2014年2月17日月曜日

大学生をコーチング〜バッティングのタイミング

技術的内容の記事の掲載が最近少し滞っていますが、以前のバックナンバーにバッティングの解説などを沢山掲載していますので一度そちらの方も除いて頂ければと思います。

残念ながらブログのソフト移設を行った際に過去ブログはテキストだけしか持って来れず、写真が掲載されていないのでインパクトにかけるとは思いますが何かのヒントになると思いますので、ご参考までに・・・。

さて、先週の土曜日に某大学の練習に参加してまいりました。

主にバッティングを見て欲しいとお願いされ、「指導」というのか「アドバイス」というのかを行ってきましたが、久々現場での指導ということもあり、こちらが若いエネルギーを頂きながら楽しい時間を過ごせました。

最近の学生は体の出来が凄いというのが先ずは一番の感想。

兎に角、体の大きさは我々の学生の頃と比にならないぐらいしっかりしています。

一方、その体力を十分に使いこなせていないのもまた事実かとも思いました。

体が強くなった分、技術の研鑽が少し疎かになっているかと思います。腕力が強くなればそれなりにバットも強く振れますので、「それなり」にボールも飛んで行きます。

特に練習時に打たせてくれるような投球に関しては、「それなり」でも何とか打てるのですが、これが打たせまいと投げる試合の投手相手ではそうは行きません。

最終的にバットの芯で捕らえる技術が要求されるため、やはり正しい打ち方、特にタイミングの図り方を掴む必要があります。

「掴む」という表現をしたのは、「覚える」というような軽い感覚ではないと区別したいためです。

「掴む」はコツを掴むということであり、何十万回の反復により、「これだ」という感覚を身につけるようなことであり、それなりの生みの苦しみを経てしか得られないものだと思います。

この何十万回もかからずに簡単に掴んでしまう選手を天才と呼ぶのでしょう。

一般的にコツを掴むというのは容易なものではなく、相当の練習、特に無駄な練習が必要になってきますし、そういうものだと思います。


話が脱線しましたが、バッティングのフォームは人に教えて貰えてもタイミングだけは自分で掴まなければならないものです。

色々なところで指導者の方から「バッティングの際のタイミングの取り方をどのように指導すれば良いですか?」と質問を受けますが、このタイミングは「選手の体の強さやスィングのスピード、または相手投手によっても変わっていきますし、変えて行かねばならないもので簡単明瞭に説明できるものではないですね」と応えています。

とは言え、指導者の方もお困りですからその答えは次のように解説をしています。

バッティングは相手投手の投球に合わせてリズムを作る必要があり且つどのようなボールを投げられたかを見極めなければならない難しさが要求されます。

ボールを見極めるためには自分が動かずボールの来るのを待つだけが一番正しい方法だと誰でも納得されるでしょう。

バントを想像して貰えば分かると思いますが、バントの上手い選手はボールが来るのをじっと我慢していますが、下手な選手はボールを向かえに行ってしまいます。

良くバントの上手い選手はバッティングも上手いということを耳にしますが、このような理屈だと考えています。

しかし、バントのようにただ投球にバットを衝突させるだけでは、ボールは飛んでいかないため、バットを振る動作が必要になってきます。

バットを振るという動作を行う行為自体がそもそもタイミングを狂わす根本的で要因であることを理解しておく必要があります。

では、どのように考えれば良いのか・・。

打つ体勢で長くボールを見れる形を作ること。

「突っ込むな」、「間を取れ」と良く言われていることがそれに当たります。

具体的には、トップと呼ばれる「正に今から振りが出します」というポイントに留まる時間を長くすることです。

最近は高校生までは金属バット使用ということもあり、多少タイミングがずれても反発係数の高い特性を利用して打球は速く、遠くに飛んで行きます。

この弊害か、トップをつくるという行動が希薄となっているかと。

今回見た選手の中にもトップ欠如という選手が多くいました。

大学野球は木製バットであり、木製バットの特性として芯は一箇所、且つ反発係数が低いことから残念ながらしっかりと打たないと打球は飛ばない。

タイミングがずれてしまうと強い打球が生まれてこない。

昔のプロの指導者の方が「構えなんてどうでもいいんや。大事なのは投手が投げる時にトップにバットが納まっているかなんや!」と良く言っておられました。

関西弁かどうかさておき、これはこれで正しい表現だと思います。

アマの場合は構えもちゃんと出来ないと正しい位置にトップを作れない選手も多いので、構えも重要だと思っていますが・・・。

今回の指導では、如何にトップを作るかをアドバイスしてきました。

理解できたかなは心配ですが。


早稲田大学時代に落合監督の同級生の秋田工業元監督の加藤監督に呼ばれ、学生コーチとして練習に参加したときに加藤監督から「落合は高校時代、週間ベースボールに掲載されている分割写真でバッティング解説しているページを兎に角一生懸命見てバッティングを研究していたんだ」と独特の秋田弁でエピソードを聞かされました。

一流の打者は、そのような人一倍の探究心があるのですよね。

かく言う私も、現役時代の落合選手のバッティングをビデオで何回も見ながら自分のバッティングを作り上げてきました。

先日、沖縄で開催された侍サミットの翌日に中日のキャンプ視察した際に落合現GMと名刺交換をさせていただきましたが、この辺りの話はできずしまいでした。

が、憧れの方にお会いできて久々童心に返ったような気になりました。

野球は楽しいものです!

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