまで追い込んだがセンター前に運ばれ、先ずは、先取点。1点後の無死満塁も、更にバックホーム体制を引き続け、今度は4番打者に投手横をゴロでセンター前に抜かれ、2点を追加され、結果的にビックイニングとなり、試合の主導権を握られてしまった。
ここでのポイントは、3つ。
一つ目は、2番打者を迎えた無死2,3塁の場面で、前進守備を引いたこと。左打者でもあるし、レフト方向に打たせる投球をし、且つ通常シフト、すなわち無死2塁の気持ちで守っていれば、1点は取られるが、1死2塁で3番打者を迎えられたはず。そうなれば、3番打者にも真っ向勝負ではなく、ボール球を投げられる余裕ある勝負を迎えられたと思う。
二つ目は、無死満塁で3番打者を迎えた場面で、引続きバックホームを選択したこと。2番打者を迎えたケースでは、2番打者の打力を勘案して、内野ゴロを打たせることが出来るというベンチ采配の意図があったと思うが、3番打者の打球速度を見ている限り、ゴロでも前進している内野の間を抜けて行くように観れた。
セオリーでは、3回の早いイニングで、1点を死守するのではなく、「1点は仕方ない」、「ビックイニングを作らない」という考え方であろう。
結果的にセンター前安打になったかもしれないが、「1点もやれない」と「1点は仕方ない」では、投手への精神的な負担、つまり次打者に向かう気持ちは、全く違うものである。
三つ目は、おそらく内野手に一人ぐらい、セオリーに反する守備体系を引いたことに疑問を抱えて守っていた選手がいたはずである。その選手が納得行かないまま、守っていたことに問題があると思う。逆に一人も疑問を抱えてなかったとしたら、それはそれで大変な問題である。
この守備体系を引くときにマウンドに集まって、確認をするようなことがなかった。もし、迷って守っていたなら、良い結果は生まれないものである。本来であれば、ベンチからコーチがマウンドへ行き、「ここはセオリーに反して、1点もやらない守備体系を取る。」としっかり伝えるべきである。とは言え、この場面は、1点に拘る場面ではないというのが正解であり、前進守備体系でなく、ダブルプレーを狙わないと行けないと言い切れる。
守備を行う場合、ベンチの指示、捕手の指示に納得して、皆がその意図をわかって守備することが非常に重要であり、日常からこの類の議論を行い、コミュニケーションを図っておくことが大切となる。
セオリーは、確率が高いからセオリーであり、セオリーを無視することは、リスクを背負うことであることを指導者は、心得ていなければならない。
昔昔、プレーヤーだった頃、初回に無死満塁のチャンスに打席を迎え、敬遠された。次打者がダブルプレーを取られ、一点しか入らず、結果的に負けてしまったことを思い出した。その時の監督が、今競技力向上委員の中にいらっしゃる。破天荒な人ですが・・・。
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