今回の小久保JAPANの編成ですが、26歳以下のいわゆる若手の代表格のプロ選手とアマチュアの大学、社会人トップ選手からそれぞれ2名が加えられ構成されました。
2017年のWBCを念頭においた選考方針であることは説明するまでもありませんが、海外試合を多くの選手に経験させることが重要な目的であります。
国際ゲームが国内と何が違うかというと競技においては試合までのセレモニー的な流れ、審判のジャッジの安定性にかける、ボークまがいの投手牽制など色々あるかと。
環境面では、日本と違い時間的な観念の差、分刻みで動く日本人とそうでない国との時間の観念の違いとでも言いましょうか。
予定した時間にバスが来ていないなど日常茶飯事で時間に厳しい日本人は殆どの人がイライラしてしまいます。
今回は台湾ということもあり、差ほど気になるような事はなかったのですが。
このようなご紹介していますが、聞くと見るとでは大違いで、1回でも経験をすると大体の感覚は掴めると思いますので選手も良い経験になったでしょう。
監督においても国内の試合の運営内規と海外では少し違い慣れるまでは戸惑うと思います。
例えば、ジャッジに対する抗議は、お金を支払って文書で抗議するなどの内規が世界大会のルールにはあります。付随して、色々な罰則が決められ罰金制が取られているなど。
今大会も採用されました延長戦での無死1・2塁で好きな打順から双方攻撃し、得点を競うというタイブレークシステムは、プロ選手には馴染みがないので本当にその場面を迎えた際はかなり混乱するかと思います。
実際、私が指揮を振るった2010年の広州アジア大会の台湾との準決勝でタイブレークを行いましたが、タイブレークを迎える前の試合展開は全く関係なく、たった1回の試合を行わなければならず、追い上げムードが消されてしまいました。十分な予習はして行きましたが、1球毎に状況が変わり判断が大変でした。
またタイブレークシステムが導入されてからは、接戦の展開で最終回に守備固め的な選手を主力打者に代えて守備につかせるという決断が難しくなります。
リードが1点のゲームで逃げ切ることを考えるのか、最悪、タイブレークを想定するのか監督の悩みどころとなります。
小久保JAPANでも9回裏を迎えるにあたり、4番 中田を交代させて4番が代わった打線になっていたことがありました。
これぐらいの選手が集まると誰が出ても大丈夫と鹿取コーチのご意見を聞き、なるほど人材が不足しているアマチュアとは違うなと思いましたが、一方で本番で冷静に判断できるかなとも思いました。
このように親善試合でしたが、本番だったらどう判断するんだろうというケースが沢山ありました。
結局、このような積み重ねしかチーム力を向上させることはできないんですよね。
勝った負けたでなく、本番までは内容にとことんこだわってチームを作って行くべきでしょう。
今回のスタッフはコーチ経験のない方が沢山いらっしゃいましたが、試合後の反省会では的確な指摘をされていました。
選手としても名プレーヤーである方々ですから私が賞賛するのは失礼かもしれませんが。
今回の台湾親善試合は過酷な国際大会とは少し違いますが、有意義な試合であった事は間違いありません。
今後、このような機会が増え、多くの選手が国際ゲームを経験することを切望します。
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