2012年8月6日月曜日

打撃理論~ヒップターン

前号で回転軸の話をしましたが、体重移動でもう一つ欠かせない事項が、どのようにからだを回転させるかということです。
からだの回転をするためには、まずは両足が地面をしっかりと掴んでいなければならないことは説明する必要もないでしょう。
これがスタートとなります。
からだを回転させるために指導で使っている言葉がヒップターンという言葉です。
文字通り、投球に対して平行に構えている位置を0度としてお尻をしっかり90度回すことをヒップターンと読んでいます。
よく「壁を作れ」と指導者が言い、腰(お尻)を回転させず中途で止めて打たせることを目にしますが、本来遠心力をバットに伝える必要があるので、どこかを止めてしまえば必ずバットに伝わる遠心力は半減するはずです。中途で止めるのではなく、お尻は90度まで回しきることが大切です。

ヒップターンを行う時に注意をしなければならないことが、重心の位置です。右打者を例にとって解説しますが、右打者の左側の腰を意識して回転を行うと背中側に重心が移動します。重心は踵方向に移動すると考えてください。次に、右腰を意識して回転をすると投球の方に右腰が出てくる感じがして、重心はつま先方向に移動してきます。
昔の人が「腰で打て!」と言われていましたが、この腰で打てはきっと後者の右腰を意識して打つ方法であると考えます。
インサイド→アウトのスウィングが良いことは皆さんご承知のとおりだと思いますが、要は後者の右腰が前に出てくる意識、つまりつま先方向に重心移動ができたならば簡単にこのスウィングが身につきます。
逆にインサイド→アウトのスウィングは、手の使い方を行っているのではないことを理解してもらえるはずです。要は正しいからだの使い方さへできれば、インサイド→アウトのスウィングは習得できます。
ヒップターンをスムーズに完成させるためには、後ろ足(蹴り足)の踵が上がるくらいまで、しっかり回すことが重要となります。
お尻が回転するより早く足首が回転するのですが、あまり踵を意識しすぎると右腰を意識した回転がおろそかになるので、やりすぎには要注意です。

「反対方向に強く打てるようになりたいのですが?」という質問をよくされるのですが、右腰が投球に出てくる感じがもっともこの答えに近いかと考えます。
右腰と書いているのは、右打者の例ですから左打者は、左腰というのを間違えないでください。

松井選手がメジャーで活躍できなくなってきているのは、写真のとおり、ボールの変化に対応しようとして後ろ足に体重を残しすぎており、尚且つ、腰(お尻)の回転の意識が前側の腰(松井選手は左打者なんで右腰)に意識を持って回転しているためで、結果的に背中側に重心が移り、体重が軸足に残った状態でボールを打ちに行っている、即ちアウトサイド→インのスウィングになっているためと考えています。
しかし、松井選手がこんな状態になるんですからメジャーの投手の投球がホームプレート付近でどれだけ動いているかが分かります。
回転しながらつま先方向に重心を移しながら打てば、松井選手はまだ活躍できるはずです。

回転、単に回るだけなんですが、意識の持ちようでその後のスウィングが変わってしまうという大変難しい技術です。
文章では中々掴めないと思いますが、写真をしっかり見比べて見て、研究ください。







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