2012年8月6日月曜日

試合前の準備2

前回では、特に球場に入った際の準備確認事項について記載をしましたが、今回はウォーミングアップについて記載をします。国際試合では、試合前に両チームにバッティングとシートノック( 国際的にはファンゴ)が与えられ、球場入りしてから試合まで2時間以上の広義な意味でのウォーミングアップ時間が与えられます。一方、日本のアマチュアの場合は、概ね前の試合終了に併せて体を動かし、球場に入るなりキャッチボール、シートノック、試合と流れていきます。この為か、日本人は、短時間で直ぐに体が動くように一生懸命にからだを動かします。
この理由なのか、日本チームが国際大会に参加すると試合前の2時間をどう過ごすのかに戸惑い、何となく間延びしてしまう傾向にあります。また球場入りしてから練習スタートの合図と共にウォーミングアップが開始されるとウォーミングアップ用上着(俗称、カッパ)を着込んで一生懸命スタートダッシュを繰り返し、まるでサウナから戻ってきたかのように発汗し、顔も熱を持っているような状態でベンチに戻ってきます。
慣れていないから仕方ない話ですが、用意ドンでスタートして速さを競うスポーツと違い、野球は序盤から終盤まで乗り切らなければならないスポーツです。勿論、1回の表からガンガン飛ばしていくことも重要ですが、概ね日本チームは、終盤に息切れしてしまうケースも多く、ストレッチとキャッチボール、数回のダッシュとバットスィングで十分動けるようになります。これにシートノックが入れば、いつでも試合はレディな状態なはずです。
コンディショニング全盛期の日本、コンディショニングコーチがついてウォーミングアップを行なうチームが増加していますが、ストレッチぐらいはチームで纏まってやっても、後の過不足は自分の判断でアップを行なうべきと思います。自己コントロールできなければ、成長はないと思います。
私見ですが、日本のウォーミングアップには、強化が入っています。練習時におけるウォーミングアップに強化的な要素を取り入れることは、全く問題ないですが、強化メニューまで盛り込まないと試合がやれないというのでは、試合においてはマイナス効果になると思います。海外チームにおいては、力を貯めるという観念の方が強く、試合前にトップスピードでの動きは殆どいれません。やるとすれば、試合開始直前の数メートルのダッシュぐらいでしょうか。
勤勉な国日本においては、手を抜くという行為が良い印象ではなく、いつも全力が美徳と賞賛されます。しかし、試合の終盤に失速するケースを見るといつも全力では、持たないということが一方では言えます。
大きな声を出して、集団で行動しないと何となく盛り上がって来ない体質に小さい頃から慣らされている日本の野球選手にとっては、手を抜くと魂まで抜かれてしまうような感覚になってしまうことは十分理解できますが、本当の連戦を勝ち抜いていく上では如何に体力を温存するか、気持ちをリフレッシュするかが最重要ポイントです。
夏も冬も同じアップ時間を要し、いつも同じ種目のウォーミングアップを行いという方法ではなく、体力を温存することを少し視野に入れた試合に勝つための必要最小限のアップを検討されては如何でしょうか?
ベンチから挨拶に出たその一歩からが「ゲームモード・スィッチON」の状態です。常に集中を持続していくことはできません。
少なくとも試合前のアップと練習前の強化の入ったアップとは分けて考えるべきだと思います。



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