2014年4月23日水曜日

右打ちの極意〜鶴岡野球連盟シンポジウムに参加して


4月19日に山形県鶴岡市で開催されました鶴岡野球連盟「ドリームスタジアム15周年記念シンポジウム」に参加してきました。
一部 ジュニア向け(選手)、二部 指導者向けという構成で、鶴岡にゆかりのある日本野球連盟関係者と登壇し、対話型の講演会に参加しました。
因みに参加した野球連盟関係者は、大田垣委員長、西委員、杉浦委員、柴田事務局長と私というメンバー。

講演会は基礎的な色々な質問、例えば「指導者の心構え」はとか、「選手をやる気にさせるには」など。
回答に苦慮しながらあっという間の4時間が過ぎました。

質問の中で、実に面白いと思われた内容は、「右打者が右打ちをする極意を教えてください」、加えて「右投げ、左打ちが増加しているがどう思うか」という2点。
右打ちの極意を口頭で到底説明できかねますので、以下のように回答しました。

右打者が右打ちをすることは、戦術面と技術面の二つの利点があります。
戦術面では、ランナーの背後に打つことで進塁打となりやすい。特にランナー1塁のケースでは右前安打で3塁まで行ける。
技術面では、逆方向に打つためには、投球をホームプレート方向にできる限り近くまで引きつける(野球用語で良く言われる、呼び込む)必要があり、投球から早く目を離さないこととなり、ボールをコンタクトし易い。簡単に言うと目きりが早くならず、ボールをしっかりと見ることが可能となり、ボール球に釣られなくなる。
右打ちを習得する前になぜ右打ちという理屈をしっかり指導する必要があります。

と質問への回答からほど遠く。

このようになぜ右打ちした方が良いかという理屈を知ると右打者が左方向の打球ばかり意識して打つことがエゴということになるのが分かるでしょう。
とは言っても、右ばかりに打球が飛んでいるとシフトを引かれて逆に安打ゾーンが狭まることになるため、時々は引っ張った方がいいというのも一理。
例えば、チームバッティングが不要のケース、2死ランナー無しとかランナー2塁のケースだとか。
一番望ましいのは、90度のフェアゾーンに満遍なく打てること。
そうなれば守備側は困惑します。

次に「右投げ、左打ちが増えたことについて」という引き続きの質問への回答も右打ちの戦術面の利点を理解できると自ずと想像いただけるかと。
最近の日本における右投げ、左打ちの増加傾向は、「足が速いから左打ちが有利」という理屈の元に増加していると言われています。
ジュニア期では「脚が速い」と三遊間にゴロが飛べばかなりの確率で安打になるため、敢えて脚の速い選手を左打ちに変えるとことも多く行われているようです。
しかしながら、「ジュニア期の脚が速い」は高いレベル、例えば、高校、大学レベルでは差ほど速さを感じず、守備側の技量も上がっているため、それ程、有利とはなりません。
当然、際立った脚力を持つ選手は別です。
最近の左打者の傾向は、左方向ばかりに打球が飛び、引っ張れない(右方向に打球が飛ばない)選手が多いようです。
ということは戦術面の「ランナーの背後に打て」という基本原則からは外れることになりますので、傾向的には良くないと言えるでしょう。

もうお気づきだと思いますが、勝つための戦術、技術を理解して日頃の練習、チームづくりを行うことが重要ということです。
何となく左打者が優位という風潮にありますが、使い勝手の悪い左打者も多く存在するということも知っておくことが必要です。

上記がシンポジウムで特に印象に残ったことですが、会が終わった後に参加されていた高校の監督さんが「ベースボールクリニックに投稿されていたコンパクトディフェンスを実践してみたので、データを見て貰ってもよいですか?」と態々尋ねてくれました。
正直、実践してくれているということが大変嬉しく思いました。
一方、理解できるような情報提供をする必要があるなと改めて感じました
実践された結果は、相対的に良かったという感想でありましたが、やはりケースによって守備体型を変化させる必要があるのかとのご意見も。
まさしくそのとおりで、我々JAPANでもコンパクトディフェンスを基本形として状況に応じて対応を変えています。
チームの事情によって守り方は変わりますので経験の中からつくり上げられると思って頂ければと思います。

色々な意味で今回のシンポジウムは勉強になりました。初心に帰れたというか・・・。

鶴岡野球連盟の皆さんは、全国屈指の野球好きの集団かと。

参加させて頂き、ありがとうございました。

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