2014年4月24日木曜日

日本ハム 大谷選手大活躍にみる打撃の極意



二刀流の日本ハム 大谷選手が輝いています。
投手、打者としても同年齢選手と比べ、抜きん出た成績を残しており、本当に素晴らしいの一言です。
特に打撃の成長は顕著で人気先行で起用されているとも思えません
先日の左中間への本塁打も凄かったですが、続く打席でのインコースのカットボールを右手一本でライトオーバーの2塁打を放った技術は野球人として「う~ん」と唸らせるものがありました。
多くの解説者が大谷選手の打撃を見て少しバットが下がり気味であり、振り遅れる傾向にあると言っています。
バットが下からでるのではなく、打つ時にウエイトが後ろ足に残り過ぎているため、バットを下から出すしかない状況に陥っていると言った方が良いかと思っています。
これはキューバを筆頭に中南米の選手に良くある傾向であり、主にパワーヒッターに多い打ち方です。
軸足にウエイトが残ることにより、良く言われる突込みという現象が起こりにくくなり、ボールを手元までひきつけることができるという利点があります。
但し、手元までボールを引きつけるため、短時間でバットを振る必要がある。つまり、バットスピードが速くなければ出来ないということになります。
バットスピードが速いということは、体の回転速度(私は良くヒップターンという言葉を使いますが)が速いということになり、かなりの身体能力が必要ということになります。
体に近いところで打つことの利点は、先に挙げたボールを引きつけることに留まらず、後ろ手でボールを押し込むことが可能となります。
なぜ押し込めるかを解説すると突っ込んだ状態では、からだから早くバットが離れていく傾向、つまり手が伸びきった状態でインパクトを迎えることに繋がります
からだに近いところで打つことは、両手が縮まった状況でもインパクトを迎えることが可能となります
したがって、「突っ込む」よりも「残しすぎ」の方がまだ強く打てる可能性が残されているということになります
文章では中々伝えにくいのですが、軸足にウエイトを残しながらボディーターンでバットを振っていくというのが理想なのですが、ボールをからだの近くまで如何に呼び込むことができるかはボディーターンの速度(反応速度やバットスピード)とフレキシブルな両腕の使い方(ボールを芯で捉える力)の二つが鍵となります。
現役時代の落合選手の打ち方を想像して貰えれば、理解して貰えるかと・・・。
落合選手とはタイプが違いますが、大谷選手と同じチームであり、先般の侍JAPANで同行させて頂いた稲葉選手も独特両手の使い方をしております。
稲葉選手ともバッティングの話を少しできましたが、後ろ手(稲葉選手は左手)でボールを押しこむという感覚を大事にしていると話しておられました。
一方、「昔ならホームランできたボールが出来なくなってきている」とも洩らされていました。
年齢を重ねると先ずは衰えてくるのが「反応速度」それから「全体的なからだの速さ」の部分と私自信の経験から考えております。
視力の低下や神経系の何かの問題、体力的な衰えが要因なのでしょうか。
年齢と伴に昔みたいな打撃が出来なくなってしまうというのは受け入れなければならない事実であると思います。
逆に若い時の感覚を追い求め続けるとベテランになってからは停滞の一途となることになります。
それを防ぐためには、経験上のテクニックでカバーして打つしかない。
だから良くベテラン選手が「ごまかしながら打っています」なんてコメントが出てくるのでしょうね。
別にごまかしで打っているのではなく、年齢に応じた打ち方をしているわけで自分の置かれている状態をしっかり把握できて打撃が出来ているので寧ろそれで良しと思って欲しいものです。

話を大谷選手に戻しますが、賞賛した「インサイドのカットボールを片手で打った2塁打」ですが、今までの話を理解して貰えれば両手でしっかりと打ち、2塁打ではなく本塁打にして欲しかったですね。
その為には、ボディーターンのスピードを更に上げることと、伸びきった前腕を少し曲げてボールを捉え、左手で押し込むというフレキシブルな動きの習得が必要でしょう。
そうすれば、日本を代表する長距離打者になることは間違いないと思います。

ま、今の年齢であのインサイドのボールを片手で打つことができたテクニックには「あっぱれ」と単に賞賛しかないですが・・・

しかし、恵まれた良い体格を持っているなと改めて羨ましく思いますね。

やはり、プロで活躍するには、規格外の身体能力が最重要なのかな。

いずれにしても、大谷選手には頑張って頂きたいものです。

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