2013年8月5日月曜日

東アジア競技大会日本代表チーム1次合宿

先ずは、先号にコメントを戴きました方ありがとうございました。貴重な御意見として承りましたが、頂いたコメントを誤って削除し、公開できなかったことをお詫び申しあげます。

更に、更新の間隔が間延びしているにもかかわらず、沢山の方にご訪問戴き、ありがとうございました。

さて、東アジア競技大会日本代表チームの一次合宿が昨日終了致しました。

都市対抗本大会明けという状況の中、コンディショニング的にはまだまだという率直な感想でしたが、チームの方針の統一、寄せ集めである選手間のコミュニケーションの向上という意味では概ね目的は達成されたのではと思います。

合宿初日には、昨年から引続きのコンパクトディフェンスを中心としたディフェンスの説明を行いました。
このコンパクトディフェンスは選手相互がやるべきことをしっかり行わないと機能も半減することは連載しているベースボールクリニック、またはこのブログ上でも話をしたとおりです。

例えば投手であれば、低めに投げることが要求され、捕手は、投手が投球する低めのボール、特に低めのワンバウンドを後に反らさないようにする。内野手は、センターラインを締め、投手方向に集まり易い打球を処理する。外野は、頭の上を越える打球よりもライナーの打球を拾うといった具合に連動した動きになります。

したがって、この守りのコンセプトを十分に全員が理解する必要があり、今回の戦術的な大きな柱ともなり、練習、ミーティングにもかなり時間を割きました。

一方攻撃面では、「Next and forward」というキーワードを掲げました。

私は、今まで「攻撃こそ最大の防御なり」と積極的な姿勢で海外の大会に挑んで参りました。しかし、残念なことに中々、海外の好投手を打ち崩すことができないというのが現状です。
その気持ちが消えているわけではありませんが、今大会は、「後へ繋ぐ」という意識を持たせ、チーム全員で崩していくという戦いで挑みたいと考えています。

台湾、韓国、中国の一線級の投手からは、残念ですが今のアマチュアの打者では4点から5点を奪えるかというレベルにあります。
国際大会では、エラーや四球が国内大会よりも増して命とりになります。裏を返せば、そのような機会を如何に得点に結びつけるかが勝負になるのでしょう。
昨年のBFAアジア選手権も正にそのような展開となりましたし、結果的に得点に結びつけた日本が優勝したと言えるのではないでしょうか。

今回のこのキーワードは、如何にランナーを進め、確実に得点に結びつけるかということであり、その戦術を合宿にて選手に話をしました。
全日本に入る選手は、殆どが自チームではクリーンアップであり、どちらかというとランナーを返す役割の打順にいる選手が殆どです。
全日本チームにおいては、今までの役割を捨て、当てはめられた打順に応じた状況判断が要求されます。当然、その対応ができる力のある選手をこちらも選出したつもりですが・・・。
しかし、打順とは良くできたもので、其々の役割が機能しないと得点は中々積みあがりません。
「誰かがいつか打つだろう」というような気持ちに陥り易いのが全日本のようなチームであり、現にそのような傾向が強く、中々得点を積み上げることができませんでした。
今回の合宿では、打席における、塁上における自分の最低限の役割という観点で、その場面における決断の下し方について説明を行い、以後の合宿を通じながら判断のすりあわせ行うことを選手と申し合わせしました。

決してスモールベースボールを行うということを宣言しているわけではなく、チーム全体で得点を奪うというシンプルな考えを再度徹底したいということにつきます。
具体的な中味については戦術に直結するのでお話できないので、イメージが出来ないかもしれませんが、ニュアンスは掴んでいただけたのではと思います。

8月3,日と4日に実戦練習としてイースタン選抜と試合を行いました。
イースタンと言え、技術的にはさすがと思わせられるプレーばかりで勉強になりました。
特に、社会人の経験のあるジャイアンツの吉原コーチには大変お世話になりました。

結果は1勝1敗でしたが、1戦目の敗戦を受け、2戦目では、戦略を意識したプレーが随所に見られ、競り勝つことができ、次合宿に向けて弾みがついた内容でした。
選手個々人のコンディションを考えれば、及第点と言っていいでしょう。

しかし、プロ野球が相手だからといっても全日本チームが負けてはいけないという強い想いがあり、個人的には非常に悔しい気持ちです。

次回は、9月26日から出発まで神奈川地区を拠点として合宿を行なう予定としていますが、選手には、この合宿の最後に「全日本選手とは如何なる状況でも自分のパフォーマンスを十分に発揮する準備を怠らない選手である。次の合宿には絶対にベストの状態で来るように!」と厳しいコメントしました。

これは、先輩指導者から選手時代に受けた指導で大切にしている事項であります。
全日本の選手はそうあるべきですし、それが国を代表する選手の義務です。

選手諸君には、肝に銘じて行動して欲しいものです。

今回から「侍プロジェクト」として、アマ代表もWBC仕様のユニフォームに袖を通すことになるようです。
新ユニフォームは今回の合宿には間に合わず、次回合宿からとなりましたが、次回からは新ユニフォームで気分一新し、アジア最強を目指して選手、スタッフと供に更にヴォルテージアップして行きますので、以後もご声援をよろしくお願いします。

ジャイアンツ球場まで足をお運び頂きました社会人野球ファンの皆様、ご声援ありがとうございました。

それにしても大学から唯一選出され、2戦4番を務めた山川選手(富士大学)の連日のホームランは、プロ選手も唸るほどの強烈な2発でした。今後が本当に楽しみな選手です。


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