2014年1月31日金曜日

野球シーズン開幕!アマ代表チームのこれから

いよいよ明日からプロ野球のキャンプが始まり、2014年の野球界のシーズン開幕となるのでしょうが、今年もどんなドラマが生まれるか大変楽しみです。
アマチュア代表チームに於いては、今やアマ関連イベントの中で最もメインイベントとなるアジア競技大会が韓国仁川で9月末に開催されます。

3月末までに一次選手登録(役150名程度)を行い。
5月に一次登録選手の中から二次登録選手(30名程度)
6月に最終選手登録。
8月初旬に二次合宿(一次合宿は昨年12月に沖縄で終了)。
9月大会前に直前合宿を行い、
大会へ
という代表関連の流れになります。
このスケジュールをご覧頂ければ、一次の選手登録が肝とお分かりいただけるでしょう。

これから1ヶ月ぐらい膨大なスカウティングレポートを処理する作業をしなければなりません。

この時期に今年の活躍を見越して選手を登録するわけですから、昨年までの実績と今年新しく社会人に進む大学生をケアしながらの判断となり、かなり厳しい選考となります。

昨年の東アジア競技大会で金メダルを獲得したメンバーからプロ野球に大量に選手が進んだため、一からのチームづくりを行う必要が出てきます。

特に投手は、吉田、石川、東明、浦野、秋吉とここ数年アマ代表を支えてきた選手がいなくなったことで再編という言葉がぴったりということになります。

昨年の沖縄合宿では、この辺りを加味して意識して力のある若手投手を招聘しました。

ここ数年、左投手の台頭が影を潜めていましたが、今年は左投手の活躍が大いに期待できそうです。

一方、打線は山川、井上とクリーンアップがプロ入りし、ロングヒッターの台頭が期待されるところですが、投手と違い、長距離打者の育成はそれ程簡単なものではないため、頭が痛いところです。

「アマの打者よ、大いにアピールしてくれ!」というところでしょうか。

アジア競技大会ですが、台湾、韓国とも重要視している大会であり、それぞれ懸賞を掲げての大会参加となるのが通例です。

台湾は報奨金、韓国は兵役免除と報奨金。

よって、ほぼ両国ともトッププロ野球選手という今までの大会におけるチーム構成。

但し、今年のアジア競技大会は9月開催であるため、一線級のプロ選手派遣は少し難しいのではと聞いています。

台湾においては、プロ連盟と台湾連盟間で代表編成において揉めている様相で昨年末に侍JAPANの台湾遠征で試合をした際のMLB選手を中心としたチーム構成になることが予想されます。

韓国は地元開催であるのでシーズンを止めてでもこの大会に臨むのかが関心事ですが、そこまでしてまでもという編成ではなく、1軍クラスの若手選手主体となるのではと考えています。

私が初めて代表チームを指揮した広州アジア大会では、韓国、台湾ともオールスターチームで大会に臨んできました。

両国ともアジア競技大会のステータスが高いのが印象的でしたね。

当然、このようなチーム編成でしたので両国ともかなりの戦力でしたが・・・。

いずれにしてもこの大会はレベルがかなり高い戦いになりますので、挑む我々も覚悟を決めていかねばなりません。

広州アジア大会では準決勝 台湾戦でタイブレーク敗戦と本当に悔しい負け方をしました。

その敗戦をバネに昨年、一昨年とアジアで行われた大会を連覇して来ました。

今大会も今まで以上の意気込みで頑張って行きますのでご声援をお願い致します。

2014年1月20日月曜日

今後の野球界〜田中投手のメジャー入りを見て

楽天 田中 将大投手、ヤンキース入りが決定しましたね。

契約額が桁違いで庶民はただただ茫然という感じですね。

7年総額 1億5,500万ドル(約161億円)ですか~!

年俸23億円、年間162試合とすると試合に投げようが投げまいが、一試合約140万円の価値ということ。やはり凄い!


下世話なネタではじめましたが、日本に来るメジャー選手にこれだけ長期の契約をするとおそらく真面目に野球やるのは一年あるか、ないかでしょうね!


本来、日本に来るメジャー選手はほぼリリース状態にあるわけで、働きぐちがないので日本に来るというパターンが殆どか。

彼らもメジャーに残りたい、またメジャーでプレーしたいという願望は強いはずですから。

マー君は、と言うか日本人は真面目で、勤勉だから手を抜かないということを熟知しているからこその長期契約でしょう。

この辺りは野茂を筆頭にメジャーに挑戦した日本人プレーヤーの貢献でしょう。

中南米の選手に対しては、こんな複数年契約なんて余程スーパースターでない限り、無いでしょうね。

しかし、このマネーゲーム、1番儲けているのは仲介人。

選手が騙されないようにと法律知識、交渉に長けている人が代わりに手続きを行うだけのこの役目。

野球界に必要かと言われれば基本的に不要ですね。

この人らの手数料を制限することこそ、先にMLB.NPB間で協議すべきでは。

公認代理人しか選手の代理人ができないと制限するぐらいの勢いがないと日本にこの代理人制度が益々導入されたら日本のプロ野球は間違いなく破産しますね。

選手のサラリー以外に代理人の手数料を上乗せて資金繰りしなければならない。

プロ野球選手全員が代理人を起用し始めると年俸は高騰し、さらに代理人手数料が選手総支払額の5%以上上乗せされる結果になること間違いなし。

是非、検討してはと進言したい。



さて、あの名投手マダックスが田中の成功秘訣は「アメリカンスタイルで行け」ということが新聞に掲載されていました。

要は自己犠牲旺盛な侍スピリットではなく、個人主義的なメジャーリーガーとして振舞えということでしょうかね。

多国籍が集まるアメリカでは国民性も様々でほぼ単一民族で構成される日本プロ野球のような団結心のようなものは薄いと思います。

実際、私もサンディエゴ1Aのコーチをしていた時に難しいなと感じました。

兎に角、自己主張が激しいので圧倒されないようにですかね。

私がマー君にアドバイスをする間柄ではないので、心配するのもおかしいですが。


侍プロジェクトが開始され、プロの問題はプロの問題と片付けるのではなく、アマ側にも影響がでるとの視点で野球界の動向を注視することが今後大切になると考えています。

これからは、野球界はグローバル化への対応必至です。


若いプレーヤー諸君よ、語学と経済の知識を今から会得して、時に備えよ!







2014年1月17日金曜日

ケース打撃 〜ベースボールクリニック寄稿

ベースボールクリニックの今月号は打撃上達の方法論の特集が組まれています。

侍JAPANの打撃コーチということからか編集部から今私が寄稿をしている「HINT!」の他に「ケース打撃」についても寄稿のお願いを受けました。

ベースボールクリニック 「ケース打撃」というテーマですが、あまりに広範囲のテーマであるため打席における基本的な考え方をご紹介するに留めています。

ケース打撃を論じる前に全ての打席、すべてのボールに意味があるということを知っておかねばなりません。

これは試合開始直後の1球目に投じた投球にも試合を左右される要因となりうるということです。

ストレートに自信を持つ投手が1球目に変化球を投げるなど「いつもと違う」という投手の心理を相手打線に植をえつけたなど。

無論、試合中はそんなこと考えながら試合を進めていくわけではないですが、試合を振り返ると重要ポイントではない場面での「あの一球が」なんてことはよくあります。

打席においても同様であり、2回の攻撃で9番打者が12球粘ってアウトになったことによって相手投手の交代が早まったなどの類です。

これらを踏まえると「ある特定のケースの打撃」を行うためには、常日頃から試合を振り返り、試合のポイントがどこだったかをしっかり見極められる選手になっておくことが必要です。

今回、ベースボールクリニックへの投稿では、「スコアボードに試合の状況が書かれているので打席に入る前にしっかりスコアボードを先ずは見よ」と試合状況をしっかり把握することが先と記載をしています。

次に「ではこの場面で最低限何をしなければならないのか」という自分の果たすべき役割をしっかり認識して打席に望むことが大切であるとも書いています。

「毎打席、安打を打ちたい」と思うのは全ての打者に共通する心理ですが、10割打つことはまず不可能であり、3割.4割打てば素晴らしい打者と長い野球の歴史で証明されています。

試合に強い打者とは、言い換えれば「ベンチの信用が厚い」という打者であり、ベンチが想定しているような働きをしてくれる打者と言えるでしょう。

ということは、ベンチから送られてくるサインの意図を的確に読み取る力が必要であり、更にそれを忠実に実行できる技術が不可欠です。

1球1球めまぐるしく変わるベンチサインの意図を僅かの投球間に掴まなければならない。

これにはかなりの経験が必要となります。

日々の技術練習だけでは判断力が上がることはないので、練習試合や他チームの観戦を元に自分なりにこのケースだったらどんな対応を自分はするなど「自問自答」により判断力を上げていく必要もあります。

練習試合は日頃の技術練習の成果を試めす場でありますが、一方ではベンチと選手の意識レベルを合わす場でもあります。

練習試合などの反省会で打てなかったなどの様に技術的な反省会を開いているケースは多く目にしますが、ベンチサインに対して選手がどう受け取ったかなどのような話は余りしないようですね。

個々の選手とは行っているとは思いますが・・・。

今のアマ全日本は合宿期間が短いため、中々こちらの考えを伝える時間が少なく、そういった意味では非常に難しい面もあります。

が、試合の場面ごとのサインの意味や考え方を個々人と沢山話をしていくようにし、コンセンサスを図っています。

例えば、ヒット&ランという戦術が選手ごとに変わっていてはいけないという説明でお分かり頂けるかと思います。

また、同じ試合状況でも打者が代わると作戦もそれぞれ変わります。

また同じ打者でもランナーが代わるととる戦術は、また違ってきます

したがって、ケース打撃でこうだというものを提示することは難しいというのが結論です。

今回、ベースボールクリニックで紹介したのは、あくまでケース打撃の基本論であり、この技術というか考え方については、個々人でしっかり見出していくことが大切です。

「野球は、監督が選手と同じユニフォームを着て戦う唯一のスポーツ」です。

監督は重要な戦力であり、この意図を選手と合わせていくことが野球におけるコミュニケーションの極意ではないでしょうか。

2014年1月16日木曜日

野球における数字活用

指導者研修会の開催報告を前号で行いましたが、その中味を少し紹介するとのお約束を果たします。

コンディショニング研究会の発表者の筑波大学野球部監督の川村監督を披露...


川村さん、監督でありながらこの分野の専門化でもあり、寧ろこの分野では群を抜いたエキスパートであると言っても過言ではないでしょう。

また野球を良く知る珍しいタイプの研究者なんです。

今回の川村さんの話は「野球の練習に必要な数字」というテーマでの発表でした。

ストップウォッチの活用という副題であったかと思います。

まず紹介あったのは、一塁までの駆け抜けのタイム(インパクトから一塁到達まで)

これは大学生の平均タイムと言う前提ですが

平均      4.26秒
右打者(速い)  4.20秒
左打者(速い)  4.00秒
最も速い    3.70秒

という測定結果らしいです。

この数字をベースランニングの技術、走力を上げるための指標として活用するだけではなく、守備練習にもこのタイムを意識させて練習する日をつくるなどの活用もしているとのこと。

ここまではどのチームもやっているのでしょうが、川村さんの発表は続きます。


次に「ドラックバント」を行った際の一塁駆け抜けタイム、そして送りバントの場合、更にタッチアップの場合、まだまだ続く。

と徹底的にタイム計測の結果を発表されました。

一塁までの駆け抜けのタイムまでは計測したとしても、送りバントなどバリエーションを持たせることは意外にやらない・・・

色々なデータを計測し、指標として練習に活かすことは練習に対するモチベーションアップに繋がるのでかなりお勧めと思います。

但し、川村さんも言っていましたが、スピードを過剰に意識するために「タイムさへクリアすれば良いのでは...
と基本技術に反するようなプレーを行い、ミスをすることは本末転倒と。

プレーの正確性+スピードという捉え方で数字を使うべきですね。

プレーを定期的に計測または統計を取り、練習を数字化することも面白いですね。

今度、全日本合宿に取り入れてみようかと思ったぐらいです。

2014年1月13日月曜日

2014年 JABAスタート

毎年恒例となりました熱海での指導者研修会が1月11日~12日で開催されました(毎日新聞 記事)。

この研修会、我々日本野球連盟 競技力向上委員会の事業です。

昨年からこの委員会の副委員長になった私、この研修の取りまとめを仰せつかり何とか無事終えることができほっとしています。

研修の内容は前年度から少し嗜好を変えて、今回から競技力向上委員会の委員が主体的に講義、発表を行いました。

ブログ内でも紹介しております4つの研究会(競技力委員会記事)ごとに発表を行いました。

各研究会とも持ち時間45分程度とかなり短い発表となったため、研究の成果も十分伝えられなかったかと若干感じましたが第1回目としては先ず先ずではなかったでしょうか。

各研究会の発表の中で面白かった内容は次号で紹介していきます。

競技力委員会は、技術を教える委員と医科学分野の委員の二つのグループに分かれておりますが、今回は各研究会に其々の分野の委員が入り混じりディスカッションを重ねてきました。

特に医科学分野の方が現場を知る機会になったのではと考えます。

前にも話をしましたが、医科学の分野は指導者は知らねばならない事項ではありますが、実際の現場の指導に生かす場合はある程度取捨選択が必要になります。


例えばボールを投げる正しい動作の連続写真をみた為に「腕のしなりをつくろうとし、肘を引いてしまう投げ方をする」などの誤った動作をしてしまうと全く無意味なことになります。


科学的な指導と一見格好良く聞こえますが、昔ながらの指導にも良き点はたくさんあります。

更に技術を作り上げる前の「心構え」という点は、特に科学的とはいかない最も難しいものでしょう。

話は変わりますが、今回、NHK解説者の与田さんに講義講師をお願いしました。

非常に苦労した方であり、WBCのコーチ経験の話など中身が大変面白かったです。

アマからプロの指導者が出ることが究極のプロ・アマ融合ではないかというコメントは共感しました。

私自身も初日に「東アジア大会の報告」を行いましたが、もう少し話する時間を頂けたなら入り込んだ話ができたのですが・・。


と、今年もJABA(日本野球連盟))がスタートしました。


今年のスローガン、「熱きプレーで未来を創る~感動で繋(つな)がるJABAと地域との絆」。

非常に良いスローガンであると思います。

これに向けて一致団結して社会人チーム邁進していきますので、JABA今年もよろしくお願い致します。

2014年1月4日土曜日

2014年スタートにあたり~監督論

2014年明けましておめでとうございます!

今年も「楽しみにしていらっしゃる」というお言葉を支えに出来る限り、ブログ頑張って行きますのでよろしくお願い致します。

「一年の計は元旦にあり」と昔の人は手厳しい格言を残されたものです。

来年は何をやって行こうなどど大晦日に考えているうちに元旦をすり抜けて、すでに3日が終わろうとしています。

気が早いと言われるかもしれませんが、もう、今年も残すとこ362日しかありません。

無駄にすまいと思いながら中々上手く時間を管理できず、つい他愛もないことに時間を費やしてしまうこと幾数年・・・。

今年こそは毎日を考えて生活するぞとこの3日間で決意した次第です。

今年の(中国風に書くと)私的最大事は、9月に韓国で行われますアジア競技大会で金メダルを獲得することです。

そのために、残り8カ月余りをかけて選手選考、合宿を経て、チームを作り上げなければいけません。

一昨年のBFAアジア選手権、昨年の東アジア競技大会を何とか連覇し、3年連続の金メダルと行きたいところですが、相手もさることながら毎年ドラフトなどのより代表選手が変わっていくアマ代表は戦力の予測がつかないのも頭の痛いところです。

ま、これから若手の選手が伸びて来てくれることに大いに期待しています。

さて、今年一発目ブログは、私の師匠であります山中監督(バルセロナオリンピック代表監督、現法政大学特任教授)から学んだ監督の心得をご紹介します。

改めて読み返してみると「う~ん」反省すべきところが・・・。

以下は山中氏の持論です。


山中正竹氏
【監督心得20カ条
①目標と方針を明確に伝えよ
②専制、民主、放任指導を駆使せよ
③指導は論理と根気
④経験は押し付けるのではなく理論化するもの
⑤数字で説け
⑥温情は捨てよ
⑦不平等は必然、不公平はご法度
⑧選手自身に考えさせよコーチは2倍、監督は3倍考えよ
⑨情報は豊富に持て、判断は自分で
⑩妥協するな

⑪何があっても驚かない
⑫負の存在を看過するな
⑬裏側から見よ
⑭先を読め
⑮プレッシャーを喜べ
⑯迷ったら攻めよ
⑰2つの顔を持て
⑱選手に伝えた言葉は絶対忘れるな
⑲感謝を望むな、感化を喜べ
⑳感激性が希薄になったら辞めよ


いかがでしたか?

今年1年、師匠を追い抜けるように頑張って参ります。

皆さま、今年もブログ、その他でお付き合いの程、よろしくお願い致します。