第84回都市対抗JX-ENEOSの連覇で幕を閉じました。
JR東日本にとっては、3度目の正直と意気込んだ戦いでしたが、またしても1歩届かず。
この両チームの力の差は全くないと客観的に見てもそう思います。
勝敗を分けたのは、運なのかもしれません。
両監督とも良く知っているため、JE-ENEOSには「おめでとう」、JR東日本には「いい戦いでした」と言いたいですね。
今大会は、関東地区対それ以外という構図との戦前予想でしたが、1回戦をみる限り、いい意味で予想が外れ、関東以外の地区が善戦、金星も多数あり、非常に面白い大会となりました。
下馬評の高かったNTT東日本、HONDA、JR九州の初戦敗退は期待をされていたファンはがっかりだったでしょう。
特にHONDA西郷選手のホームラン記録が話題を呼んでいたので、もう少しチャンスを与えたかったという想いも多くの方は持たれているのではないでしょうか。「来年も頑張れ、西郷!」
最終的にベスト4に残ったチームは、関東地区チームとなり、結果で判断すれば東高西低となりました。
ENEOSとJR東日本の間で3大会連続決勝戦が行われましたが、他のチームと力の差があるのかというと紙一重であることは間違いありません。
では、何が違うのかを考えてみると都市対抗の決勝戦に合わせた育成及び練習計画の策定にあるのかと考えます。
簡単に言うとこの2チームが、決勝戦の日から逆算した計画づくりを行い、それを実践しているのに対して、それ以外チームは場当たり的とは言いませんが、年間を通じた方針に沿った運営ができていないのではなかったのではと考えます。
加えて、チームを抱える会社の力の入れ具合の度合いも大きく影響しているかと思います。
両チームとも練習を行う環境、選手が生活を行う環境は社会人トップクラスであることは間違いありません。
それにも増して、選手以外のサポートをする体制の素晴らしさは、これぞ組織という模範であると思います。
「野球部を抱える=日本一」という社方針が正に徹底されている証しではないでしょうか。裏を返せば、「都市対抗で優勝できない=監督の責任」ということであり、中途敗退のチームが「惜しかったな」と声をかけてもらえるような甘さはないということになります。
当然、この2チーム以外にもこのような厳しい方針を掲げ取組んでいるチームも多くあります。
さて、環境面の話から運営に話を戻しますが、今回優勝したENEOSには二人のキーマンが居たと思います。
一人は、若獅子賞を受賞した新人の石川選手、もう一人は負傷の山岡正捕手の穴を埋めた日高捕手。
石川選手については、採用と育成の成功例であり、期待以上の力を発揮させた指導力の賜物であったと思います。
準決勝、決勝における1番機用の期待応えた石川選手の活躍は、正に優勝に直結したことは間違いありません。
日高捕手においては、これまでENEOSの守護神として君臨していた正捕手の山岡捕手の春先からの故障もあり、当然ながらその代役として起用されたのでしょうが、捕手というポジション特性からも簡単に取って代わるようなことはありえません。
都市対抗におけるリードを見る限り、数年正捕手としてマスクをかぶっているような様でした。日頃から第2捕手としての育成を行っていた証しであり、且つ、リスク管理の象徴といえるでしょう。
これ以外にも大黒柱の大城投手、三上投手、中軸の井領選手、山田選手、池辺選手の働きも大きな貢献であることは間違いありません。が、ある意味監督が計算した働きと言えるでしょう。
冒頭で運が左右したのかなと書きましたが、勝ち上がっていくには想定外の力を発揮する選手が必要になってきます。よく言われるラッキーボーイと言われる選手ですかね。
ENEOSには、石川、日高の二人もその選手が出てきたというのが今大会の勝利を勝ち得た大きな要因ではないでしょうか。
ラッキーボーイは、ある意味ではまだまだ実力ではないという評価でもありますので、今後二人の選手には益々精進してもらい、監督が計算できる真の実力を見につけて欲しいと期待します。
最後にJR東日本の齋藤主将ですが、準決勝で勝利を決定づける2点タイムリーを代打で登場し、放ちました。膝の靭帯損傷という野球選手にとって致命的な怪我からの復活劇で苦しんでいた時期を知っているだけに「良かったな」と心から言ってあげたいです。
残念ながら黒獅子旗を手にすることはできなかったですが、斉藤主将の求心力がJR東日本の原動力となっていることは間違いありませんから、それを信じて次大会での優勝を目指して欲しいと思います。
いよいよ都市対抗も終り、東アジア競技大会に向けた今年のJAPANの活動が開始されます。
7月31日から8月4日まで、一次合宿を行ないます。
詳細については、JABAホームページで後日発表されると思いますのでご覧下さい。
JAPANメンバーには、都市対抗で活躍した選手、活躍できなかった選手はいますが、代表に選ばれたことを誇りに思い、代表から洩れた選手の分まで頑張って欲しいです。
さ、気合入れて行こう。
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