2013年7月18日木曜日

第84回都市対抗野球~その1

第84回都市対抗大会が東京ドームで開催されております。
今日から2回戦が始まりますが、下馬評の高かったホンダ、NTT東日本、日本生命、JR九州が1回戦敗退と混沌とした大会となっています。
その中でも、都市対抗の常連である神奈川代表の3チームがしっかり勝ちあがってきていることは流石という感じです。

また、ここ数年の社会人野球の戦績は、エネオスとJR東日本の2強というイメージが強いのですが、1回戦をみる限り、この2チームは安定感があり、仕上がりも順調に見え、今大会も上位に上がってくることは間違いないと感じています。

話は変わりますが、都市対抗は補強選手制度があり、同一予選地区から3名までの他チーム選手を補強して試合に出場させることができる制度があります。

この制度は、それまで8球団で行われていたプロ野球が2リーグ制になったことにより、チーム数が15球団に膨れ上がったことに伴い、それに見合う選手が不足し、多数の社会人野球選手が引き抜かれていったことによる都市対抗大会のレベル低下を防ぐために、都市の代表は地区の代表でもあると考え、敗退したチームから選手を期間限定で借り受ける制度を1950年に創設されました。
1950年から2009年までは最大5名、2010年からは最大3名の選手をレンタルできる制度となっています。

実は、この補強制度が1回戦の戦いを非常に難しくさせていると考えています。
補強が加わることによって、戦力的には、弱点を補強するわけで必ずアップすることは間違いありません。
しかし、一方では、「弱点を補強しているわけだから、スタメンで起用する必要がある」、投手においては、「折角来てもらっているのだから、必ず登板させなければ」などと、試合に勝つことだけに集中している予選の戦い方と違う采配を行っていると感じることがあります。
このような別物の采配が結果的に力の発揮具合を左右し、勝敗にも影響を及ぼすケースを見てきました。
更に、補強が加わることは、予選まで自チームレギュラーとしてスタメン起用されていた選手が補強にとって代わられるということが起きるということになります。
したがって、予選とは違うチームになってしまっているということを指揮官は認識する必要があります。
予選から本大会までに補強選手を加えて練習する期間は十分ありますが、中々、戦略、戦術を変更するというところまで考えが及ばないというのが殆どでしょう。

よって、1回戦は非常に難しい!

補強選手は責任感から特に緊張するのが一般的です。
よって、補強選手が上手くはまらないことが度々起こり、厳しい戦いになってしまいます。

「補強選手だから」とつい指揮官が気を使った采配などするとしっぺ返しが待っていたなんてことも多くみています。
「打てないと思ったら、補強選手でも代打を送る。」「打たれると思ったら、非情に交代をさせる」、また試合の流れによって、「補強選手を使わずじまい」という勝負に徹した采配が1回戦を勝ち抜くには必要となってきます。

そういった意味では、今日から始まる2回戦からは、そのような補強選手の呪縛から逃れ、選手も1戦を終え、リラックスしたプレーが行えますので、本当の意味での実力が発揮されることになるのでしょう。

過去の神奈川代表チームにおいては、補強選手でもスタメンではないという厳しい采配を多くみてきました。全国で優勝するためにということを一番に考えているという現われなのだと思います。何となく、神奈川地区が都市対抗で勝つ理由が分かる気がします。

しかし、結局、補強選手が活躍しないチームは優勝していないのですがね。

今年の神奈川3代表は、今年すべて自前の選手、補強選手なしで戦っています。
今までと様相が違う挑戦をしていますので、今後の戦いぶり注目です。

残りのゲームも素晴らしい戦いを行い、観ている方に感動を提供して欲しいと思います。



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