前号の体力テストの結果が低下しているという内容説明が文部科学省の「平成24年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について」に記載をされていました。
昭和61年の成績を絶頂期としてという比較がありましたのでご紹介をしておきます。
(以下URLをご参照)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa04/tairyoku/kekka/k_detail/1340101.htm
さてさて、ソチは盛り上がってきました。
羽生選手がショートの歴代1位の高得点で暫定1位に。
本人コメントは、「足が震えて、これがオリンピックなのだと思いまた。」と極めて素直な感想。
このコメントを聞いて私が出場したバルセロナオリンピック当時のことを思い出しました。
当時のオリンピックは登録選手が20名であったため、スタメンでない私はブルペンで控え投手の投球練習の球を受けていました。
相手はスペインでしたが、ベンチから「代打だぞ」と急遽呼ばれ、慌てて捕手の防具を外し、ネクストバッターズサークルへと。
慌しい中でしたので、初打席に向かう心の準備は全くできない状態でしたが、いざ打席へ歩いていく数秒間でいきなり足が震えてきました。
今でも覚えていますが、ゾクゾクとする感覚です。
当時27歳の私は野球界ではベテランの部類で緊張という世界から少しかけ離れていましたが、久々の心理状態となり自分自身驚きを感じました。
打席ではというと、心の整理がつかないままに初球を思い切りバットを振ったらたまたまレフト前安打という結果となりました。
試合後、なぜあのように足が震えたのかと改めて考えましたが、やはり国を背負っての戦いという意識が強く、日の丸の重圧を自らがかけていたと考えていました。
ベテランになると大方、「今やれることに全力を尽くす」ということに執着するような心理状況を保てるようになります。
これは、過去の失敗の経験から「今やれることに全力を尽くす」ことを考える方が良い結果が出やすいということを理解してくるからです。
外部の期待と自分への期待をエネルギーに変えることが出来る選手は、そんなに多くはなく、殆どがその重圧に耐えられなくなり、「失敗したらどうしよう」とか「失敗したときに外部はどういう反応をするのか」などを考えてしまったりします。
この心理状態に陥ると「あがり」の境地に入っていると思った方が良いですね。
これらの心理は大舞台で戦う人にしか分からない特別な境地です。
それ程、オリンピックというのは大変な場所です。
愛国心が強ければ強い選手ほど、また責任感が強ければ強い選手ほど、かかるプレッシャーも大きくなり結果を大きく左右してしまいます。
簡単にメンタルという言葉では片付けられないものですね。
優秀なメンタルトレーニングの先生が沢山おられますが、殆どが選手として同じような場に立つ経験を持った方はいないわけで選手が今どのような心理状況に陥っているのかを的確に理解することは難しいと思いますよ。
元複合代表の荻原さんが渡部選手を育てる際にオリンピック選手としての振る舞いを指導されている様子がテレビ放映ではありますが伺えました。
「トイレに入る際は真ん中に入れ」「常に真ん中にいるイメージを作るのだ。」の教えは何かわかるような気がします。
改めて、経験をちゃんと伝えることが素晴らしいコーチグであるとも思いましたね。
さて、試合は本当に難しいものです。
技術、体力がいくら勝っても最終的に力発揮できず負けてしまうということは沢山あります。
逆に弱者にとっても接戦に持ち込み、心理戦に持ち込めば勝機があるという一例もあり得るということです。
兎に角、「目の前のプレーにベストを尽くすことが勝利への一歩」とどの競技にも共通であると思いますので、これから残された競技選手も頑張って欲しいものです。
頑張れ、日本!
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