今年10月に北海道高校野球連盟主催の指導者研修会に打撃の指導ということで講師としてお招き頂きましたが、やはり打撃というものは非常に難しいという捉え方を皆さんされているようです。
スポーツの世界では、正しい知識を体得しない限り、実戦においては通用しないことはプレーをされている方は全員承知されていることです。
では、なぜバッティングが難しいのかというと対戦投手が代わり、それに伴いボールの速度、ボールの変化も変わる。
その対応をしなければならないことこそが大変だからです。
バッティングにおいて一番重要なことは、これらに対応する対応力であると思います。
一言で対応力と簡単に言いのけていますが、対応するためには、まず正しい知識を知る必要がありますし、それを体得することが重要です。
いわゆる原理原則と言われる基本を体得することが始まりです。
プロの指導者の方と色々と話す機会がありますが、得てして自分で体得した技術そのものを話されることが多く、凡人には今一つ理解できません。
ジュニア期の選手には、バットの握り、バットの選び方、最低到達技術レベルの目標設定などを指導してあげる必要があり、これらの指導そのものすべてが基本と言えると思います。
バットの握り、バットの選択が終われば、次に正しいからだの使い方を指導して行かねばなりません。
このブログ内でもかなり打ち方について記載したつもりですが、回転軸を中心にしっかり体幹を回転させ、バットに力を与えることが重要です。
よく言われるからだを使ってと言われることですが、バットを持ってしまうと腕力だけで振ってしまう傾向にありますので、バットを持たずに行うイメージトレーニングも必要です。
良く電車待ちの時に傘を持ってゴルフスィングのイメトレを行っている人を見かけますが、まさしくバッティングにおいても通用することで、スィングイメージを繰り返し行いからだにしみこませることが体得することにつながります。
素振りもトスバッティングもこの延長の練習でありますが、振れて200本(回)ぐらいが限界でしょう。
練習会場に行かなければ練習が出来ないということではなく、絶えずバッティングのことを考え、自然とステップの仕方の練習、ボディーターンの練習を無意識に行っているというレベルぐらいにならないとバッティングを体得することはできないと思います。
一日バットを100回振っている人は、沢山いると思います。
年間にして、36,500本振っているわけですから、数だけ聞けば相当の数です。
これだけ振っても3割を打つということは難しいわけですから、何万回の上積みが必要であることは明白です。
対応力とは、考えたこと(戦略)をからだで表現することができるということになりますので、イメージトレーニングはその基礎をつくるものとなります。
体得には、反復しかありません。
殆どの選手が反復の過程で断念していくので中々上手くいかないのではと考えます。
世界の王さんが、一本足打法を体得された時には想像を絶する反復練習があったと本で読んだこともあります。
実際、王さんとご一緒する機会を頂きましたが、王さんのふくらはぎの筋肉のつき方に驚きを覚えました。
努力とは、反復、継続というイメージがありますので、血のにじむような練習を考えてしまいますが、絶えず考え、実行に移すということが実は重要なのではないでしょうか?
選手に体得させるために指導者として一番難しいのが、じっと見守るということです。
どうしても結果に一喜一憂してしまい手を差し伸べてしまう。
これについては、私も反省するところが多い。選手に反復を促す指導こそ、一番大事な指導者の責務です。
体得するには、時間がかかるということをしっかり理解しておく必要があります。
時々、少しデモンストレーションで打ってくださいと言われて調子に乗って打ってみせることがありますが、大方、ほぼバットの芯に当たります。
これも何万回と反復して得た証と自分では思っています。沢山打つとふくらはぎに痛みが走るという落ちがつきますが・・・。
正しい反復で凄い打者が出てくることを期待します。
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